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1920年に創建された明治神宮への参道として開通した表参道。なんだか心地がいいと感じるのは、太陽の通り道を計算されているからだろうか(冬至の日には明治神宮の方向から参道の中心を日が昇るように設計されている)。その気に手繰り寄せられた人々や軒を連ねるブティック、その裏通りにはストリートカルチャーが根付く。昨年で100年を迎えた表参道は、トレンドとカルチャーを生む大通りとなった。

そして101年という節目に、「HERMÈS(エルメス)」のブティックがオープンした。

 

表参道に面するファサードは、もともとあった外壁の石垣をそのままに、竹林に見立てたコッパーカラーのステンレス製の柵が取り囲む。空に向かって伸びる竹の幅が微妙に変化し、風でしなる竹の動きを表現しているかのよう。夜には背面に仕込まれた間接照明が、石垣を幻想的に映し出す。

 

木材や竹を基調とした店内は、森の苔を思わせる色合いのグリーンの石を使用したフロアと調和する。日本の畳をイメージしたデザインが、日本の奥ゆかしさを物語っている。中央の柱や壁のカーブ、階段の吹き抜けに浮かぶ竹工芸作家・本田聖流氏のアートワーク、随所に飾られた数々のアート、そして差し込む光に自然との一体感を覚えるのは、日本人として、日本のわびさびを感じずにはいられない。

 

京森康平氏によるウィンドウディスプレイは、表参道店で先行限定発売したスカーフデザインと呼応する。そのほか、15年ぶりとなるメンズの新作フレグランス「H24」が先行発売された。

HERMÈSがうたう自然と日本文化への賛美歌を聴きに表参道店を訪れてみるのはいかがだろう。

エルメス表参道店
住所:東京都渋谷区神宮前5丁目7-20
営業時間: 11:00 ~19:00(水曜日定休)
Tel: 03-6712-6612