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スター編集者兼キュレーターで、オスロのファッションリサーチ国際図書館のディレクターを務めるエリス・バイ・オルセン(Elise By Olsen)キュレートにより、ジュエリーデザイナーのSigurd BrongerとクリエイティブディレクターのMorteza Vaseghiによる視覚的コミュニケーション展示「URO」が開催。

Vaseghiの彫刻のような帽子作品と、Brongerのユニークなブローチを組み合わせたインスタレーションは、展示スペースのロタンダ内に浮遊させ、常に動き続けるドリームキャッチャーのような構造でバランスを保っている。アイテムの素材感が衝突し、常に対立しているように見えるかもしれないが、このシアター的インスタレーションは、2人のアーティストの2つのヴィジョンを一体化させることを意図している。

一方には、複雑に彫刻された重厚感のあるフェルトの帽子、もう一方には、ジュエリーとしても機能する日常におけるオブジェクトが置かれている。段ボール、ピンポン玉、テープといったありふれた材料を再利用することで、Brongerは、本来一時的に使う短命な日用品を長命にさせた。Vaseghiの帽子で使われたフェルトも、自立する型に変形し続ける特性から選ばれた。これらの特性は、「着る服」という想定内の目的を超え、日用品にさらなる意味を持たせている。アーティストの実践と、個々の作品という対立的な両極の間にある限界の枠が具現化されようとしており、デザインと職人技、服装と現代アート、機能性と創造性がどのように交差するか、というさらなる問いが投げかけられている。