急にお邪魔いたします。キクチと申します。

一体全体、何処のキクチが何をしにHIGHSNOBIETYに放流されたのかという話なのですが、これは自分でも分からぬ話であり、ただファッションをヴァイブスでたのしむ自由業(フリーランス)の男を、編集長がどこから聞いたかネットの井戸の中に珍しい蛙がいるぞと掬い上げてくださり、あれよあれよとこの澄んだ耀き世界に紛れ込むこととなったのであります。

週1~2のペースでそんな澱んだ井戸からやってきた蛙が、世に合わせてうまく擬態しつつも隠しきれぬ毒素も出しながら、主にファッションの気になるあれやこれをコラム的に綴らせていただきたく存じますので、何卒あたたかく見守っていただけたらと……よろしくね。

ということで早速かつ唐突。

襟のないジャケットは好きであろうか?

正式な名称を誰もよく分かっておらぬことで、近頃のネットでは着用する男性が「授業参観のお母さん」と揶揄されて呼ばれる、襟のないジャケット。

襟がないだけで溢れ出る母性のためか、カジュアルなTシャツやデニム、スウェットと合わせても、やわらかかつきちんとした印象に仕上がるのが自分は好きなのだが、ウィメンズは出回っているけどメンズはなかなかないので、見つけては、ちょこちょこ集めている。

こちらはエディ・スリマン(Hedi Slimane)時代のCELINE(セリーヌ)。

初見のギャルに「学ランじゃん」と揶揄された思い出。すなわち授業参観の母役と生徒役をどちらもこなせる優れた逸品。

こちらもエディ時代のCELINE。

ニットカーデなのだが、ラウンドネックのおかげでほっこりならず、やはり授業参観に来る母のような威厳がスタイルに加わるので優秀。

上記は私物となるのだが、この襟のないジャケットの頂点、襟のないジャケット界のPTAの会長、母ジャケットの母に君臨するのは天下のCHANEL(シャネル)様である。

しかもご存知の通り、CHANELに元BOTTEGA VENETA(ボッテガ ヴェネタ)のマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が就任し、個人的にマチューの作り出すブランドのもつ歴史や技術を最大限に活かしつつそこに遊び心を加えたプロダクトのファンなので、もうね。絶対に欲しい。

だが噂に出ていたメンズラインはないとのことで落胆していたのだが、昨年ニューヨークで行われていたCHANELのショーに現れたメロつきシャレ番長のA$AP Rocky(エイサップロッキー)が、2026年春夏コレクションでのツイード(ですよね?)ジャケットを羽織っており、もうね。絶対に欲しい。

ランウェイで合わせていたインナーをタイに落とし込んでメンズライクに着こなしもアレンジしていてさすが小憎い。

©︎CHANEL

自分がマチューだったらこんな完璧な授業参観の母なるジャケットの着こなしに胸がトゥンク///赤い実はじけてしまい、こちとら授業も手につかず、参観に来た母に怒られてしまうよ。

と、ジャケットの話から脱線してしまったが、メンズにおいてまだあまり市民権を得ていない母なる襟のないジャケット。

これを機に広まってほしいし、自分はこれからも集めていきたいのでもっといろんなブランドに作っていただきたいし、あと正式な呼び方もそろそろ知りたい。

そしてCHANEL様、どうかメンズサイズ作っていただけないであろうか……何卒よろしくお願い……

プロフィール
職業キクチを名乗る自由なファッションをたのしむ自由人。とにかくヴィジュで全ての気分をあげていくのがモットー。