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Where the runway meets the street

ブランド:FERRAGAMO(フェラガモ)

FERRAGAMOは2月25日(現地時間)、2023年秋冬コレクションを発表した。

昨シーズンからクリエイティブ・ディレクターを務め、同ブランドの新たなページを開いたマクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)が手がける2シーズン目となるコレクションは、「Cinema」がテーマ。 創業者、サルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の第二の故郷であるハリウッドに立ち返り、サルヴァトーレが 1950年代にともに仕事をしたスターたちのワードローブから着想を得た。

同ブランドは1930年代に映画用の靴を作り始め、1950年代にはソフィア・ローレン(Sophia Loren)やマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)ら映画スターとの関係を構築。「彼女たちの魅力と美しさ、そして着こなしを参考にしながらも、それをいかに現代的にアップデートするか、ということを考えた」とデイヴィスはコメントする。

コレクションでは、ミッドセンチュリーのシルエットを、デイヴィスの作品の特徴でもある緻密なラインで表現。ボールスカートはオプティックホワイトのナイロンで表現したほか、50年代のクチュールから引用したコクーンカットのディテールは、クロップド丈のボマージャケットやシャツに落とし込んだ。シャープでドラマチックなダブルフェイスのテーラーリングは、縮みを持たせたストレッチウールギャバジンやウエストを絞ったシルエットでモダンに昇華させた。

フェノール樹脂(ベークライト)製のジュエリーは透明な樹脂で再現。スウィングコートのワイドスカートやオフショルダーのカットも進化させた。鋭くカットしたスーツや、ジッパーを開けて色を見せるレザーウェアも登場。フロック加工を施したベルベットやコーティングされたメタリックデニムをはじめ、白いヴィスコースのタンクトップや、つま先が膨らんだブローグシューズなど、バイカーのワードローブのコードを散りばめたアイテムも目を引いた。

エキゾチックなプリントの数々はアーカイブから抜粋。わずかに歪ませながら、シアリングやレザー、ポニースキンのアクセサリーにスクリーンプリントした。1956年に18Kゴールドで製造されたシューズはスクエアなフォルムで再解釈。トップハンドルバッグのストラップにはツイストロープを配し、キーとなるディテールを通してアーカイブをよみがえらせた。1998年春夏コレクションのバッグは、シルエットや新しいプロポーション、ハードウェアとの組み合わせで刷新。「Wanda」バッグも様々な素材やカラーで登場した。

同ブランドのキーコードでもあるスカーフドレスは、コウモリの羽のようなスリーブや、ルネッサンス期のドレープのディテールで表現。ショー終盤にはラメのミニドレスやパテントレザーなどのルックが登場し、デイヴィスによる「真のモダニティ」が改めて証明されたコレクションとなった。