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アメリカ人アーティスト、ケニー・シャーフ(Kenny Scharf)の約30年ぶりとなる新作個展「I’m Baaack」を草月会館とNANZUKA UNDERGROUNDの2会場で開催。

草月会館では、新作の立体彫刻作品のインスタレーションがイサムノグチ石庭に展示されるほか、1985年に行われた「アートインアクション」展でシャーフ自身がペイントと改造を施したキャデラック「夢の車」が38年ぶりに限定公開される予定。日本初公開となるインスタレーション作品も発表。

シャーフの作品は、カラフルな色彩と独自のキャラクターが特徴。「原始家族フリントストーン」や「宇宙家族ジェットソン」のファンであり、漫画アニメから自身のキャラクターの着想を得ている。シャーフの作品に登場するキャラクターは、宇宙人や巨大化した微生物、植物の妖怪のようにも見えるが、これらを自分自身や友人たちのメタファーとして捉え、怒りや喜び、眠気、空腹などの自然な感情を表現していると説明している。また、色彩は、さまざまな感情を表すとされており、作品の動きやスピード感は、生命感という重要な文脈を担っている。

展覧会のためにシャーフが描き上げた新作は、変幻自在に形を変え、飛び回ったり動き回ったりする表情豊かなキャラクターたちが登場。これらの作品は、良い意味でも悪い意味でも、私たち人間の自由な姿を連想させるものであり、完成した作品には「温暖化」、「見えぬ道筋」、「原告」、「医療システム整備」といった日本語のキーワードが散りばめられている。日本語の新聞からこれらのキーワードを収集し、現代の社会問題に関連付けて作品に取り入れたと述べている。若い頃にドラッグやエイズなどで多くの友人を失った経験を持ち、あらゆる社会の問題がシャーフの創作活動の背景にあると考えている。

今回のために、シャーフが30年ぶりの来日を果たす。本展覧会のレセプションは、6月9日(金)に、招待制にて、草月会館とNANZUKA UNDERGROUNDの2会場にて開催。また、6月10日(土)には、草月会館にて、シャーフと勅使河原季里によるトークも予定。

ケニー・シャーフ「I’m Baaack」
会期:6月10日(土)〜30日(金)
時間:火曜日〜木曜日11:00〜16:00、金曜日〜土曜日11:00〜17:00
休館日:日曜日、月曜日
会場:草月会館

会期:6月10日(土)〜7月9日(日)
休館日:月曜日、火曜日
会場:NANZUKA UNDERGROUND