キクチコラム:ファッションが教えてくれること(反面教師編)
先日、とある若年層学生男性向けファッション誌を立ち読む機会があった。
時期的に夏に向けたファッション企画となっているのだが、なんとも斜め上の夏の提案が揃っており、もはや企画者は熱中症を患ってしまっているのではなかろうかと心配になるものばかりなのである。
まず上京した子が帰省して地元の友達に憧れられるスタイルの提案というもの。
この時点で間口が上京したての学生のワンルームくらい狭いのだが、提案されているものたちが、リカバリーサンダルや眼鏡、Tシャツのレイヤードスタイルやパジャマスタイルなどで、それぞれに
・東京って渋谷にもリカバリーサンダルで行くんだ!
・東京っておじいちゃんみたいな眼鏡をかけるんだね!
・東京ってTシャツの袖を通さないの?
・東京ってパジャマで外出すんの?
などの見出しがふられているのだ。
憧れというよりも完全に馬鹿にしてきているフレネミー。そして東京在住歴長き俺にも、小池百合子ですらも知らぬであろう東京、ここにあり。
ほかには「日焼け止めファッション提案」もあり、これまたなかなかな内容で日焼けどころかこちらは胸焼け。
中目黒のカフェに行くというシチュエーションなのだが、中目黒だしせっかくおしゃれしてきたし、テラス席に座りたい。でも、日には焼けたくないということで日傘を差しているのである。
照らすがテラス、そんな概念すら日傘でシャットダウン。欲張りすぎであるし、どっちかにしてほしいし、目黒川沿いのテラスで日傘を差している者がいたら、そのまま川流しの刑。
まず、もう外に出ない方がいい。
しかしこちらの雑誌が標的とするのは東京都民だけではない。
色使いの話で「鎌倉に住んでいそうな色使い」と称し、淡いブルーや生成りなベージュというなんとも地味な色合いを提案し、さらには “朝はお気に入りのパン屋さんに寄ってそうな空気” とまでの、勝手な偏見を押しつけている。
派手好きやグルテンフリーの鎌倉市民にはまるで市民権ナシ。鎌倉市長は抗議して良いであろう。
もはや自分で情報を取りに行ける世代が、流石にこの誌面を過信するとは思えないが、自分がこの媒体の対象世代だったら、この誌面を参考にした装いで外に出ることはなく、引きこもっては大人達がどういった経緯でこのような企画内容に至ったのかを、夏季休暇の研究題材として活かしたいところである。
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プロフィール キクチ(@lclccylcy)
職業キクチを名乗る自由なファッションをたのしむ自由人。とにかくヴィジュで全ての気分をあげていくのがモットー。
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