style
Where the runway meets the street

Highsnobiety / Thomas Welch

韓国・ソウルを拠点に活動するADER Error(アーダーエラー)を初めて知ったのは約2年前。2014年にスタートした同ブランドは、オーバーサイズなシェイプ、シーズン毎のカラフルな色、温もりを感じさせるニットウェアが印象的だったのを覚えている。現在では、ANDREAS MURKUDISやドイツ・ベルリンのThe Store、フランス・パリのTom GreyhoundやeコマースサイトのSSENSEなどのお店で取り扱われており、4年の間に真のグローバルブランドへと成長を遂げた。

さらに先日、Puma(プーマ)とのコラボレーションを発表し、数モデルのスニーカーを含むカプセルコレクションを披露。ソウルファッションウィークの期間中、現地にある彼らのショールームを訪れ、代表のケビン・リー(Kevin Lee)に話を聞くことが出来た(ブランドの印象はカスタマーが自由に決めるものという姿勢から、チームのほとんどが表に出てこない)。韓国のファッションに対する認知の変化、包括的に韓国文化が世界へ受け入れられることから、どのような恩恵があるのかを論じた。

過去数年の間で、ADER Errorはどれくらい成長をしましたか?

現在では店舗とショールームを含め、約40名のスタッフがいます。本社には約20名が在籍しており、デザインや商品、マーケティングやカスタマーサービス、アートとビジュアル、VMDのチームがいます。

何をきっかけにブランドをスタートし、ご自身の成長と共にその想いは変わっていきましたか?

このブランドを始めたきっかけは、何かクレイジーで新しい、クリエイティブなことをやりたかったからです。我々のスタッフは食品やグラフィック、イラストレーションや貿易などを専攻していたり、異なる様々な経歴の人達がいます。そして、ブランドスタートから一年後、軌道に乗ってきたので、本物のビジネスモデルを考える必要がありました。

今では、単なるファッションブランドでなく、ファッションをベースに持つカルチャーブランドであると自覚しています。ファッションで表現するモノは全て格好良く見えるので、ファッションが根底にあるのであれば、何でも挑戦していきたいと考えています。現在は、春夏と秋冬のメインコレクションを年に二回発表しており、コラボレーションも少しやっています。

昨年は、ライフスタイルブランドのDay After Day(デイ アフター デイ)をローンチしました。現段階では石鹸のみの取り扱いですが、今後は香水やディフューザーなどのライフスタイルラインが増える予定です。見ての通り、我々はファッションだけではなく、他のジャンルにもとても興味があります。最近ではインテリア関係から多くの提案を受けており、ブランドとして面白い取り組みになると考えています。

異なる分野へもなぜ拡大しようとしているのでしょうか?

これからはファッションだけでなく、様々な業界への進出をしていく予定です。ファッションブランドではないジャンルとのコラボレーションを多く行うことで、アーティストとファッションデザイナー、カスタマーとの間を取り持つ架け橋になりたいと考えています。

多くの人がアートとファッションは、敷居が高いと感じています。なので、我々のコンテンツを通じて、アートとファッション、そしてカスタマーやブランドを好んでくれている人達を繋げたいです。

事業拡大において、ソーシャルメディアがどのような恩恵をもたらしているとお考えですか?

ブランドをローンチする前に、ウェブや携帯など全てのプラットフォームを含むソーシャルネットワークを研究しました。当時、インスタグラムが最も影響力のあるツールになると思っていました。なので、ローンチの時から国内外問わず、ランウェイショーやプレゼンテーションは一度も行ったことがありません。ソーシャルネットワークのみに注力しているので、ブランドを認知してくれている90%以上の人は、インスタグラムやタンブラー、フェイスブックやピンタレストを介して知って頂いたと思います。

https://www.instagram.com/p/BjSAmiCh5xl/?utm_source=ig_embed

ADER Errorを韓国のファッションとアートシーンにおいて、どこに位置付けていますか?

ここ数年で世界中の多くの人々が韓国の音楽やドラマ、娯楽など全てのカルチャー、特にファッションに対して興味を抱いています。韓国には沢山の素晴らしいデザイナーやブランドがあり、韓国文化がトレンドとして楽しまれているおかげで、多くの人達が注目してくれています。

韓国のファッションやアートに対する世界の見方の変化に、ADER Errorがどのような影響を及ぼしたと思いますか?

アジアのファッションに対する偏見は沢山あり、韓国においては特にファッションが多いです。最近でこそ大勢の人が日本のファッションブランドと比較しますが、実際には韓国のファッションブランドは格好良くないと考える人が大半です。ソウルを拠点とするブランドとしては、それを覆す全く新しいことをやりたいという思いがありました。

ブランドをローンチした際に、国内からだけではなく、世界からの注目を求めていました。きちんとした注目を集めることが出来れば、韓国文化内におけるアートやファッションをサポートすることが出来るからです。昨今、多くの人が「ADER Errorのおかげで韓国ファッションが注目されてきている」と言ってくれます。もし、国内のブランドやファッションシーンを援助することが出来るのであればそれはとても嬉しいです。今こそ世界に向け、自分達のアイデンティティを発信するチャンスの時だと考えています。