style
Where the runway meets the street

©︎PRADA / ADIDAS

ブランド:PRADA(プラダ)× adidas Originals(アディダスオリジナルス)

PRADAとadidas Originalsはパートナーシップをさらにレベルアップさせる形で最新コレクションを発表した。いずれもアイコニックな両ブランドが、スニーカーやバッグだけでなく、アパレルも含めたコラボレーションを展開したのは今回が初。過去2回にはなかった既製服を取り入れていることは今回の特徴だ。しかし目玉はやはりadidas Forumだろう。ドイツのスポーツウェア大手adidasが12カ月間心血を注いで作り上げたスタイルが数カ月前A$AP Rockyのティーザーで公開された。

2ブランドの共同による初のアパレルコレクションは、生産面での大きな前進でもあるが、各アイテムで両ブランドのデザイン言語がシームレスに融合していることが特徴的だ。PRADAの最も有名なシルエットにadidasのスリーストライプスが巧みにあしらわれているほか、PRADAのシグネチャーであるRe-Nylonが、バッグ、アクセサリー、そしてスニーカーのForumと、すべてのアイテムで存在感を示している。

Forumは、2020年のSuperstar、今年登場のパフォーマンスモデルLuna Rossa ’21に続き、PRADAの洗礼を受けて誕生した3番目のスニーカーモデルだ。「Forumの話はパートナーシップを組んだ当初からPRADAと一緒に詰めてきた」と、adidasコラボレーションデザイン責任者、ステファノ・ピエール・ベルスキ氏は説明する。「Forum は、adidasの最も象徴的なシルエットのひとつでありながら、第3回コラボレーションのセンターピースにふさわしいものにする、ということで合意した」のだと。

©︎PRADA / ADIDAS

Superstarは、ラグジュアリーファッションブランドと世界的スポーツウェアメーカーのコラボレーションという概念を世界に発信した。Luna Rossa ’21は、adidasのパフォーマンスノウハウをセーリングの世界に持ち込んだ。それに続き、今回は共同ブランドのアパレルが登場したというわけだ。

「アパレルやアクセサリーへの拡大は、PRADAのRe-Nylonの生地をForumのシルエットの中心に使うと決めた時点で自然に決まった」とベルスキは話す。「幅広く使えるRe-Nylonの特徴を活か

し、ラグジュアリーとスリーストライプスの極みを素材、色、両ブランドのDNAで融合させた濃密なカプセルコレクション」だという。

©︎PRADA / ADIDAS

ベルスキの言う今回のコレクションの目玉素材Re-Nylonとは、PRADAが主力商品に何十年も使用してきたシグネチャーナイロンを、より環境に配慮して作り替え、2019年に発表したもので、海から回収した廃棄プラスチックを使ったリサイクル素材だ。2021年、PRADAは使用ナイロン素材をバージンナイロンからRe-Nylonに全面移行。2022年初めを飾る今回のコレクションでは、その革新性を際立たせるように、全アイテムの中枢にこの素材を採用している。

©︎PRADA / ADIDAS

Re-Nylonによる今回のコレクションのフットウェアは、オールブラックとオールホワイトによるForum HiとLowで構成されている。アッパーにはリサイクルナイロン素材、スリーストライプスのブランドロゴやトゥとヒールのオーバーレイにはパテントレザーをさりげなく使用。これまで同様、目を引く鮮やかな色やデザインではなく、控えめで繊細なエレガンスをテーマとしている。まさにPRADA流だ。

©︎PRADA / ADIDAS

「個性ある2ブランドがそれぞれの世界を融合させようとすると、行き過ぎてしまうケースが珍しくない。逆に削ぎ落とすくらいの方が光る場合もある。バランスと抑制を大事に、デザインした」とベルスキ。「世界最高の腕を持つイタリアの職人が、繊細に、精巧に命を吹き込んで作り上げたのが、今回のコラボレーションのForumシューズ」

