style
Where the runway meets the street

マクシミリアン・デイヴィスがクリエイティブ・ディレクターに就任し、初のコレクションとなる新生FERRAGAMOを、THE RAMPAGEの川村壱馬がまとう。ヴォーカリストとして、 また俳優としても人気グループを牽引する川村が抱えているものとは。

変化を求めながらも“自分”というDNAをキープし続ける若きアーティストと、100年近く培われたクラフツマンシップを継承しつつ、従来になかった前衛的で遊び心溢れるコレクションへと変貌を遂げたFERRAGAMOが相まみえる。自分らしさを限定しない、二つのクリエイティブの邂逅。

 

——新生FERRAGAMOの衣装を着用した感想をお聞かせください。

一番印象的だったのが、真っ白のブルゾン。今後やっていきたい音楽性や理想とするアーティストのイメージにぴったりでした。あとシルクのドレープがついたシャツとジャケットも神聖なムードですごく好きです。以前までのFERRAGAMOも好きですが、今回着させていただいた新コレクションはモードなムード全開で、すごくかっこよかったです。

——最近のラグジュアリーブランドに触れて、思うことはありますか?

これはラグジュアリーブランドに限ったことではないですが、アパレル業界自体が地球環境を配慮した物作りをしていますよね。世界的に人気のブランドが率先してサステナブルな活動をすることで多くの人が意識をすることになると思うので、素晴らしいなと思います。個人でできることは限られてしまいますが、自分も見習いたいです。

 

——歌手に興味を持ったきっかけはなんだったのですか?

中学2年生の時に、友人からBIGBANGさんのCDを借りたり、一緒にDVDを観たりするうちにめっちゃハマりました。でもその当時は歌手になりたいって思うよりも、単純に「かっこいいな」って思ったくらいです。 その後、全然弾けないですが、ギターに触れてみましたが、歌を歌うという考えはありませんでした。ただ物心がついた時から漠然と、将来はこの業界に入るんだろうなというのが頭の片隅に何となくありました。最初に想像した未来の自分は歌手ではなく俳優でした。

 

——でも、最初は歌手でしたね。

はい。小さい頃から歌が大好きというわけでもありませんでしたが、ある時、先ほどとは別の友人から当時EXILEさんの最新アルバムとドキュメントDVDを借りたんです。ヴォーカリストのATSUSHIさんやTAKAHIROさんのステージ上での姿に感銘を受けました。アーティストとしてはもちろん、人間としてもすごく尊敬できるといいますか。いつか自分もこんなふうに表現したいと思ったのが最初でした。

最初はカラオケで練習したりするくらいでしたが、一度「これ」と決めたらとことんやりきらないと気がすまないので、それからは真剣に取り組みました。

——とことんやりきる姿勢は、実生活でも表れていますね。決断をする時は誰かに相談はしましたか?

母に言いました。いつも自分が言うことを肯定してくれる人なので、「好きなようになんでもやれ。ただ頑張れ」っていう。それはすごくありがたかったです。

——ご自身の中でお母様の存在は大きいんですね。

そうですね。また、「しっかりやるからには、ちゃんと周りの人に感謝を伝えまくりなさい」とも言われたんです。最初は意味が分かりませんでしたが、スタッフさんや事務所の方など、周囲の人に対して感謝の気持ちを伝えるうちに、相手もすごく優しく接してくれるようになりましたし、 何より自分自身が変わっていくことを実感しました。

 

——紆余曲折を経て、現在のような一度決めたらそこへ向かってとことん邁進する、実直な人間性が形成されたわけですね。アーティストとしてのこだわりやあり方にも変化はありましたか?

やはりこういうお仕事ですので、自分自身が商品であることは理解していて自覚もありますが、その一方で、当たり前のことですが、ちゃんと血の通った人間であることも強く意識しています。喜怒哀楽があることでそれらを歌やラップ、お芝居を通じて表現することができるわけですから。 そういった意味では、事務所の先輩であるオミさん(三代目 J SOUL BROTHERS登坂広臣)をリスペクトしているんです。オミさんは、自分の信念みたいなものを強く持たれていて、周囲からの評価や声なども気にせず、とにかく「自分は自分」というマインドなんです。

そういう精神的な強さに触れることで、同じヴォーカリストとしてすごく勇気をもらっています。しかもどんな人に対してもすごく優しくて、アーティストとしてだけでなく、一人の人間としてもめっちゃ尊敬していますし、自分もそうありたいと思っています。

 

——ご自身にとって自分らしさとはなんですか?

「自分らしさ」を限定しないということですね。年齢を重ねて、感性がどんどん凝り固まっていると実感するときもありますが、なるべくフラットに物事を受け入れ、自分なりに咀嚼することだと思います。例えば性別や年齢、国籍、肌の色など、そういったことは一切関係なしに自分でちゃんと考えてジャッジすることだったり。そもそも、自分らしさって自分が決めることではなく、他人に委ねることだと思うんです。会う人によって川村壱馬らしさは異なるっていう。だからなるべく決めつけないということですかね。もちろん、それは自分のこだわりを持たないというわけではありませんが。

 

若き才能が牽引する新生FERRAGAMOは、アイコニックなエレガントレッドやクラシックなスタイルを踏襲しながらも、光沢のあるシルクのドレープアクセントやオールインベージュで仕上げるスーツルック、ストリートエッセンス満載のスポーツルックなど、若さと遊び心が溢れるコレクションとなっている。カリブ海にルーツを持ち、イギリス育ちのデイヴィスらしいモードな色使いとイタリアのメゾンが誇る素材の饗宴が、ファッションのネクストレベルを予感させる。

 

川村壱馬着用アイテム

 

新生FERRAGAMOにフィーチャーしたポップアップが伊勢丹新宿店メンズ館で開催。本ポップアップ限定のアイテムも発売される。

FERRAGAMO ISETAN MEN’S POP UP STORE 
会期:6月7日(水)~ 6月20日(火) 10:00~20:00
会場:伊勢丹新宿店メンズ館1階=ザ・ステージ1階(東京都新宿区新宿3-14-1)

 

インタビュー全文は、HIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE10に掲載。