三原羽衣が感じた映画『みーんな、宇宙人。』の魅力
先日6月7日に全国公開され、CINEMAランキング通信のミニシアターランキングで初登場3位にランクインし、邦画では1位を記録した大ヒット上映中の映画『みーんな、宇宙人。』。やんちゃそうなオリーブ(Moja)とのやりとりなど独特のかわいさが印象的なレイ役を演じる三原羽衣に、今作品の魅力について語ってもらった。
——初めて台本を読んだ時の感想を教えてください。
映画はすごくカラフルでかわいらしいんですが、台本自体はあまりト書きがない、すごくさらりとしていたものだったんです。なので、役として読み解くことがちょっと難しいなと思ったんですが、もともと宇賀那健一監督の世界観は知っていたので、特に驚くことなく、受け入れることができました。ただ、「この世界にちゃんと入り込めるのかな?」という不安があったので、監督とディスカッションをしながら撮影を進めていきました。実は私のパートは1日で撮影したんですよ。
——それは大変でしたね。
その分、すごく濃縮されたいい時間を過ごすことができました。オリーブがボールを取りに行く後ろ姿はとにかく愛おしかったですし、ご飯を食べさせるシーンでは、無理やり口にほおばって食べてくれたり、本当に癒しの時間を一緒に過ごすことができました。
——オリーブは他のMojaに比べて受け入れ力が高いように感じました。
そうですね。レイが言うことにほとんど抵抗してこないですし、レイがボールを投げてオリーブが取りに行かなかった時があるんですが、レイがすごく悲しい顔をするんですよね。その顔を見た瞬間、オリーブは必死に取りに行くんです。そのやりとりがとってもかわいかったです。
——レイはどんなキャラクターだと思いましたか?
レイは孤独を抱えていて、そこを埋めるかのようにオリーブと出会うんです。犬なのかもわからないのに、とにかくかわいがって、ペットとして一緒に過ごそうとしているところが健気でかわいいですよね。それに、オリーブと出会ってどんどん成長していく姿も、演じていて楽しかったです。
——オリーブが疲れているのに、無邪気にボールを投げるレイが最高でした。
あそこはちょっぴり素がでちゃったかもしれません(笑)。それに、レイは孤独なのに暗い表情をあまり見せないんですよ。演じているうちに、この子はかなり強い子なのかもしれないと思いました。
——知れば知るほど好きになるキャラクターですよね。
そう思います。他のモジャの物語も拝見させていただきましたが、いろんな人たちと触れ合ったモジャが会議をしているシーンにはグッときました。とってもかわいいのに、ものすごく考えさせられるんです。それに、みんながそれぞれの人達と出会い、考えが変わっていく姿を見ていると、人間って変われるんだって思えたんですよね。それに、たとえ出す答えが違うひとたちとも、コミュニケーションありきで分かりあえるということも教えてくれたんです。そう考えると、『みーんな、宇宙人。』というタイトルに込められた意味の深さを感じて、「なるほど……!」と思いました。
——実際にMojaと出会ったらどんなリアクションを取ると思いますか?
ものすごくビックリすると思います! 思わず尻もちをついちゃうかも……! でも、自分に害がないことがわかればすごくかわいいですし、困っているなら1人くらいうちに来ても大丈夫だよって言うかもしれません(笑)。
——話は変わりますが、ファッションのこだわりを教えてください。
カジュアルな韓国ストリートファッションが好きです。お仕事ではフェミニンなお洋服を着ることが多いんですが、プライベートはスポーティなファッションが多いですね。オーバーサイズでストレッチ素材なものを気に入ってよく着ています。
——海外で一番印象に残っている国を教えてください。
祖母が韓国人なので、韓国には小さな頃からよく連れてってもらっていました。好きな場所はオシャレなショップがたくさんある弘大と、何でも揃う漢江です。昨年、お仕事で漢江に行った時に、休憩時間に食べたコンビニのラーメンがすごくおいしくて感動しました! また近いうちに遊びに行きたいですね。
——好きな音楽を教えてください。
K-POPが好きで、なかでもBLACK PINKが大好きです。そのほかにも洋楽や邦ロックも聴くので、テンションが上がる曲、癒される曲などで検索をかけて聴いたりしています。最近は、そのなかで流れてきたLeinaさんの『うたたね』という曲が大好きになり、エンドレスリピートで聴いています。
——では最後に、この作品の魅力を教えてください。
以前は自分の考え方とは全く違う人と出会うと、距離を置いてしまいがちだったんですが、最近はかなり受け入れられるようになったんです。というのも、ある程度関係性が築けた後に、「やっぱり考え方が合わないな」と思ったら、自分から「私はこう思っています」と伝えられるようになったんです。そうやってちゃんと言葉にすると、相手も理解してくれますし、より良い関係を作ることができるんです。この映画でも、まずはコミュニケーションを取ることの大事さを教えてくれる気がしていて……。それに、今の年齢になって、あらためてコミュニケーションの大切さを感じているんです。自分ではわかってもらえていると思っていたことが、実はまったくわかってもらえていないことも多々ありますしね。でも、そういったときによくよく考えてみると、自分が相手にちゃんと気持ちを伝えていなかったことが多いんです。モジャを通して、そういったすれ違いに気づいてもらえたら嬉しいです。
『みーんな、宇宙人。』
【あらすじ】
ある日、誰かの役に立とうとビルの屋上で「オレオレありがとう」を繰り返すセイヤ(兵頭功海)のもとに、突然何かが空から落ちてくる。セイヤが電話を切ると、エメラルドブルーの毛がモジャモジャの見たことのない生き物ーーミントがそこにいた。ミントと他愛もない会話をして仕事へと向かうセイヤだが、その後、体型にコンプレックスを抱くミサト(菊地姫奈)のもとにオレンジ、自分に自信が持てずネガティブなショウ(西垣匠)のもとにピーチ、寂しがり屋な女の子・レイ(三原羽衣)のもとにオリーブ、人間を強く信じるヒロト(草川拓弥)のもとにクロウ、これまでの人生に悔いがあるミステリアスな人物・リュウ(YU)のもとにグレープというミントの仲間たちが次々現れ、会話を通してお互いのことを少しづつ理解し始める……。
出演:兵頭功海/菊地姫奈/西垣匠/三原羽衣/草川拓弥/YU/麿赤兒
関本巧文/詩歩/冬由/儀間咲彩/佐々木穂高/栗山かほり
監督・脚本:宇賀那健一
プロデューサー:戸川貴詞
主題歌:NIKO NIKO TAN TAN「No Time To Lose」
制作:VANDALISM
配給:エクストリーム
製作:CAELUM
公式サイト:https://www.mojamovie.com
公式SNS(X・Instagram・TikTok)/@moja_pjt
2024年/日本/93分/5.1ch/16:9/カラー/DCP
©2024 CAELUM
- PHOTOGRAPHY: MICHIYO YANAGIHARA
- STYLING: SHO FURUKAWA
- HAIR&MAKEUP: KATO(TRON)