このスニーカーのもうひとつの重要なディテールは、取り外しできるPRADAのポーチを合わせている点だ。ロートップでは、シューレースの上に、ハイトップでは足首の襟にそれぞれボタンで取り付けられる。両ブランドのDNAが見事に融合させているだけでなく、ソーシャルメディアでもこぞって取り上げられそうな遊び心あるアイテムだ。ポーチからとんでもないものを取り出すリールやTikTok動画が既に出回っている。

©︎PRADA / ADIDAS

「PRADAのポーチを付ける発想は、Forumをいかにハイブリッドに演出するかを考えていたとき、直感的に絶対やりたいと思った。ポーチがアッパー部分のスタイルを際立たせてシューズを超えた新たなオーナメント的価値を生み出してくれる」とベルスキ。

PRADA × adidasの3回目のコレクションは、両ブランドのパートナーシップを間違いなく大きく進化させている。ベルスキも言うように、両ブランドが時間をかけてお互いのチームとコラボレーションのプロセスに慣れてきたことでより良いものに仕上がっている。最初の2回のスニーカーコラボレーションもそれぞれに重要なものであり、成功も収めているが、Forumはそのさらに上をいくものとなりそうだ。

©︎PRADA / ADIDAS

共同ブランドのSuperstarは最高の品質と時代を超越したデザインを備えてはいるものの、パートナーシップ発表当初に期待されたほどの高みには至らなかった。デザインそのものに問題があったというよりも、50周年記念のプロモーションアイテムとして位置づけられていたことが原因だろう。Luna Ross ’21も同様で、アメリカズカップで使用されたことには非常に大きかったものの、スニーカーコミュニティからは一部、結局見過ごされている。原因の一つには価格もあるが、スニーカーヘッズが元来、新し過ぎるものよりレトロなモデルの方を好む気まぐれな性質を持っている、ということも影響しているだろう。

どちらもよくできたスニーカーだった。おそらく、PRADA × adidasの商品を十分に理解する準備が、消費者側にできていなかったのだろう。このコレクションを見過ごしたことが、数年後に後悔される日が来るかもしれない。いずれにせよ、最初の2回のコレクションは強固な基礎を築いた。その基盤があってこそ、今回のPRADA × adidasのフォーラムコレクションは誕生している。

©︎PRADA / ADIDAS

「コラボレーションのたびにパートナーシップを発展させ、アイデア、コンセプト、次に進むための共通コミットメントを築いてきた。毎回レベルを上げることができている」とベルスキ。

adidas Forumは、PRADA × adidasのコラボレーションの軌道転換をもたらす可能性を秘めている。Superstarと同様、Forumも伝統に根ざしたクラシックなスニーカーだが、より時代のテイストにマッチしたモデルだ。履き心地はややがっしりしており、刺激的なコラボレーションや発売イベントも展開されている。また、Superstarよりもタイムラインで目にすることが多い。世間の意識に留まる時間が長ければ長いほど、成功の可能性は高まる。
PRADA × adidasのForumは、adidasだけでなく、フットウェア業界全体の2022年の方向性を決める要素を余すことなく備えている。

フォーラムHI ¥152,900
フォーラムHI ¥152,900
フォーラムLOW ¥116,600
フォーラムLOW ¥116,600
カーコート ¥297,000
トラックブルゾン¥225,500
トラックブルゾン¥225,500
トラックジャケット¥209,000
トラックジャケット¥209,000
ダッフルバッグ¥247,500
バックパック¥220,000
バックパックフーディ¥214,500
ショルダーバッグ¥198,000
ベルトバッグ¥124,300
バケットハット¥66,000
バケットハット¥66,000

※全て予定価格

adidas for Prada Re-Nylon コレクション展示(一部)
会期:1月8日(土) 〜 28日(金)
会場:アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア 新宿 東京都新宿区新宿4-1-8 1F-3F Gビル新宿01

adidas for Prada Re-Nylon コレクション
発売日:1月13日(木)
取扱店舗:プラダ 青山店、プラダ 銀座店、プラダ 名古屋店、プラダ 大阪心斎橋店、プラダ 神戸店、プラダ MIYASHITA PARK店、プラダ公式サイト、アディダスConfirmed アプリ