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Where the runway meets the street

2025年春夏のファッションウィークが目前に迫っている。なにやら大波乱が起きそうだ。いくつかのラグジュアリーブランドが大幅な組織改革を協議しているとされ、ファッション界の主導権争いが再び繰り広げられようとしている。

確定している動きがある一方、そのほかについては不透明だ。現在分かっていることは、2023年にデザイナー、トム・フォード(Tom Ford)の後を継いで自身の名を冠したブランドを立ち上げたピーター・ホーキングス(Peter Hawkings)が、わずか1年でブランドを去ったことだ。

昨年4月にTOM FORD(トム・フォード)を買収したエスティローダーカンパニーズは、ホーキングスの後任は “近い将来” 発表すると声明を出している。ファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション」によると、このブランドは2025年春夏コレクションのランウェイショーを見送り、代わりにミラノのショールームで新コレクションを発表する予定だという。

ホーキングスの退任のニュースが報じられると同時に、SNS上では、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が2014年からクリエイティブディレクターを務めているMaison Margiela(エムエム6 メゾン マルジェラ)との契約を更新しないのではないかという憶測が飛び交った。

ファッションとラグジュアリー業界について報道する独立系のサブスクリプションメディア『Miss Tweed』は、「この件について詳しい複数の関係者」に取材し、ガリアーノが以前勤めていたDIOR(ディオール)に復帰すると噂されていると報じた。ガリアーノは、2011年に反ユダヤ的な発言をした動画がネット上で拡散され、その結果、フランスのメゾンから解雇された。

ガリアーノがDIORに復帰することになれば、2016年からブランドを率いているマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)の地位を奪うことになるだろう。しかし、Miss Tweedの報道が出た直後、ファッションビジネス情報サイト「Fashion Network」は、実際にはガリアーノがFENDI(フェンディ)に加わる予定だと報じており、確かなことはまだ何もない。

つまり、全て単なる噂にしかすぎないということだ。DIORとFENDIの親会社であるLVMHや、Maison Margielaを所有するOTBグループは、いずれもコメントを出していない。

ファッション業界から敬遠されて10年以上が経ち、ガリアーノはある種のカムバックを果たした。1月にパリで開催されたMaison Margielaの最後のオートクチュールショーは、その自由な芸術性が批評家に称賛された。

5月に開催された「メットガラ」では、ガリアーノがゼンデイヤ(Zendaya)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、グウェンドリン・クリスティー(Gwendoline Christie)、バッド・バニー(Bad Bunny)といった多くの著名なセレブの衣装を手がけた。それでも、彼が再び脚光を浴びたことは賛否を呼んでおり、彼が許されるべきかどうかを見守る声もある。

GIVENCHY(ジバンシィ)でも何かが起こっている(とされている)。月曜日の朝、Miss Tweedは、昨年9月にAlexander McQueen(アレキサンダー・マックイーン)のクリエイティブ・ディレクターとしての最後のステージを終えたサラ・バートン(Sarah Burton)がGIVENCHYに加わると報じた。

バートンがGIVENCHYの最有力候補だという噂は、前任のクリエイティブディレクター、マシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)が2023年12月に辞任して以来ささやかれている。

もしこの憶測が全て現実になるなら、業界には埋めるべき重要なポジションがいくつか残されることになる。Maison MargielaのガリアーノとTOM FORDのホーキングスの後任は誰になるのか? マリア・グラツィア・キウリはどこへ行くのか? そしておそらく最も切迫した問題は、DIORがかつて不祥事を起こしたガリアーノを再び迎え入れる可能性に対して、世間がどのように反応するかということだ。

※この記事は2024年7月22日に掲載され、2024年7月24日に更新されました。