style
Where the runway meets the street

デザイナー加藤大気による新ブランド「ENCOMING(インカミング)」がデビュー。2021年 春夏 コレクションのルックを公開した。

加藤は、ロンドンのキングストン大学でファッションデザインを学び、「NICHOLAS DALEY」で2年間にわたり、シニアデザイナーを務めた。英国で養った感性と、気鋭ブランドで培った哲学を元に、日本の地でコレクションへと昇華する。

「EXPRESSION CRASH」をテーマに掲げ、1950年にフランスの「Georges Bernier & Rosamond Bernier」から出版されたアート・美術誌「L’ OILE」でドキュメンタリー写真を撮り続けていたロベール・ドアノー(Robert Doisneau)から着想を得て製作。

モンドリアンに代表されるコンポジションの作風であり、引き算の美学や、その背景にあるものを具象化したような作風の「CUBISM(キュビスム)」。50年代のフランスで生まれた無意識的な作風でアクションペインティングとも呼ばれる「TACHISM(タシスム)」。異なる作風で対照的な二つのアートの表現が交わる部分に新たな価値観を見出し、その狭間をコレクションで表現したという。

リネン、ウール混紡でクラシックなピンストライプをワイドピッチで製作。混沌とした当時のパリを象徴するような、霧がかかったような雰囲気を「GRAYISH GREEN」で表現した。リネンの特性である熱加工による縮みを活かして、アイテムに縮絨加工。

キュビスムの代表作であるモンドリアンのコンポジションから着想を得た幾何学模様のテキスタイルはポリエステルのジャガードニットジャージで表現。フランスのワークジャケットをモチーフにしたフレンチジャケットとイージートラウザーに使用した。オリジナルプリントのパターンはタシスムのアブストラクトペイントから着想を得たアイテム。メキシコ産の「PIMA COTTON」を使用した100 / 2のシャツ生地にはマイクロピーチ加工を施し、光沢感と滑らかさを再現した後に反発加工で肉感をプラスした。