※画像と本文の内容は無関係である。巣鴨で見かけたとてもグッときたおしゃれの店。

ランウェイショーではショーそのものとそこに来場する人々を観察する味わいというもの、ありけり。

先日、招待いただいたショーに行かせていただいた際に、席の区分が分けられていたので係の方に案内された通りに並んでいると、どこからともなく現れた中年男性とその手下であろうこれまた中年男性のコンビが、係の方に圧のある挨拶であるのか分からぬ権力をSTAP細胞の如くあるように誇示しては苦笑いさせている間に、どさくさに紛れて順番という概念を無視して割り込み入場。

この業界のイベントごとには必ずこういった謎の権力誇示の存在というものが厄介な寄生虫のようにくっついてくる。

自分の小保方さんばりの研究によると、寄生虫の親もとは、全身黒ずくめかつヘアーは黒光り。日頃の惰性で体もそれをまさに体現したゆるやかなカーブを描いているのにやたら体のラインが出る細身のジャケットとパンツ(丈が長いのか中途半端な折り返し)を穿き、子分はセンターパートのヘアに黒縁メガネで長めのカーキのモッズコートを着ている率が高く、2人が並ぶと、お盆の割り箸をブッ刺したナスとキュウリのようであり、どうぞそのまま安らかに世におかえりください……と思わず手を合わせたくなる。霊のごとくかつての経歴に恨めしくすがって彷徨っているのであろう。

こうしてみると経歴やら権力もファッションのようであり、今やファストファッションが台頭してはどう作られたかよりもどう見せるかになっている中で、より人自身も中身よりどう見せるかなのだ。

先日、自分のインスタのコメントにも、自分が経歴やらを特に明かしていないことに不快感を示す方が現れた。

しかし、自分は今や何にも属していなければ、本当に何を主軸に生きているのか自分でも分かっておらず、特に語るほど何かを成し遂げたような経歴がないことも自負しており、さらに今やファッション感覚に肩書きや経歴なんてとりあえず「なんかそれっぽい」ことを言って盛ったコーディネートして見せかけておけば、人も平気でそれを鵜呑みにして持ち上げる時代。

かつてはハイパーメディアクリエイターという者が現れたり、経歴詐称疑惑でサッチーとその周り達で第一次熟女対戦が勃発したり、ショーンと名乗るものは経歴をK歴して世を騒がせたり、クリエイティブディレクターと名乗っておきながらPinterestやハイブランドから流用しているものを作りだしている者もわんさかいたりする中で、特に意味を成すとは思えず、こちとらこっぱすがしくなってしまうのである。

だからもう今、目の前にある姿を見てもらった方が話が早いし、それで良いのではなかろうか。語るより感じろ。

と、ショーで繰り広げられる素敵なコレクションと、それを “ぽく” 頷きながら眺める人々を眺めながら、「人生こそランウェイだよなぁ」とやかましく安い格言を頭に浮かべては、先ほど順番を抜かされたことへの苛立ちをどうにか鎮めるのである。