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Where the runway meets the street

現在、 Goldwin(ゴールドウイン)とのコラボレーションコレクションがグローバル展開されているアーティスト、ジェフ・マクフェトリッジ (Geoff McFetridge)。世界的企業からもそのセンスを切望される作品は、きっと誰もが目にしたことがあるはずだ。シンプルで印象深いモチーフやパターンが特徴的なジェフの作品は、クリエイティブな分野で活躍する多くのアーティストやデザイナー、ディレクターにもファンが多い。規則性の中に温かみがあり、風刺や皮肉、遊び心も感じられる作品たちに、ファンたちは絶えず魅せられ、インスパイアされているのだろう。

自然豊かなカナダで育ち、スケートボードやサーフィンといったアメリカ西海岸の文化に魅せられたジェフは、大学生の頃からカリフォルニアに移り住み、現在はロサンゼルスに構えた自身のアトリエ、Champion Studioを拠点に活動している。雑誌のアートディレクターなどもつとめた経歴はGoldwinの特設ページでご確認いただくとして、ここからは世界的アーティスト、ジェフのセンスの源を探るインタビューをご紹介。

ーー ホームタウンであるカナダのカルガリーとはどんな場所でしたか?

僕が育ったのは、カルガリーの端のすごく田舎だよ。同じような見た目の家が延々と並ぶ丘陵地帯だった。間違って他人の家に行かないように、友達の家の特徴を注意して覚えておかないといけなかったよ。ある友達の家は、別の友達の家を鏡に映したように瓜二つだったね。まるで建築家が、設計図を裏返してライトテーブルの上で複写したんじゃないかっていうくらい。

ーー ご自身の絵みたいですね。子供の頃はどんな遊びをしていたのですか?

子供の頃は森の中が好きだったよ。友達と一緒に毎週即席の小屋みたいな基地を作るんだ。家の裏山で遊んで過ごすことが多かったな。僕らが住む家々の裏から先は、遠くユーコンの方までほぼ自然しかなかったんだ。それから街角の店先でスケートボードしたり、コーラ飲んだり。そのあとは大体、殺人パートのない『リバース・エッジ』みたいな感じだったね。

ーー (笑)では当時のスケートヒーローは誰でしたか?今も気になるスケーターはいますか?

ニール・ブレンダー、ナタス・カウパス、トミー・ゲレロ…あと、スケートを始めた頃は、スティーヴ・オルソンとトニー・アルバが好きで、そのあとは(エリック・)コストン、ガイ(・マリアーノ)、GirlやChocolateのスケーターが好きだった。今よく見るのは、スパンキー(ケビン・ロング)とアンドリュー・アレン。HOCKEYチームも好きだし、他にもインスタグラムでかっこいい若手スケーターがいっぱいいるね。スケートボーディングは今すごく勢いがあると思う。

ーー GoldwinのウェブサイトでNumbersのボードに乗っていましたが、彼らとは交流があったりするのですか?何かエピソードなどあれば教えてください。

そうだね、コストンとは友達なんだ。お互い子供がいて、一緒にフレッシュプレスドジュースを飲んで、中年男同士の話をしてるよ。

ーー(笑)では次に、CalArts(カリフォルニア芸術大学)で学んだ一番貴重なことは何ですか?

何て言えばいいかな……。CalArts出身の人にはある考え方が備わっているというか、思考の手法を知っているんだ。そしてそれは彼らが作るものをコントロールしている。僕はCalArtsに入った頃、あるものを何かに似せることはできた。でも院を終わる頃には、あるものを何かのように思わせる方法を身につけていたよ。

ーー なるほど……さすがCalArts。Goldwinとのインタビューで、自分が描くものの写真を検索したりしないと言っていましたが、他にも何か自分の中での決まりや法則、癖や美学みたいなものはありますか?

ルールーはたくさんあるよ。リミットや制約を作るのが好きなんだ。必要に駆られて生まれる発見に興味が湧く。必要性も自分で見つけるんだ。

ーー Goldwinはブランドとしてどんな印象ですか?今回のコラボレーションを決めた理由は何ですか?

Goldwinは昔からいいブランドだと思っていたよ。アウトドアが好きだから、アウトドアブランドと仕事をしたと思っていたんだ。ただTシャツを作るだけじゃなく、より深いレベルで何かできるブランドと仕事がしたかった。

ーー スケートボード、ランニング、スキーの他にアウトドアで楽しむことは何ですか?

サーフィン、自転車、あとフライフィッシング。外で絵を描くことも好きだよ。アメリカ人風に言ったら、 “I am real outdoorsy” だね。

ーー 仕事の日や休日は、それぞれどんな時間の使い方をしていますか?

僕はルーティーンが好きなんけど、それも年々変わっているよ。今のルーティーンはね……

まず平日は、朝6時から始まるんだ。娘たちをバスまで送って、外でスケートか自転車かトレイルラン、もしくは釣りをするんだ。数時間ね。その後カフェに行って、ジュースを買う。スタジオには9時から11時の間に行くよ。普段は、午後までコンピューターには近づかないようにするんだ。時には1日中ね。それで5:30頃の夕食に間に合うように家に帰るんだ。

週末は、娘たちと納屋に行って、彼女たちの乗馬に付き合うんだ。その後、友達と待ち合わせて海や公園に行くこともあるよ。

ーー これまでで手がけた一番大きな作品を教えてください。

最近やったカナダのオタワにある地下鉄の駅のミューラルかな。もうすぐオープンすると思うよ。ミューラルがたくさんある駅で、4階分くらいの高さのものもあるんだ。駅全体を覆うコンクリートに描いたミューラルだよ。

ーー 作業中にはどんな音楽を聴きますか?

家にいる朝と夕方は、すごくメロウなジャズが好きなんだ。ポール・ブレイ、ビル・エヴァンス、キース・ジャレットを聴くよ。午後は、アート・ペッパーやドン・チェリー。でも、メルヴィンズみたいなロックバンドを聞いて育ってきたし、ベーシックチャンネルやデトロイトテクノみたいなミニマルテクノも聞く。スタジオではめちゃくちゃ色んな曲がかかってるけど、メロウで繰り返しのリズムがあるバックグラウンドミュージックを聴くことが一番多いよ。

ーー今後やってみたいプロジェクトなどはありますか?

僕は、仕事の規模と自分の中での成功の度合いは必ずしも比例するものじゃないと思うんだ。それより、自分自身の仕事のプロセスに、小さく、ごく内的な変化をつけられることにやりがいや満足感を感じるんだと思う。発見や、ブレイクスルーを見つけることが大好きなんだ。何かのバリアや個人の予測、期待、予想を、アートで超えることに魅力を感じる。アートという踏み台に乗ることで、既成概念のフェンスの向こうを覗けるっていう感覚かな。

ーー 気に入っているアートツールはありますか?

TiconderogaのHBの鉛筆、Lamyのペン、Pentelのペンブラシと、Goldenのペイントが好きだよ。旅行に行くときは、不透明水彩絵の具の小さいセットを持っていくのが好きだね。それと、バッグにはいつも円のテンプレートと三角定規が入ってる。

ーー では最後に、今後の展示やプロジェクトのお知らせはありますか?

Yes!トロントのアートギャラリーCooper Coleで、6月からショーをするんだ。それと、東京で近々行われるBeautiful Losersのアニバーサリーの仕事もあるよ。

これからのシーズンに活躍しそうなGoldwin x Geoff McFetridgeコラボコレクション一覧はこちらから。購入は、Goldwin Marunouchiなどの取り扱い店舗、オンラインストアよりどうぞ。