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Where the runway meets the street

HIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE03(9月30日売)のDIOR特別版の表紙を飾った俳優、福士蒼汰がまとうDIOR(ディオール) ウィンター2019-2020 メンズコレクション。ギャラリストとしてキャリアをスタートしたクリスチャン・ディオール(Christian Dior)に敬意を表した今回のコレクションでは、反骨精神とユーモアを兼ね備えた現代アーティスト、レイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)とコラボし、アートな世界観をDIORのDNAと融合させた。

久々のファッション撮影だと意気込む福士は、パリコレで見た景色に思いを馳せながら、アーティスティックかつエレガントに魅せていく。10月からスタートするTBS系ドラマ「4分間のマリーゴールド」では連ドラ初主演を果たし、過密スケジュールの中行われた撮影で、ドラマでの役作りやファッション、今後について語ってくれた。

 

Jacket ¥650,000, Pants ¥240,000

 

 

——今季のDIORのコレクションはいかがですか?

今回はパリコレに行かせてもらって、すごく愛着がありました。DIORの洋服はいいイメージがあったので、映画の舞台挨拶とかで人前に出る時も、よく着させていただいています。個性的だけど、その中に上品さを感じるところが好きです。

——普段はどんなファッションを着用されていますか?

普段はブラックやネイビーが多いです。あまり派手な色は着ないです。

——Tシャツとデニムが一番かっこいいスタイルという方もいますが、福士さんはいかがですか?

シャツ一枚がいいなって思います。きれいめを意識して、ジャストサイズのシャツを着ることが多いです。太めのシルエットのパンツと合わせることもありますが、そこはバランスで。上をビッグTシャツとかで、細身のパンツにすることもあります。

Jacket ¥650,000, Pants ¥240,000, Boots ¥135,000
Knit Top ¥135,000, Vest ¥330,000, Jacket ¥290,000, Pants ¥110,000, Boots ¥135,000

——結構体作りもされていますよね。DIORもお似合いでした。

次のドラマが救急救命士の役なので、役のためでもあります。それから、男として(筋肉は)あった方がかっこいいかなと。

——ドラマ「4分間のマリーゴールド」では、どのように演じようと思いますか?

命に携わる職業ということを意識しています。そして、あえて救命士という職業の主人公を設定しているこの作品の意図を汲み取れるように演じたいと思います。

——生と死とは身近にあるけれど、なかなか日常的に気づけないところもあると思うのですが、どのように役に投影していきますか?

たとえば、殺人事件など現実的に経験したことのない状況がお芝居の中には絶対あります。それを経験していなくてもイメージ、想像力で補っていくことが重要になってくると思います。

——タイトルにある“4分間”は、生死を分ける時間なんですよね?

4分あったらいろんなことができると思いますが、生と死の境目と考えると短いと思います。最も大事な4分です。

——もう一つのドラマの見どころは、手を重ねると死の運命が視えてしまう特殊能力を持っているところ。何か特殊能力持っています?

僕はないです(笑)。でも人の最期が視えるっていうのは、あるかもしれないって思えるんです。霊が視えますっていう人はいるじゃないですか。そういう世界を生きてる人もいるわけだから、もしかしたらそういうこともあり得る、人の最後を視れる人がいても不思議ではないのかなと。

——もし誰かの最期が視えて、運命が変えられるってなったときに、その運命に抗うのが正だと思いますか?

どうしても変えられないのは運命だと思うんです。でも変えられるんだったらそれは運命じゃなかったってことで、変えてもいいんじゃないかなと思います。

——ポジティブですね。

人を救えるんだったらそう考える方がいいですよね。もし自分が同じような力を与えられたんだったら、多分そうします。良い悪いとか考える前に、そうしたいって思っちゃう気がするんです。自分の大切な人が死ぬって分かっていて、じっとしていられないです。

Knit Top ¥175,000
Top ¥80,000, Pants ¥110,000, Boots ¥135,000
Shirt ¥210,000
Top ¥110,000
Coat ¥480,000, Turtle Neck ¥125,000

 

——他にはどんな特殊能力が欲しいですか?

特殊能力……どこでもドアかな(笑)。いや、瞬間移動でしょうか(笑)。瞬間移動はどこへ行くにも楽しくて良いかなと思います。

——今まで旅行した中で一番印象的だったところは?

インドネシアのバリ島に家族と行ったときは、ものすごくリラックスできたんです。リゾート地に行こうと思ったこともなくて、もっと海外旅行するなら刺激が欲しいタイプだったんですけど、海入るかプール入るか、ご飯食べるかのんびりするかって、そういうのもいいなと感じました。

 

 

Turtle Neck ¥110,000, Shirt ¥220,000, Pants ¥135,000

 

——先日のパリはいかがでした?

空いた時間でエッフェル塔と凱旋門と、あと美術館を回りました。アートや建築はやっぱり素敵なものが多かったです。

——芸術を嗜むことが役者としての肥やしになると感じます?

最近はそう思います。いろんな知識に関連づいて、表現ができるというか。例えば、ピカソがどうしてその絵を描いたのか、そういう知識がちょっとあるだけでも、感じ方が違ってくるし、想像力も膨らむと思うんです。どういう時代に、どういう意味を込めたのか。なんとなくでも分かると、そのときのヨーロッパの情勢が見えてきます。最近は歴史の勉強もかじり始めていて。特に役のためというわけではないのですが、もしかしたら役にも繋がってくるかもしれませんし、会話の引き出しにもなると思います。

——好きな歴史上の人物はいますか?

誰でしょうか、敢えて挙げるとすれば……最近本で読んだんですが、能を始めた観阿弥 世阿弥という人です。観阿弥・世阿弥は室町時代の人なんですが、室町時代には芸能というものができていたりするんです。その本には、若いうちは華があるけれどいつかその華は枯れてしまう。その華を絶やさないために、譲ることを覚えたり、教えたりすると、華がずっと残っていく。その華がずっと枯れない人もいて、そのような人は芸の道で達人になる人だと書かれてありました。だからいろんなことに挑戦したいと思っています。いろんな肥料を撒いて、いろんな種を植えて、いろんな花や葉っぱ、木を育てていきたいです。

——最後の質問ですが、10年後どうなってると思いますか?

36ですか…。今は、目の前のやりたいこと、好きなことをやっていきたいです。それが結局大雑把に見てるあやふやな夢に近づいていくんだろうなって思います。これだって今決めてることはないですが、成るように成る。だから好きなことやっていれば、好きな自分がいるんじゃないかなと。

Jacket ¥590,000, Bag ¥330,000

 

金曜ドラマ「4分間のマリーゴールド」
放送開始日:10月11日(金)
放送時間:金曜夜22:00〜22:54
原作は、小学館の新人コミック大賞(青年部門)で大賞を受賞したキリエによる同名漫画。手を重ねた人の「死の運命」が視えてしまうという特殊な能力を持つ救急救命士と、命の期限が1年後に迫った義姉との禁断の恋を描く切ないラブストーリー。週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて2017年より連載され、「どんどん引き込まれる悲しい純愛に涙したい人に」(読売新聞)、「作品のテーマは“生”だ、あるいは“死”だ」(毎日新聞)と新聞各紙が絶賛するなど多くの感動を呼んだ。