リック・オウエンスの門外不出のアトリエに潜入
- By HighsnobietyJapan in life
- 2020年7月7日
これはHighsnobietyが主催し、キュレーションを行うオンライン展示会「Not In Paris」の一部である。展示会の詳細はこちら。
「コンコルディア・スッラ・セッキア(Concordia sulla Secchia)」は、人口8500人に満たない北イタリアの自治体である。「Ferrari(フェラーリ)」や「Lamborghini(ランボルギーニ)」「Maserati(マセラティ)」などのスポーツカーが拠点を置く「モデナ(Modena)」からは19マイル(約30キロ)ほど離れたところにあるこの比較的静かな街は、クリーンな生産ラインとしても知られ、その製造は20年にものぼる。
コンコルディア・スッラ・セッキアに広がるのどかな青空とのコントラストを織りなす変哲もないライトグレーの建物の中に、デザイナー、リック・オウエンス(Rick Owens)のアトリエ「Owenscorp Italia S.p.A.(オウエンスコープ イタリア S.p.A)」がある。入り口近くにサンセリフの書体で「OWENSCORP BAR(オウエンスコープ バー)」と記され、オウエンスのあの美学を紡ぎ出す100人を超える職人がいる外観には見えないだろう。
これまで誰も中を覗き見ることはできなかった。オウエンスのiPhoneとオウエンスコープのクルーによって撮影され、この隔離状態での製作活動をお披露目してくれた。
「これはイタリアのコンコルディアで外出禁止解除直後に、工場を再開した時を収めたビデオだ。私がここに来てからの丸18年間を共に過ごしてきた者もいる。結婚や葬式、地震、出産があった。当初、近くにホテルがなかったからオフィスのソファで寝泊まりしていた。後に、ガソリンスタンドの向こうにモーテルがオープンしたんだけどね。15年経って、道向かいにアパートが建てられた。経営陣とパターン、カット、縫製部門で110人がここで働いている。これが我々の日常だよ」
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- Words: Rick Owens