次世代を担う人々へのメッセージをのせた「GU x MIHARAYASUHIRO」が発売。デザイナーの三原康裕への特別インタビューも公開
「GU(ジーユー)」と「MIHARAYASUHIRO(ミハラヤスヒロ)」のコラボコレクション「GU x MIHARAYASUHIRO」が、2021年3月5日(金)より、全国の「GU」店舗およびオンラインストアで発売される。
“Good Inspiration”をテーマにしたコレクションは、デザイナーの三原康裕が美術学生だった20代に感じていた想いを詰め込んだ、次世代を担う人々へのメッセージとして贈るもの。リメイクやアシンメトリックなデザイン、またモードとユーモアが共存する「MIHARAYASUHIRO」の世界観を、「GU」の人気商品である「シェフパンツ」や「シェフジャケット」などと組み合わせ、Tシャツ、シャツ、スウェット、スニーカー、ソックス、バッグなど全33型で展開する。
また、本コレクションは、ペットボトルをリサイクルして作られた「REPREVE™(リプリーブ™」を使用した「オープンカラーシャツ」や「ワイドテーパードトラウザーのセットアップ」、再生可能な木材を原料とす る 「 LENZING ™ ECOVERO ™ レンチング™ エコ ヴェロ™ )」を使用した「ボウリングシャツ」もラインアップする。
今回、コラボコレクションの発売に際し、デザイナーの三原康裕にインタビューを敢行。学生時代、「自分の才能に夢や未来を託し、作品を創造することで不安を乗り切ろうと無我夢中だった日々を過ごしていた」という彼が、今回のコレクションに託した想いとは?
——GUとの取り組みは、コロナ禍のなか、どのように進められたのでしょうか?
緊急事態宣言中は9時15分までに自転車でアトリエに行き、ひとりで作業を進めていました。「GU」との打ち合わせはZOOMなどを使う場合が多かったですが、必要なときはお互いの会社でミーティングを繰り返し行いました。「MIHARAYASUHIRO」から私だけがこのプロジェクトに関わったのは、プライベートなコレクションにしたかったからです。
——「デザイナーが美術学生だった20代に感じていた想いを詰め込んだ、次世代を担う人々へのメッセージとして贈るコレクション」として、“Good Inspiration”をテーマにしたとお聞きしましたが、三原さん自身にとって当時“Good Inspiration”だったものは何ですか?
靴との出会いでしょう。私は「芸術と人との調和」を理想とする美大生で、「人々が日常で芸術を使用する」ことに調和の意味を見出していました。そのアイコンだったのが「靴」でした。
——今回のコレクション全体に対する想いや、一番、思い入れがあったり、気に入っているピースがあれば教えて下さい。
全体的に言えば、「創作活動を促す」を大事にしました。メモを入れやすいポケットや、ペンを差すためだけのポケットなど、ユーモアを交えながら表現しました。また、元来の「MIHARAYASUHIRO」のコレクションにあるようなギミックのあるクリエーションも、構成に含まれています。また、「何がサステイナブルなことなのか」と話し合いながら進めた商品もいくつかあります。「サステイナブル」についてはさまざまな捉え方がありますが、お互いにとって良いチャレンジだったと思います。
全てのピースに思い入れがあって特定するのは難しいですが、強いて言えば作業しやすいコットンジャケット(シェフジャケット)とシェフパンツのセットアップでしょうか。
——母校である多摩美術大学の図書室・ギャラリーがキービジュアルのインスピレーションとのことでしたが、どのようなインスピレーションを受けたのでしょうか?
正直言えば、私が学生だったときにはあの図書館は存在していませんでした。多摩美術大学を卒業して数年を経て、全面的に変わりました。ですので、現在の姿は私の記憶のものではありません。どうしても今回のキービジュアルや映像をそこで撮影したかったのは、私の母校であり、私のブランドにとって重要な場所でもあるからです。
——ご自身がパンデミックによって変わった価値観、考え方はありますか?
パンデミックによって価値や考え方が変わらないように、いつも通りにルーティンの日々を過ごしています。
——コロナで生産過程を含め、ファッション業界でのエコシステムが変化しています。ご自身は、こういった変化に関してどのようにお考えでしょうか?
このような変化はとても良いことだと思っています。ただ懸念することもあります。それは、この変化を「ただのトレンド」のようにしてはダメだということ。トレンドとはいつか廃れてしまい、ファッションの持つ習性でもあります。こういった習性のように、この変化を「時代感」で片付けてはダメです。
私たちはファッション産業に関わる限り、「環境的責任と社会的責任」を意識しなくてはなりません。それは、この産業に関わる人々で大事に育てなければならない。そうしなければこの変化は、ただの「幻想」でしかないでしょう。
——今後、新たにトライしたいことや予定していることなどはありますか?
トライしたいことは、知り合いのバーで一杯のハイボールを飲むことぐらいです。
「GU x MIHARAYASUHIRO」の特設ページはこちら。
- Interview & text: Kurumi Fukutsu