草川拓弥の初挑戦『みーんな、宇宙人。』で魅せたラップバトル
最新映画『みーんな、宇宙人。』では、自身初となるラップバトルをクロウ(Moja)と繰り広げる草川拓弥。先日6月7日に全国公開され、CINEMAランキング通信のミニシアターランキングでは初登場3位にランクイン、邦画では1位を記録した大ヒット上映中の映画『みーんな、宇宙人。』の魅力について、撮影裏話なども交えながら語ってもらった。
——映画『みーんな、宇宙人。』を観ての感想はいかがですか?
第一印象としては、前回の短編『モジャ』もそうだったんですけど、Mojaたちのほっこりするような動きやセリフのトーンの感じもギャップがあって、とてもかわいらしくて愛らしかったです。今回いろんなキャラクターも増えて個性も豊かだし、かわいい瞬間がたくさんありました。それこそ匠くん(西垣匠)と共演したピーチとか空中を浮きながら散歩してたし、ああいう表現が独特の世界観でかわいいなと思いました。作品に関しては、悩みや苦しみを抱えている方の背中をそっと支えて押してくれるよな、心があったまるような作品に仕上がったのではないかと思います。また、自分なりの正義を見つけられる作品になっていると思います。
——他の出演者のシーンを見た感想は?
それぞれの悩みを抱えた主人公がいて、誰もが自分に当てはめて共感しやすいのかなと思いました。観る人も納得できるような作品にはなってると思いますね。
——気になったシーンはどこですか?
僕はやっぱり匠くんのところになるのかな。匠くん自身がイケメンだけど、(役柄では)イケメンじゃないとか、自分にネガティブなイメージでやっていて、ピーチがベンチから落ちるところを助けて、そこから恋心が芽生えてみたいな。ピーチとお話していくうちに自分もこの感情に気づけて、「好き」っていうのは恋愛だけじゃなく、何かどうかはわからないけど、心があったかくなるような感情なんだなって気づかせてくれたっていう。ゆっくりではあるけど前進していってる前向きなストーリーが匠くんに合ってると思いましたね。菊地さんのオレンジ(Moja)に食べられちゃうシーン、あれも独特でしたね。めっちゃ面白かったです(笑)。あと、全ての作品に音楽が入ってくるじゃないですか。音楽との親和性がすてきだなと思いました。最終的には(人間を滅ぼしに地球にやってきた)Mojaたちも、人間を滅ぼしたくないというふうに気持ちが変わるんですけど、Mojaたちも悪くないし、Mojaたちなりの正義があるというところが、今の世の中にもハマってるなってと思いました。
——ヒロト役についてお聞かせください。
以前、雑誌『NYLON JAPAN』で「Virgin Express」という、初めてのことに挑戦するような連載企画をやらせていただいてたんですけど、写真だけじゃなくて、映像でも初めてのことを体験させていただけるんだなって思いました。さすがNYLON JAPANさんです(笑)。最初に台本もらった時、「まじか!」ってびっくりして、台本を読んだときに、キャラクター像や性格があまり描かれていなかったので、自分なりに考えて演技に取り組みました。ラップがメインだったので、ラップで気持ちとか表情が伝えられたらいいなと思って演じました。台本を読んですぐ、ヒロトに共感できて変に作り込まないで演技ができたので、わりとヒロトは自分と似ているのかなと思います。
——撮影現場でのエピソードは何かございますか?
とにかく暑かったです。僕よりもMoja役の方々のほうが、全身ブルータイツを着て炎天下のなかMojaを動かしていて、もっと大変だったと思います。あらためて映像で観ると、僕のシーンは、お寺・ラップ・ギラギラの衣装っていうミスマッチ感が癖になるような感じで、逆に面白いなと思いましたね。何より印象に残っているのはヒロトのビジュアルですね。NYLON JAPANさんの誌面に載るような“THE NYLON JAPAN”なヘアメイクでとてもテンションが上がりましたし、そこでスイッチが入りました。他の出演者の方々を見ても、僕が一番奇抜だったかなと思います。あとは、ただただラップとの勝負でした!
