twelvebooks、名作の再販版を含む4タイトル発売

2010年に東京を拠点に設立されたアートフォトブック専門のディストリビューター 「twelvebooks」は、写真家リナ・シェイニウス（Lina Scheynius）、吉行耕平、クロディーヌ・ドゥーリー（Claudine Doury）、アーティストのシャオペン・ユアン（Xiaopeng Yuan）らによる4タイトルを発売する。

「MY PHOTO BOOKS」は、スウェーデン人フォトグラファー、リナ・シェイニウスが2007年〜2019年の間に自費出版で刊行してきたシリーズ作の「01」〜「11」全てを改訂版として一つの箱に収めたセット。1980年代に生まれた作者は、自身の生活や友人、恋人を写真で記録してきた。本能的なスタイルで日常の中の美や神秘を浮き彫りにする親密なイメージを生み出し、世界的にも評価を受けている。「まるで日記のページを破りとったかのように、本来であれば外の世界からは見ることのできない、親密さや隠された美しさが姿を見せ、その静かな瞬間をとらえている」という。1991年〜2018年の間に撮影された本作は、21世紀を生きる女性に今までにない視点を提案する。

THE PARKは、日本人写真家、吉行耕平の作品集。1970年代に新宿、代々木、青山の公園で夜に撮影した有名なThe Parkシリーズの再版。作者は赤外線フィルム、赤外線ストロボ用い、野外で絡み合うカップルやそれを覗き見る人々の秘密のコミュニティーを捉えた。公園に夜な夜な集い、粒子の粗いスナップショットのような画質のイメージは、闇夜に隠れて行われる異性愛者や同性愛者のカップルたちの性の営みを明るみに出すだけでなく、普段ほとんど目にすることのない日本の一面を見せる「年代記」にもなっている。再版にあたりデザインを一新し、未発表のイメージ8点に加え、2007年版以前の1980年代に作成されたZINEバージョンのイメージも収録するほか、写真家、荒木経惟との対談も掲載。YOSSI MILOとの共同刊行となっている。特装版の本作は、作品集と共に1980年に刊行された「ドキュメント公園」の複写版が箱に収められている。サイン入り短冊付き。

CAMPAIGN CHILDは、中国人アーティスト、シャオペン・ユアンの作品集。作者は「商業写真の言語を自由に操り、共通点のないものや身体、状況から新しい意味を作り出す」という。本書は西洋の資本主義的なモチーフとこれらが組み込まれているグローバルな文脈との間の不安定な関係を表現する一方で、写真を通じた欲望の正当化はどのようにして行われているかを考察している。

AMOURは、フランス人フォトグラファー、クロディーヌ・ドゥーリーの作品集。ロシアを流れるアムール川を30年間にわたり追いかけた作者の日々の記録。1991年、1997年そして2018年に川辺を旅し、イメージを撮り溜めた。自身のオデッセイ（長い冒険）の間、川の周りで暮らす家族や風景との関係性をじっくり時間をかけて育て、力強い不朽のイメージを作り出した。モノクロとカラーの写真、アーカイブの中のイメージをまとめ、作者が土地と歴史との間に築いた親密で繊細な絆を示している。

MY PHOTO BOOKS by Lina Scheynius
JEAN BOÎTE ÉDITIONS

価格：22,000円（税別）
プレオーダー
12月下旬入荷予定

THE PARK by Kohei Yoshiyuki
RADIUS BOOKS
価格：18,000円（税別）
SPECIAL EDITION
「ドキュメント公園」複写版 / サイン入り短冊付き函入り

CAMPAIGN CHILD by Xiaopeng Yuan
LOOSE JOINTS

価格：4,200円（税別）

AMOUR by Claudine Doury
CHOSE COMMUNE

価格：7,400円（税別）

Words by HighsnobietyJapan