エディ・スリマンによるCELINEから
15年ぶりのパフュームが登場
「CELINE(セリーヌ)」は新作パフューム「CELINE HAUTE PARFUMERIE COLLECTION(セリーヌ オート パフューマリー コレクション)」を発表。2019年秋から2020年にかけて、全11のコレクションを順次発売する。
2004年に「ディオール・ラ・コレクシオン・プリヴェ」をプロデュースしたエディ・スリマン(Hedi Slimane)が、初めて手掛けたセリーヌのパフュームコレクションは、「COUTURIER PARFUMEUR(クチュリエ パルフュムール)」の伝統にならい、フランスの高級パフューマリーのノウハウを生かした。
11の香りで構成し、うち9つを2019年秋、残る2つを2020年に発売する予定。それぞれのパフュームにはエディ自身の香りに関する記録に由来して11の名前を付け、DAILY(デイリー)ラインは、「PARADE(パラード)」「SAINT-GERMAIN-DES-PRÉS(サン・ジェルマン・デ・プレ)」「DANS PARIS(ダン・パリ)」「COLOGNE FRANÇAISE(コロン・フランセーズ)」「LA PEAU NUE(ラ・ポ・ヌ)」「EAU DE CALIFORNIE(オード・カリフォルニ)」「BOIS DORMANT(ボワ・ドルモン)」(※2020年発売予定)、「RIMBAUD(ランボー)」(※2020年発売予定)。
EVENING(イヴニング)ラインは、「BLACK TIE(ブラック・タイ)」「REPTILE(レプティール)」「NIGHTCLUBBING(ナイトクラビング)」をそろえ、気分に合わせデイリーにもイヴニングにもまとえるラインナップとなる。
自身のコレクションと写真を通じて20年以上にわたり、ジェンダーの社会的概念に疑問を投げかけてきたエディは、ファッションとフォトグラフィーにおける「マスキュリン・フェミニン」スタイルの登場に加え、アンドロジナスの定義と文化的に深く関わってきた。同コレクションは、その特徴的なスタイルを再現。香りの多面的な調和と要素は、あえて従来のマスキュリンなノートとフェミニンなノートを区別したといい、分類せずにそれらを調和・融合し、モダニティとアイデンティティを継続的に探求する。
プロジェクトの中核に据えるのは、「パリジャンのスピリット」と「明白なクラシシズム」、「不協和音な洗練」。現代のフレンチテイストの意味に疑問を投げかけるもので、コレクションでは「逆」の意味で、伝統やスタイル、文化的ルーツを改めて表明。香りを通し、エディが大切にしているタイムレスな洋服への魅力やトーン、概念に置き換えているという。香りの持つ安心感や記憶、感情など個人的で普遍的な側面の一方で、例外として「EAU DE CALIFORNIE」の香りは、カリフォルニアで過ごした時代に対するエディのトリビュートに位置付ける。
コレクションを制作するに当たり出発点・ルーツとなったのは、エディの香りに関する記録。感情の記憶やクチュリエならではの記憶や物語を、それぞれのパフュームを支える土台とした。プロジェクトとエディ、調香師との関係の中心に、個人的で感情的な性質が備わることで、調香師らが対話を繰り返しながら、エディのビジョンとインスピレーションを形にしてきたという。
全てのパフュームを一つの印象的な香りで結び付け、「パウダリーなフィルター」が儚い記憶や感情を捉えながら余韻を残すコレクション。各フレグランスの中心で調和する高品質な天然素材を、複雑で洗練された組成とアコードで仕上げ、パフュームは全て、ツリーモス、アイリス、ローズ、シプレーアコードなど60年代~70年代にかけてのフランスのパフューマリーを象徴するノートを特徴としている。
長方形のボトルは、フランスのガラス製造の伝統に則り、贅沢な重みのあるガラスとブラックラッカーを採用。両サイドを縁の鋭いフルーティングで装飾し、ファセットを施したブラックラッカーのキャップをあしらう。すっきりと無駄のないラインや、ブラックラッカーのタッチ、アンバーゴールドの反射でパフュームのニュアンスを際立たせる透明なガラスなど、17世紀後半のクラシシズムを受け継ぐデザインで、独特のミニマリズムがアールデコのモダニティを添える。
ボックスは、「GRAIN DE POUDRE(グレイン・ド・プードル)」の手触りで、「GRAND SIÈCLE(グラン・シエクル)」の効果を再現した、エンボス加工を施した紙で装飾。セリーヌ本社とアトリエがあるパリ・ヴィヴィエンヌ通り16番地の「HÔTEL COLBERT DE TORCY」の木工パネルに着想を得たという。キャップ上部には、メゾンのエンブレム「トリオンフ」を刻んだ。創業者セリーヌ・ヴィピアナが1971年、「凱旋門」を囲む鎖にイニシャルのCが施されたデザインを見つけ選んだエンブレムを仕上げにあしらい、クチュールメゾンの歴史も表現した。
エディ自らがデザインを手掛け、パリ・サントノレ通り390番地にオープンする初のオート パフューマリー ブティックでは、2019年10月末から全てのパフュームを取り扱う予定で、パリでの初のパフュームの拠点となる。
「TEASER 01」として公開されたキャンペーン動画はこちらをチェック。