フィービー・ファイロがカムバック。しかし高価だ
CELINE(セリーヌ)のトップを退いてから6年近く、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)がついに自身の名を冠したブランドを始動した。
フランスのファッションハウスで約10年間クリエイティブディレクターを務めたこのイギリス人デザイナーは、10月30日、オンラインストアを開設し、待ち望んでいたファンに欲望を満たす機会をもたらした。
期待通り、「A1」と題されたこのコレクションは、ファイロらしい繊細さと豪華さがミックスされている。「クワイエット・ラグジュアリー」トレンドの代表的な例だ。
ファイロのソロデビューは驚くほど多岐に渡り、アウターウェアやニットウェア、無数のアクセサリー、そしてもちろんレッグウェアまで、あらゆるアイテムで構成されている。
一方で、このデザイナーが初めて発表したコレクションの内容は、予想した通り審美的ではあるが、必ずしも格安品を求めている人に向けたものではない。
例えば、シュルームカーゴジャケットは4,500ドルで販売されており、ウールコートは5,200ドルかかる。取り外し可能なスカーフが付いたレザージャケットは、9,000ドルにものぼる。
世界中のファン達が、ファイロ自身のレーベルが立ち上がるのを6年近く待ち望んでいた。とはいえ、約150点のコレクションのうちほんの一握りを手に入れるために、20,000ドル近くを取っておいた人がいるだろうか。
それでもファイロのカルト的な人気とミニマリズムの卓越性を好むその傾向から、彼女の商品はおそらく売れるだろう。リリースからわずか数時間しか経っていない今でも、カプセルのほぼ半分の商品は既にサイトで入手不可能と表示されている。
フィービー・ファイロのレーベル立ち上げは長い間待ち望まれてきた。最初の予告が2020年に行われたにもかかわらず、ファイロが最終的にウェブサイトと登録者へのニュースレターでファンに希望の光をもたらしたのは2023年7月のことだった。その後に正式な発売のアナウンスが行われたのは9月下旬だった。
しかしまあ、いつでも、誰でも、歓迎されている。ただ、多くの人々がフィービー・ファイロの商品をいくつも買って帰ることに、絶対的な確信は持てない。欲しいものがないからではなく、買う余裕がないのだ。それでも見る分にはとてもいいものばかりだ。
- WORDS: TAYLER WILLSON
- PHOTOGRAPHY: ©︎PHOEBE PHILO