2021年までに全て再生ナイロンに
PRADA新プロジェクト

By HighsnobietyJapan in style
2019年7月3日

「PRADA（プラダ）」は、再生ナイロンを取り入れたバッグを発売し、未来のナイロン製造を持続可能なものにするための取り組みの詳細を明らかにした。

時代や世界の変遷を反映する先駆的プロジェクト「Re-Nylon」を立ち上げるとともに、ブランドのアイコニックなバッグを新しい再生ナイロン繊維「ECONYL®」で再現したサステナブルなシリーズを発売。織物用糸を生産するアクアフィル社との契約で採用された再生ナイロン繊維は、海から集められたプラスチック廃棄物や漁網、繊維廃棄物を再利用、浄化して作られたものだ。

PRADAによると、1万トンのECONYL®の製造で7万バーレルの石油を節約、これにより二酸化炭素の環境排出量を5万7100トン削減できるほか、ECONYL®の使用で、石油を燃料とするナイロン製造が地球温暖化にもたらす影響の80％削減を見込んでいるという。

コレクションは、メンズ、レディスのベルトバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグ、ダッフルバッグ、バックパック2型の6つのクラシックなスタイルで構成。全て環境に優しい素材を使い、独自に解釈されたプラダのトライアングルロゴは、従来の直線的なサプライチェーンから循環的なサプライチェーンへの移行を強調している。

Re-Nylonプロジェクトでは、2021年末までにPRADAの全てのバージンナイロンをこの繊維に転換することを最終目標に掲げる。社会への価値還元の考えを日常に取り入れ、持続可能なバランスを目指すPRADAグループの姿勢を反映させ、ブランドの伝統に欠かせない象徴ともいえるナイロンの進化・再構築を目指す。

カプセルコレクションの売り上げの一部は、環境の持続可能性に関連するプロジェクトに寄付し、ユネスコとのパートナーシップで、数カ国の学生が参加するプラスチックと循環経済をテーマにした授業を計画するなどの教育活動を展開する予定だ。Re-Nylon コレクションの発表に当たり、取り組みの裏側を紹介するショートビデオシリーズ「What We Carry」も制作された。

パートナーとなるナショナルジオグラフィックが手掛けたもので、プロジェクトの目的や意図、実状を紹介し、企業のユニークな内情を公開。5つのエピソードで、それぞれECONYL®の糸となるリサイクル素材のさまざまな供給元について取り上げ、視聴者は生地製造工場や施設の仕事の内側、取り組みについての考えなどをうかがい知ることができる。