冬の香水は、“重め”がキーワード
冬は休暇中に少し太り、冬を越すための新たなパートナーを見つけ、毎日ももひきを履いて過ごしてもいい時期である。そして、温かみがあるもの、あるいは“誘惑的な”香水に切り替える絶好の機会である。主な冬の香りは、木の香りやスパイスの効いた香り、お香のようなものが多い。暖かい時期のものは、フレッシュなノートで仕上げたものかもしれないが、冬の香りは少し重めのものが多い。季節のムードに合った香りを選ぶのは定石である。
今季おすすめの香水を以下にラインナップした。自分自身や大切な人のためのホリデーギフトが決まっていないのなら見て欲しい。iTunesのギフトカードよりも心のこもったもので、百貨店に置いてあるようなセール品とは違って、桁違いに良いものばかりである。
Memo Paris(メモ パリス)— Italian Leather(イタリアン レザー)
フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)監督のトスカーナでのドライブが、Italian Leatherそのものを表現している。活気的で官能的なイタリアのクラシックを彷彿とさせ、グリーントマトリーフ、レザー、ガルバナムエッセンス配合のバニラ、トルー樹脂、サンタルウッド、ムスクが使われている。寒い季節の昼下がりや夜のどちらにも適した香りである。
Heeley(ヒーリー)— Agarwoud(アガーウッド)
ウード、アンバー、ローズ、インセンスの4つのノートが、スピリチュアルな香りを生み出している。沈香は、ラオスやベトナムの熱帯雨林から摘出した樹脂製のエキスと数百年以上仏教寺院で使用されていた沈水香木を使用しており、高揚感や、瞑想、数日先まで続いた晴れの日のような清々しさを感じられる。
D.S. & Durga(ディー.エス. & ダーガ)— Amber Teutonic(アンバー チュートニック)
モミの木に囲まれているような幸せを想起させる香りを実現。エメラルドやアンバーが足元に広がる森の中の小屋にいるようである。ひと嗅ぎでその不思議な感覚に引き込まれる。シダー、コーン、お香と混ざったマツなどのウッディなノートや、ゼラニウムに加え、リキッドに新緑の色をつけるカルダモンを配合されている。
BYREDO(バイレード)— Eleventh Hour(イレヴンス アワー)
人生最後の香りとなってほしいようである。世界の終わりへの探求であり、“終わりへの旅路、地球最後の香水”とBYREDOは説明している。いい意味で重たい印象で、ペッパーやラム、カシミアウッド、重みを与えるトンカビーンズが配合され、ベルガモットと野生のイチジクが鮮明さを加えている。悟りというイメージが後からやってくる。これこそがEleventh Hourが表すものである。我々はBYREDO創業者のベン・ゴーラム(Ben Gorham)が同モデルを作った経緯についてインタビューは、ここからチェックして欲しい。
Hercules Man(ヘラクレス マン)— Mykonos(ミコノス)
カラッとしたエーゲ海の風が流れ、夏の日差しを感じるギリシャのミコノス島をイメージするかもしれないが、寒い時期に適した香りに仕上がっている。重たく、考えこむようなエネルギーをもったミコノス島の夜を想起させる。スパイシーで、アーシー、ウッディーな香りで、春や夏、そして夜の香りとしてもどんな季節にも適している。
Claus Porto(クラウス ポルト)— Musgo Real Classic Scent(モス リアル クラシック サン)
Claus Portoのメンズ用のソープ、シェービング用品を扱うラインMusgo Real(モス リアル)は、アフターシェーブローションやハンドクリームなどの4つで1組のセットで販売されており、詰め合わせセットとしてClassic Scent(クラシック サン)は、サンダルウッド、パチュリー、バニラを配合したこの時期の必需品で、古いバーバーショップを想起させる香り。体臭を抑えるためにアフターシェーブローションと併せて使うのも良い。
- Words by: Adam Hurly