近くの目黒川沿いも桜が咲き、花よりも他人の後頭部に掲げられたスマホ。桜と共にアルコールで散り行き、だらりと地面に枯れ落ちている泥酔者を眺める時期がやってきた。

寒いんだか暑いんだかまだ分からぬ中で薄着で過ごしていたらこちらは腹を下して、もはや自身が目黒川。

(久々に着たSAINT LAURENT(サンローラン)のデニムジャケットが再ブーム。)

腸内も咲き乱れており便所こそ最高の花見会場ですよ。といった具合なのだが、それでも冬服からおさらばできたことは嬉しい。春、上等。水(下痢)はやべぇのである。

デザイナーが入れ替わりまくったブランドの店頭にも、ようやく新デザイナーによるコレクションが展開される時期となった。

一部の層には未だに新たなデザイナーに関して否定的な見解もあるようで、オススメで流れてきた、富裕をこれみよがしに見せつけたい。デザインよりとにかく分かりやすいものが好きであり、自身の造形も量産型のそれに分かりやすく仕上げた者が、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)になったDior(ディオール)に対して「Diorじゃなくなってそうで不安~」と自身の動画チャンネルで苦言を呈していたが、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)時代のDiorなんて見たら、きっと顔がひきつりまくって造形が変わり量産からの顔面オートクチュールと化してしまうであろう。

ちなみにそちらの方は、自身の男性の友人のルームツアーにお邪魔した際には「寝室の壁紙をモテたいならDior、もしくはDOLCE&GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)にしろ」と申しており、そんなことになったら毎朝毎晩ロゴのゲシュタルト崩壊が起きてはノイローゼとなって、己の全身にもモノグラムを描きはじめてブルジョワ “耳なし芳一” になってしまわないのだろうか……と、庶民の自分は心配になってしまったのだが、在りし日の深田恭子氏が “私はマリー・アントワネット(Marie Antoinette)の生まれ変わり” と自称していたのを思い出しては、真の生まれ変わりは深田氏ではなくきっと彼女に違いない。

前世のマリー・アントワネットに憑りつかれた彼女と芳一の除霊対決がこの令和に行われるのであろう。上層階のタワマンが会場なのもあり、これぞまさに頂上決戦。大島てるも驚きである。

と、また話が大大大脱線してしまった。

成仏すべきはこの自分の邪念であり、俺自身が事故物件。

ということで、どういうことで、なのだが店頭を見に行って、気になったものをザッと見せつけさせていただきたい。

©BOTTEGA VENETA

BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)のコート。ふと立ち寄った店頭で見たら着てみたくなって、試着させていただいたらなんだか自分、似合ってしまっていて。こういった勘違いが人は執着に結びつくので危ない。イントレチャートレザーのスロートラッチが、さりげなくついていてほど良い主張が心地良い。

©CELINE

CELINE(セリーヌ)のジャケット。羽織ったらシルエットがめちゃくちゃキレイ。ジャケットはもう要らないと思いつつキレイなジャケットは何枚あってもよくない? と、俺の中のささやき女将がささやいてきている。

©CHANEL

母なるCHANEL、母なるジャケット』でも言及していたマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)の新生CHANELの母なるジャケットシリーズ。やはりかわいいしとてつもなく欲しいけど、お値段が清水の舞台どころか高尾山を転げ落ちるくらいでちょっとどうしたものか。

こうなったらもういっそ自分にマリー・アントワネットが憑依してきてくれないだろうか。

と、春の温かさで頭までお花畑になってきてしまっているので、今回はこの辺で話をギロチンでカットさせていただきたい。

ほら……マリー・アントワネットなだけに。