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バーチャルモデルimmaをテーマに、アーティスト清川あさみの新作約10点を展示する個展「imma」が開催される。

清川は、社会で活躍する女性の本質を捉える「美女採集」シリーズや、ファッションスナップをモチーフとした「TOKYO MONSTER」シリーズなどで知られ、今回はimmaを通して現代社会へのまなざし、過去・現在・未来を結ぶ新たな神話の世界を表現した。

これまでに女優やミュージシャンなど「美しさ」を持った人物を200名近く「採集」し、その人の内面をイメージして撮影した写真に、刺繍を施すことで作品化してきた。制作は仮想の空間に存在するimmaとコラボレーションする形で行い、immaに異なった「テーマ」と「シチュエーション」を与え、「コスチューム」を着せて撮影したという。

アウトプットしたキャンバスの上に刺繍などのレイヤーを重ね、immaが「今の世に誕生した意味」を考えながら、ファッションアイコンになりつつあるimma自身の「奇妙な存在感」を採集し、作品化した。

人間が理性で作り上げた社会や都市空間と相反する混沌とした原始世界を表現した「神話シリーズ」からは、「monster」としての猿神、人間とAIの「romance」、「clone」の日常、都市と「identity」などをテーマに架空の過去・現在・未来のシチュエーションを設定し、新しい神話を表現。

画像をネガポジに分解し、写真と糸のレイヤーとして重ね合わせた「1:1シリーズ」では、心を持たないはずのimmaの心理や、背後にあるものをテーマに制作。「急進的な技術の進化と共に生まれたimmaにとって、リアルワールドに居場所がないことこそが彼女の存在価値」と捉え、作品を制作しながら、人間の生活はバーチャルな存在に依存し、むしろ操られているではないかと感じるようになったという。

清川あさみ | Asami Kiyokawa 「imma」
会場:フィリップス東京 東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル4階
会期:9月4日(金)〜9月26日(土) 月〜金12:00〜17:00 日祝休み