——実際の世界にMojaが現れたらどんな話をしてみたいですか?
Mojaって楽観的な部分があると思っていて、僕は人見知りなので悩みごととか相談ごとを聞いてほしいです。まったりしたトーンで話してほしいですね。
——話は変わって、ファッションのこだわりは?
全体のシルエットとバランス、色味ですね。服は大好きでよく購入するのですが、僕はイエローベースの肌なので、淡いパステル系の色味の服を買うことが多いです。
——海外で一番印象に残っている場所は?
NYLON JAPANさんで行かせていただいたニューヨークのタイムズスクエアですね。初めて生でタイムズスクエアをたんですが、最高でしたね。あと、ニューヨークにあるNYLONさんの本社に行けたのがすごく嬉しかったです。その時に、「NEW YORK & LONDON」だから『NYLON』だと教えていただいて、すごく貴重な経験をさせていただきました。
——好きな音楽は?
back numberです。back numberしか聴かないです(笑)。きっかけは、学生の頃仲良くなった友達に教えてもらって、そこからずっと好きですね。
——好きなアートは?
ルイスポールセンのパンテラっていう、おしゃれな人の家に絶対あるようなライトを憧れて買ったんですけど、絶妙な形がアートですね。
——最後に『みーんな、宇宙人。』の見どころを教えてください。
個人的な見どころとしては、初めて挑戦したラップですね。作品全体を通しては、とても温かみのある作品なので、気軽に観に行けて、感動する良い言葉を持って帰れる作品だと思います。またクスッと笑える場面もあって、Mojaたちのかわいいいといころも観れて、とても楽しめる作品だと思います。
——どんな方に映画を届けたいですか?
僕を応援していただいているファンの方々はもちろんですが、悩みとか生きずらさを感じている人に届けられたらなと思います。あと、『NYLON JAPAN』創刊20周年の記念すべき作品に関わらせていただいて本当に嬉しいです。これまで、連載や表紙などたくさんやらせていただいて、とてもお世話になっていたので、お返しじゃないですけど、作品に力を送ることができてすごく嬉しいなと思います。応援していただいている皆さんも、NYLON JAPANさんが演出してくださる僕が好きだと思うので、ぜひ劇場で動いているヒロトを観てほしいなと思います!
『みーんな、宇宙人。』
【あらすじ】
ある日、誰かの役に立とうとビルの屋上で「オレオレありがとう」を繰り返すセイヤ(兵頭功海)のもとに、突然何かが空から落ちてくる。セイヤが電話を切ると、エメラルドブルーの毛がモジャモジャの見たことのない生き物ーーミントがそこにいた。ミントと他愛もない会話をして仕事へと向かうセイヤだが、その後、体型にコンプレックスを抱くミサト(菊地姫奈)のもとにオレンジ、自分に自信が持てずネガティブなショウ(西垣匠)のもとにピーチ、寂しがり屋な女の子・レイ(三原羽衣)のもとにオリーブ、人間を強く信じるヒロト(草川拓弥)のもとにクロウ、これまでの人生に悔いがあるミステリアスな人物・リュウ(YU)のもとにグレープというミントの仲間たちが次々現れ、会話を通してお互いのことを少しづつ理解し始める……。
出演:兵頭功海/菊地姫奈/西垣匠/三原羽衣/草川拓弥/YU/麿赤兒
関本巧文/詩歩/冬由/儀間咲彩/佐々木穂高/栗山かほり
監督・脚本:宇賀那健一
プロデューサー:戸川貴詞
主題歌:NIKO NIKO TAN TAN「No Time To Lose」
制作:VANDALISM
配給:エクストリーム
製作:CAELUM
公式サイト:https://www.mojamovie.com
公式SNS(X・Instagram・TikTok)/@moja_pjt
2024年/日本/93分/5.1ch/16:9/カラー/DCP
©2024 CAELUM
- PHOTOGRAPHY: SHOTARO YAMAGOE
- STYLING: KUMIKO SANNOUMARU
- HAIR&MAKEUP: KATO(TRON)