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Where the runway meets the street

©Darren Gerrish

ブランド:Stella McCartney(ステラ マッカートニー)

Stella McCartneyは3月6日(月)、2023年冬コレクションを発表した。

テーマは、ステラ・マッカートニー自身が愛する「母、娘、姉妹、自然、人間、動物たちの間にある愛」。会場となったフランス最古の乗馬学校「Manège de l’École Militaire」では、馬と心を通わせることができるホースウィスパラーと、レスキューとして知られるジャン-フランソワ ピニョン(Jean-Francois Pignon)と、複数のポニーの間を、モデルたちが歩いた。

©Lauren Dunn

コレクションの92%をサステナブルな「責任ある素材」で構成。これは同ブランドにとって最も大きな割合だったという。新素材として、プラントベースでプラスチックフリーなレザーの循環型の代替素材「MIRUM®(ミラム)」から作ったラグジュアリーブランド初だというバッグが登場。「Sウェーブ」や「フレイム」バッグには、食品産業で発生する廃棄リンゴ由来の新素材「AppleSkin™️」にクロコダイルの型押し風の加工を施したものをラインナップに新たに加えた。キノコの地下根系となる菌糸体(マイセリウム)由来の「フレイム マイロ™️(Frayme Mylo ™️)」には今回、ホワイトが登場した。

テーラリングは、肩幅を大きく取り、ウエストラインを絞ったミニマルなシルエットのボーイフレンドブレザーやタキシードジャケット、コートなどがお目見え。ジンジャーカラーでブリティッシュチェックのルックもあった。ピーコートやパワーショルダーのスカートスーツは、流通・製造過程などが見える高級ウールが素材だ。ダブルブレストコートにひねりを加えたベアドレスは、キャメルとブラックを展開。

ミニマルなベストは、ブレザーやバナナシルエットのパンツを合わせ、スリーピーススーツをモダンに再解釈。ローカットのブラックのオールインワンや、素肌が見えるロングドレスに施したロープのディテールは、馬術や手綱に着想を得た。アメリカ原産の馬の品種の持つ斑点模様を着想源とするジャカードは、カールした素材から成るブラックとホワイトのフロアレングスコートに。毛足の長い糸を用いたダブルブレストコートやスカーフ、ケープニットには、ステラが初めて愛した馬「ハーモニー」の毛の色に着想を得たアースカラーのジャカードを用いた。

フォトジャカードのポロシャツを彩るのは、ステラの姉で写真家のメアリー・マッカートニー(Mary McCartney)の作品から着想したものだ。躍動する馬を描いたニットのセットアップや、ジンジャーカラーの総柄のホースプリントをあしらったブラックのポロとスカートのセットアップ、馬用ブランケットをイメージしたヴィーガン素材のキルティングを使うピーコートやひざ丈スカートなども登場した。チェーンのボディジュエリーは今シーズン、リップスティックレッドやシルバーのほか、ウエストラインにチェーンを縫いつけたスキニーパンツとして表現。クラシックウォッシュ加工を施した環境再生型コットンデニムは、ネイビーのポリエステル製のテーラリングと組み合わせ、ボーイフレンドデニムやデニムジャケット、ロングスカートとして披露。

ブラックとレッドの再生ポリエステル糸を用いたトラックスーツやゴールドの馬モチーフの刺繍を施したオーガニックコットンジャージーのラグビージャンパーは、90年代のイギリスの若者や音楽カルチャーへのノスタルジーを反映。ブラック、レッド、ホワイトのシェブロンカラーのケープニットは、起毛加工されたテクスチャーが特徴で、伊トスカーナの伝統的なウールを採用した。

イギリス王室を象徴するレッドは、テーラリングやコート、フォレスト フレンドリー ビスコース製の軽やかなジョーゼットドレスとして登場。タキシードスカーフを巻いたようなデザインのワンショルダートップスは、グラマラスなイブニングウェアを連想させるルック。動物に配慮したヴィーガン素材や持続可能な森林から採取された素材を使い、ボリュームのあるバナナシルエットのジョガーパンツと合わせた。

フェルトウールのクリーム色のクロップドジャケットや、ミニマルなベスト、ローライズのシガレットパンツなど、おもちゃの兵士を思わせるスーツには、ナポレオンジャケットから着想を得た刺繍をあしらった。ジャージードレスは、ロープで囲んだカットアウトのディテールが目を引く。シルバーのクリスタルメタルロープが素肌を囲ったアイテムも登場した。

ラストは、ナチュラルでミニマルなスリップドレスが登場。スカーフのようなジンジャーやリップスティックレッドに、ステラ、メアリーの母で写真家のリンダ・マッカートニー (Linda McCartney)の作品をあしらい、シフォン素材やスパンコール、ヴィーガンレザーのオルターマットなど、様々なパーツを組み合わせた。

アクセサリーは、アイコンバッグ「ファラベラ」が、シルバーやゴールド、ペイントされた チェーンなどの多彩なバリエーションで揃った。バッグはほかに、動物を犠牲にしない素材で作られたポニー柄の「フレイム」や「S ウェーブ」なども登場。乗馬ブーツを連想させるサイハイブーツには、「ファラベラ」チェーンをあしらう。蹄のようなつま先が特徴のパンプスは、ファー フリー ファーや、ビジューやチェーンをあしらったバージョンなどがランナップ。メンズウェアが着想源のローファーにも「ファラベラ」チェーンをあしらった。