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故・髙橋大雅の初個展「不在のなかの存在」を建仁寺塔頭両足院で開催。総合芸術空間「T.T」及び、HOSOO GALLERYでは自身が制作・蒐集したアイテムを同時に展示する。

今年4月に逝去したデザイナーで、現代美術家の髙橋が生前足繁く通い、彼のクリエイションに刺激を与え続けてきた場所でもある建仁寺。かねてより親交があった両足院副住職との会話から構想が生まれ、仏教の考えである「極楽浄土」、すなわち「髙橋大雅への供養」といった側面も持ち合わせて実現に至った。

今回は古今東西の彫像や絵画に表される衣のドレープに着想を得て制作した彫刻作品を、自身が蒐集した仏像の衣紋、髙橋の言葉と共に公開。作品の数々は両足院のために特別に制作されたもので、禅宗の寺院で御本尊を安置する最も重要な間「方丈の間」に主要な作品が並ぶ。その北側に位置する「大書院」には、髙橋の思考をめぐるべく、秋篠寺仏像の衣紋、および当麻寺の木造残片を彼の言葉とともに配した。石彫家の故・和泉正敏との共同制作でもある玄武岩を用いた石造の彫刻作品は、大書院から見える庭園の周辺に、既存の庭石と調和するように設置。

「不在のなかの存在」である髙橋の存在を浮き立たせるべく、キュレーションや会場構成も可能な限り透明なものとして再現。髙橋自身が書き残した「陰翳礼讃」と題された文章を手がかりに、照明も使わず、可能な限り両足院の建築に寄り添う形で演出した。

「不在のなかの存在」
会期:12月3日(土)〜11日(日)
時間:11:00 〜 17:00
場所:京都建仁寺塔頭両足院(京都府京都市東山区小松町591)
入場料:無料 ※別途拝観料

「時をうつす鏡 」

総合芸術空間「T.T」では、時を超え、過去から現代、現代から未来に生き続ける特別ピースのインスタレーション「時をうつす鏡」を展示。Taiga Takahashiのシグネチャーアイテムである、カバーオールジャケットとデニムトラウザーズのヴィンテージ・アーカイブ、それらを現代に蘇らせたアイテムなどを紹介する。

会期:12月3日(土)〜11日(日)
時間:12:00 〜 19:00
場所:総合芸術空間「T.T」 (京都府京都市東山区祇園町南側570-120)
入場料:無料

「Texture from Textile Vol. 2 時間の衣 高橋大雅ヴィンテージ・コレクション」
会期:12月3日(土)〜 2023年3月12日(日)※年末年始、祝日を除く
時間:10:30 ‒ 18:00 (入場は閉館の15分前まで)
場所:HOSOO GALLERY(京都府京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F)
入場料:無料

LOT.303 COVERALL JACKET 「IN THE PRESENSE OF ABSENCE」

個展の開催を記念したジャケットも30着限定で受注販売。インスタレーション「時をうつす鏡」でも展示している炭鉱から発掘された1910年頃のアメリカのカバーオールを原型に、約100年前にアメリカで始まった大量生産・大量消費の時代を物語る直線的な縫製、平面的なパターンなどの特徴を残しつつも、シルエットやディテールを見直し制作した。個展情報を記録として、ハンドスタンプされたタグを赤のハンドステッチでパッチポケットに取り付け、錆止め加工を施していない鉄製のボタンの1つには「2022 12.03 12.11」と刻印も施している。

価格:55,000円(税込)
サイズ:38

受注期間:12月3日(土)〜 11日(日)12:00 〜 19:00
取扱店舗:総合芸術空間「T.T」(京都府京都市東山区祇園町南側570-120)
※2023年2月中旬発送予定