style
Where the runway meets the street

sacai(サカイ)」は2020年春夏メンズコレクションと、ウィメンズの2020年プレスプリングコレクションを発表した。

「あのラグは部屋にすごく合ってたんだよ」――デザイナー阿部千登勢は、コーエン兄弟製作のコメディー映画「The Big Lebowski(邦題「ビッグ・リボウスキ」)」の登場人物の見解を引用しながら、2つの慣れ親しんだ形を結合することを起点とし、sacaiのシグネチャーでもある「ハイブリッド」を新たな方法で繰り返した。

大小のスケールの違いによる遊び、洋服の原型を解体するsacaiの技巧が加えられたタキシードピースは、エレガントさとサルトリアルな視点を同時に生み出した。大小の異なるスケールの2つのタキシードシャツは、片側がステッチされ、もう片方がぶら下がったボウタイによって絶妙に結ばれる。片側のみのベルトは、2つのコートやジャケットをつなぎ合わせ、新たなピースを作り出した。

オーバーサイズのデニムジャケットは縮れたテクスチャーの別のデニムジャケットと接合され、キッズサイズのMA-1ジャケットは大人用のオーバーサイズジャケットと組み合わされる。慣れ親しんだ形が2次元のアプローチで切り取られ、伝統的なパターンと組み合わさったピースは、曖昧な輪郭と、たっぷりと使われた布地により、装着したときに初めて、ドレープのシルエットを生み出す。

ズボンとシャツが組み合わされ新たなピースとなった一着は、タキシードシャツとパンツをドレスとして再構築した。伝統的なフィッシャーマンのスタイルからインスピレーションを得てハイブリッドされた、同じファブリックを使ったルックも並び、Tシャツのシルエットはスーツの生地で再現された。

アロハシャツブランド「sun surf」とのコラボレーションもあり、ハワイの伝説的サーファー、デューク・カハナモク(Duke Kahanamoku)によるアーカイブプリントを取り入れたルックや、国内繊維企業「Spiber」が新たに開発した「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)」をブレンドしたサスティナブルな生地にアート・ディレクター、ファビアン・バロン(Fabien Baron)によるグラフィックを合わせたルックも披露された。

可動域を最大にするよう設計された「sacai × Gramicci(グラミチ)」のマウンテニアリングパンツと、新しい「Nike × sacai」スニーカーにも注目が集まりそうだ。