style
Where the runway meets the street

ANN DEMEULEMEESTER(アン ドゥムルメステール)」2020年春夏メンズコレクションは、ロマンティズムとワークウェアを元に、セバスチャン・ムニエ(Sebastien Meunier)がかつてアントワープにあった海運会社「Red Star Line(レッド・スター・ライン)」の乗客やドッカー、フィッシャーマンなど、マリナー(船乗り)からのインスピレーションを引き出した。

何世紀にもわたりアントワープの港で働き、北海と人類の運命を結びつけてきた労働者たち。ピーコートやチュニック、ベスト・トップス、オフィサージャケットなどのクラシックアイテムをデコンストラクトした新しいルックを披露した。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(Rainer Werner Fassbinder)監督が俳優ブラッド・デイヴィス(Brad Davis)を通して命を吹き込んだベルギーの船乗り、ケレル(Querelle)の人物像も、コレクションに奇妙な曖昧さを与えた。多数のボタンを使用したジャケットやベストがボディとスキンの遊びを生み出し、ハイブリッドで幅広い着こなしを実現可能にした。

レングスとボリュームのコントラストを通して構成されたアウトフィットは、オーバーサイズシャツやウィメンズのロングドレスをカットオフトラウザーと一緒に提案したほか、取り外し可能なセーラー・カラー、刺繍のアンカー、貝や甲殻類のプリントは、フランドルのアーティスト、マルセル・ブロータス(Marcel Broodthaers)のシュールなユーモアに基基づき作られた。コレクションには、マリンのシンボルを多く含むシェイクスピアの言葉もちりばめられた。 

ヘッドウェアの生地に使われたリネン、コットンキャンバスと、デニムは、シルクやルレックスと組み合わせ、ブラック&ホワイトに、落ち着いたカラー・パレットが鮮やかなシェイドによる展開となった。コットンジャージやアンダースカートは、前ウィメンズのランジェリーを彷彿とさせ、大きなバッグはカジュアルに片方の肩に抱えられ、ボリュームとラインの間に強いコントラストを生み出す。伝統的なフィッシャーマンのラバーブーツはハイカットまたはローカット、フラットまたはヒールでコンテンポラリーなコレクションとなっている。