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Where the runway meets the street

ブランド:BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)

今般カセットバッグをさらに進化させたBOTTEGA VENETA。この比類なき不朽のバッグへのオマージュとしてブランドの歴史的瞬間を掘り出して見せている。

再登場:アンディ・ウォーホルのBOTTEGA VENETAキャンペーン。

そう、あの世界的アーティスト、アンディ・ウォーホルは過去に、BOTTEGA VENETAのキャンペーンを監修している。それがこの度、カセットバッグにフォーカスしながら、2022年向けに刷新されたのだ。

©︎BOTTEGA VENETA

ウォーホルのアシスタントで彼のアトリエである「ファクトリー」の常連、元夫で共同創業者だったミケーレ・タッデイからBOTTEGA VENETAを受け継いだ女性、ラウラ・モルテド(旧姓ブラッジョン)との共同制作キャンペーンだ。

モルテドがウォーホルと広告代理店を引き入れて展開した“When your own initials are enough”(自分のイニシャルだけで十分)キャンペーンは、1978年にウォーホルの『Interview』誌に掲載された。

これにより、ブランドのアイコンであるイントレチャートステッチに、控えめなエレガンスという、ステルス富裕層という言葉が体系化される以前にあったイメージが定着した。

©︎BOTTEGA VENETA
©︎BOTTEGA VENETA

もちろんBOTTEGA VENETAはカセットバッグの上にXLサイズで表現されているイントレチャート編みだけでなく、メゾンとして近年再び使うようになっている特徴的なパラキートグリーンでも知られている(いちばん最近では色鮮やかなBOTTEGA VENETAアプリでの使用がその例だ)。

イントレチャート同様、パラキートグリーンもブランドにとって新しいモチーフではない。上のポラロイド写真に写っているBOTTEGA VENETAのウィーン店を彩っているのもこの色なら、ウォーホルが監督を務めた1985年のブランドのキャンペーン映像BOTTEGA VENETAインダストリアルビデオテープに登場するパッケージもこの色で統一されている。何十年も前から存在している色だ。


スポンサーによるBUTTのリニューアル、マチュー・ブレイジーによるFW22コレクションの発表と、BOTTEGA VENETAでは最近大きな話題が続いている。今回のカセットバッグへのオマージュはさらにそこに続くかたちだ。

BOTTEGA VENETAには定番のレザーのイット・バッグが他にもたくさんあるが、このバッグほどブランドのエトスを直接表現したものもない。

そんなカセットバッグは、2022年のウォーホル・ルネッサンスの中で独自の地位を確立している。