style
Where the runway meets the street

オフホワイト(Off-White™)は今期、面白い立ち位置にいると感じているだろう。Off-White™は、ストリートウェアの新境地を開拓した最初のブランドである。その過程でモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の目を引き、ヴァージル・アブロー(VirgilAbloh)がLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のメンズ アーティスティック・ディレクターを兼任することでラグジュアリーブランドへと成長してきた。

LVMHはニューラグジュアリーとその消費者にはまだ興味を示しているようで、最近ではリアーナ(Rihanna)のラグジュアリーブランド「Fenty」がローンチした。Off-White™はニューガーズグループ社に所属したままで、ニューガーズグループ社はPalm Angels(パーム・エンジェルス)やHeron Preston(ヘロン・プレストン)やMarcelo Burlon(マルセロ・ブロン)も傘下に収めている。今期はHeron Prestonのニューヨークへのノスタルジアからアレクサンドル・マテュッシ(Alexandre Mattiussi)のルーツへ回帰するメンズウェアの回想であった。

2020年春夏のコレクションでは、「リサイクル」、「リデュース」、「リユース」の3Rが様々なかたちで現れていた。 「PLASTIC(プラスチック)」と冠したショーは、フューチュラ(Futura)として知られているアーティストのレニー・マクガー(LennyMcGurr)との対話をするようだった。ジェームス・ラヴェル(James Lavelle)とコラボレーションで、アンクル(UNKLE)のエレクトリックパフォーマンスのために作られた「ポイントマン」が多く起用された。

サステナブルを語る上でプラスチックの話題は外せない、フューチュラはいつか完全なリサイクル素材で製作するために様々な方法を探っていたと言ったが、ランウェイに鎮座した彫刻は再利用のプラスチックを使用していた。

DJ、アブローは今回のコレクションで自身とフーチュラのアーカイブ作品を参考にするように、別次元のサンプリングをしたようだ。フューチュラは以前の作品を、ドレスやジャケットに昇華したアブローの腕に感銘を受けている。

シカゴ現代美術館ではアブローのこれまでのキャリアが展示されており、少し懐かしいと感じるのも無理はない。タイダイのミリタリートラウザーとフューチュラとコラボしたNike Dunk Lowsは、Louis VuittonとNikeでの過去の作品を想起させる。

「これはヤバイね。どうなるか分からないけれど、この反応を見る限り、作らなきゃだよね」とバックステージでフューチュラは語る。今回のショーではユニークなピースだと言われているが、アーティスト本人は公式発表を待ち望んでいるようだ。

フューチュラも、Nike Dunk Lowsが帰ってくると考えている。何と言っても、Nike SB Dunks史上一番需要があるシューズの背景にいるアーティストの一人であるから。しかしスニーカーだけではなく、昨シーズンのLouis Vuittonのショー以来あらゆる方面で活躍しているアブローと共に様々な「復刻」を予感しているようだ。

「一緒に仕事をして、若年層に広めてくれるアブローには本当に感謝している。まだまだ紹介したい人がたくさんいるんだけれど、彼はそれをサポートしてくれている」