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歴史と今が交錯する街、銀座にある「RIMOWA Store銀座7丁目」で開催中の企画展「RIMOWA Ginza Heritage」では、創設120年のRIMOWA(リモワ)が辿った軌跡と進化、旅への信念が伺える数々のアーカイブが展示されている。

空港のバゲッジクレームを模した会場に並ぶアーカイブ。まず目を引くのは、ヴィンテージの木製スーツケース。1898年に創業したRIMOWAは、鞄職人であるポール・モルシェック(Paul Morszeck)とその家族により、耐久性に優れた軽量の木製スーツケースを製作していた。

1937年に創業者の息子、リヒャルト・モルシェック(Richard Morszeck)に代わり、名前の頭文字から「RIMOWA」というブランドに生まれ変わる。そして、彼が初めてアルミニウム製スーツケースを製作した。今やアルミニウム製スーツケースの代名詞とも言えるRIMOWAの原点である。

1950年にはグルーヴ加工を施した、最もアイコニックなデザインが生まれ、現在もなお、多くの旅行者を魅了しているデザインの一つである。

1970~1980年代はRIMOWAにとって挑戦の時代だったのかもしれない。キャビア調アルミニウムの多目的ケースや、フォトグラファーに向けた防水カメラケース、「ホリデイ」と題した若者向けのカラフルなコレクションなど、旅の多様性に合わせて進化を遂げた。

そのほかにも、ドイツの航空会社「ルフトハンザ」用に製造していたパイロットケースやギターケース、2000年代に生まれたハイテク素材「ポリカーボネイト」製の初期のスーツケースなども展示。さらに、日本の現代アーティストの「Colliu(コリュ)」と「USUGROW(薄黒)」による旅をテーマにしたコラボアート作品も必見だ。

船から列車、車から飛行機と、それぞれの時代で旅の手段は変われどいつも旅行者の個性に寄り添ってきたRIMOWA。そして今、多様性をはらむ新時代にRIMOWAは更なる進化を遂げるのだろう。

RIMOWA Heritage Ginza
会期:6月14日(金)~
場所:RIMOWA Store 銀座7丁目
住所:東京都中央区銀座7-9-17 3階
営業時間:11:00~20:00(最終入場19:30