トム・サックスが東京を席巻
ビームス原宿であの限定商品も復活
ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト、トム・サックス(Tom Sachs)が現在「東京オペラシティアートギャラリー」(東京・初台)で開いている個展「ティーセレモニー」と連動し、「小山登美夫ギャラリー」(六本木)でも個展「Smutshow」が開催される。両ギャラリーをはじめ、都内4カ所をクロスオーバーする日本初の大規模な連動企画となる。
1966年、ニューヨーク生まれのサックスは、初期には手書きのプラダのロゴで作られた便器や、自作のエルメスの包装紙によるマクドナルドのバリューセットなど、「手作り(ハンドメイド)の既製品(レディメイド)」とも評されるユーモアに富んだ作品を制作し、世界各地で展覧会に参加。「トム・サックススタジオ」で簡素な素材を用いながら半実用的な立体作品が組み込まれたパラレルワールドを作り上げ、モダニズムやデザインのアイコンから着想を得た作品が、ニューヨーク近代美術館をはじめ多くの美術館に永久収蔵されている。
2016年にNY「ノグチ美術館」で開いた個展「ティーセレモニー」の巡回展で、サックスにとって日本初の美術館での個展開催となる東京オペラシティアートギャラリーでの展示では、独自の視点で日本の文化に敬意を表するサックスが、「ティーセレモニー=茶会・茶道」に本格的に取り組み、ユニークな発想を通してグローバル化時代における日本の伝統文化の意義や新たな展開の可能性を探っている。
小山登美夫ギャラリーでは、これと連動し、個展「Smutshow」を開催。「ティーセレモニー」の一室「ヒストリカルガーデン」と繋がり、相互に補完し合う展示として、日本古来の伝統文化の一つである「香道」を独自に解釈。自身の作品に昇華した「Kodo」(2017年)や、「不完全な美(perfectly imperfect chawan)」と称する「NASA」のロゴが入った手製の茶碗「Alabaster Cream」(2018年)など、新作と日本未発表作のみ約27点を展示する。「トム・サックスの茶の湯」を体現する茶道具やしつらえの品々を展示するための棚も、全てサックス自身がデザインしたという。
「KOMAGOME 1-14 cas」(駒込)では、「Indoctrination Center」と題し、トム・サックススタジオの「手引書」となっている映像5作品の上映をはじめ、「Journey Man」と呼ばれるサックススタジオの「美学」が詰まった展覧会用工具棚を展示予定。
ポップアップストアを展開するのは、「ビームス原宿」。2012年に発表され、トム・サックスウェブストアで発売後数時間で売り切れとなった「NASA Chair」(14万円・税抜)を抽選販売するほか、リテーラーとして世界初となるコラボレーションTシャツや関連商品も発売。サックス自身がストアの内装デザインも監修する。チェアは店頭での応募制となるほか、コラボレーションTシャツ(5,500円・税抜、カラー:ホワイト、サイズ:M・L・XL・XXL)も各アイテム1人1点までの購入となるなど、人気の過熱が予想される。
トム・サックス「Smutshow」
日時:4月20日(土)~5月25日(土)
会場:小山登美夫ギャラリー(東京都港区六本木6-5-24 complex665 2階)
時間:11:00~19:00(5月25日は22:00まで)
休廊日:日曜・月曜・祝日
入場料:無料
【同時開催】
トム・サックス:ティーセレモニー
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:4月20日(土)~6月23日(日)
トム・サックス「Indoctrination Center」
会場:KOMAGOME 1-14 cas
会期:4月20日(土)~5月14日(火)
トム・サックス ポップアップストア
会場:ビームス原宿
会期:4月19日(金)~5月6日(月・祝)