design
Where form meets function

「点」という起源。カナダ出身の新進気鋭の画家、ショーン・クルネルの創造力の原点である。「点」のエネルギーを爆発させるように本能のままに筆を走らせて描く 抽象画を得意とするクルネル。論理的というより直感的、頭より先に身体が動くタイプだ。これまで世界各国で個展を開催し、漫画にインスピレーションを受けて描いた「BURN MAN」の発刊など、地道にアーティストとしての道を切り拓いてきた。 そして今まさに「アーティスト、ショーン・クルネル(Shawn Kuruneru)」という人生が大きく動き出す。

エディ・スリマンによる新生「CELINE(セリーヌ)」が発足した「CELINE ART PROJECT」では、 CELINEによりキュレートされたアート作品を世界各国CELINEブティックで展示し、 コラボアイテムも登場している。そのアーティストの一人として選出されたのがショー ン・クルネルだ。「エディ節」に一切の曇りはないCELINEとしてのコラボレーション にはやや違和感はあったが、コラボレーション戦国時代の昨今に頭一つ抜きに出る、 両者のアウトプットを100%引き出した新しいコラボのかたちがクルネルとの対話の中で、垣間見える。

——アーティストになった経緯は?
物心ついた頃からずっと絵を描いている。これが僕にとってのコミュニケーションツールであるということを幼いながらに知っていたんだ。 頭で理解するよりもまず本能的に身体で感じとった。これが「話す」 ということだってね。そして、それがしっくりきている。今では世界にまでコミュニケーションの幅が広がっている。

——初めて描いた絵は覚えていますか?
幼少期の頃だからうっすらとだけれど、漫画みたいなものだったね。

——プロとアマチュアの境界線は難しいところですが、初めてプロとして描いた絵は?
おかしな話だけれど、僕は絵を描き続けて視覚的に学んでいくタイプだったから、学校の授業では話を聞かずいつも違う絵ばかり描いてよく叱られていた。でもある日、先生から学校外の仕事の依頼があり、その後に学校からも仕事を依頼されたんだ。

——中国の風景画が今の作風に影響しているとのことですが、漫画から始まっていたのは驚きです。
母は香港出身だから、小さい頃から中国の文化に触れて育った。 レストランや家族行事で中国の絵画に触れる機会は多かったから ね。ニューヨークに移住して、メトロポリタン美術館で開催してい た中国の風景画の展示を観てから、今までの漫画的な作風と中国の風景画につながりを感じるようになっていった。風景画の中に描かれた漁師だったり、インクを使って描かれていたりと様々な共通点があった 。それから風景画は、イタリア人画家のカラヴァッジオ(ミケランジェロ)の強い光とは違い、とても柔らかい光の加減で描かれていて、インクと紙が生み出す独特の動きに興味が湧いていった。

——中国系という背景がそれを助長したんでしょうね。
そうだね。単なる思いつきで漫画を描いていたんじゃなくて、「血」 がそうさせていたのかもしれない。

——絵画以外の分野でインスピレーションを掻き立てられることはありますか?
音楽だね。ギターはもう25年、ドラムは8年くらいしているかな。モデルのリリー・オルドリッジ(Lily Aldridge)と演奏することもある。 ニューヨークでパンクバンドにも入っているよ。それがどう絵に結びついているかは考えたことはないけれど、動きやリズムの発想や、反復作業、感情など抽象的な概念など、通ずるものはある思う。

——どのような過程で絵を描いていますか?抽象的なものを描く時に、何を思って描いているんですか?
アトリエではいろんなアイデアや素材を使って実験的に描いていて、多くは精神統一のために時間を割いている。この気持ちをキャンバスに変換するような感じで模索しながら、一番自分を掻き立てる部分、心地いい部分に焦点を当てていく。キャンバス上ではネガティブスペースも形として捉えながら、無意識に描いていくんだ。ネガティブスペースは、絵画を鑑賞する人たちの想像を膨らませるものだからとても重要。僕の好きなフィルムディレクターの「小津安二郎」は、「静」を上手く表現することで有名で、なんの変哲もない動画なんだけれど、 心に突き刺さるものがあるんだ。

——以前のインタビューで「起源」について話をされていました。抽象的な作品を語る上で重要なキーワードになってくると思います。
僕にとって「点」が全ての始まりなんだ。不確かで乱雑な初期段階の 「点」が持つエネルギーがすごく好きなんだ。整頓されたカラフルなストライプを点とブラッシュが乱しているのがいい例だよ。

——作品を通して伝えようとしていることはありますか?社会的メッセージなどを作品に含ませるアーティストも中にはいると思いますが。
「BURN MAN」のようなストーリー作品であれば、メッセージを含んだ作品になってくると思うけれど、抽象的な作品はそれを含ませることが目的ではないんだ。でも、混乱を招く作品で言うなら、そういった捉え方もあると思う。観る人にとって自由に想像してもらえればいいのさ。

——これまでキャンバスやコミック作品を制作してきて、今回はCELINE ART PROJECTに抜擢され、ウィンターコレクションではコラボアイテムも発売されるなど、ファッショ ンへ活動の幅が広がることに関してはどう思いますか?
最初にブランドから連絡がきた時は驚いたよ。Tシャツやデニムジャケット、ウォレットに至るまで、別の形で作品に触れてもらえるのは嬉しいね 。

Shoes ¥92,000
Denim Jacket ¥155,000, Pants ¥125,000, Shoes(low-cut) ¥92,000, Shoes (high-cut) ¥95,000, Wallet ¥92,000
Denim Jacket ¥155,000, Leather Jacket ¥495,000, Metal badge ¥57,000
Wallet ¥92,000
T-shirt ¥66,000

——コラボレーションをする上で、一番難しいこと、けれど価値のあるものとは何でしょう?
お互いを信頼することが大切。

——今後の予定は?
個展や「BURN MAN 2」の発売も予定している。ひたすら制作し続けるのみだね。