life
Life beyond style

マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)にとって、この3年間はどれほど劇的なものであっただろうか。2021年、BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)のクリエイティブディレクターに就任した当初、彼の名前を知る者はほとんどいなかった。しかし今や、彼はCHANEL(シャネル)の新アーティスティック ディレクターである。

ファッション業界でここ数週間ささやかれていた噂がついに現実に。12月12日(木)、ブレイジーがBOTTEGA VENETAのクリエイティブディレクター職を退き、2025年からCHANELに加わることが決定した。

彼はCHANELのオートクチュール、プレタポルテ、アクセサリーのコレクション全てを担当することになる。

「彼はスタジオ、アトリエ、そしてメゾンダールとの継続的な対話を通じて、CHANELのコードとヘリテージを活かした活動を展開していくことでしょう」と、CHANELのファッション部門兼CHANEL SASプレジデント、ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)は声明で述べている。「彼の大胆な個性、革新的かつ力強いクリエイションへのアプローチ、そしてクラフツマンシップと美しいマテリアルへの献身は、CHANELを刺激的な新しい方向へと導くことでしょう」。

2024年6月にヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)がCHANELのクリエイティブディレクターを辞任して以来、空席となっていたそのポジションにブレイジーが就任。その辞任をめぐり業界内で飛び交っていた数々の噂も、これでようやく終止符が打たれた。

6月以降、CHANELの最高職の候補には、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)、エディ・スリマン(Hedi Slimane)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)、グレース・ウェールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)といったファッション界の名だたるクリエイティブディレクター達の名前が挙がっていた。ほかにも候補者を挙げればきりがないが、最終的にこの名誉ある役職に就いたのはブレイジーだった。

さらに、同じく12月12日(木)に確認された情報によると、ブレイジーの後任には、同日付でCARVEN(カルヴェン)を離れたルイーズ・トロッター(Louise Trotter)が就任することが決定した。(正直、目まぐるしい展開だ)。

「卓越したデザインと崇高なクラフツマンシップを完璧に融合させる彼女の美学、そして文化的な擁護に対するコミットメントは、私達のブランドヴィジョンとこよなく一致しています」と、BOTTEGA VENETAのCEO、バルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone)はトロッターについて述べている。「彼女の洗練された視点を通じて、BOTTEGA VENETAはそのヘリテージを礼賛しつつ、現代的な結びつきを維持し続けるでしょう」。

このニュースは、ジョン・ガリアーノがMaison Margiela(メゾン マルジェラ)を去った翌日に発表されたばかりのもの。ファッション業界におけるクリエイティブディレクターの覇権争いは、年末に向けて大きな話題を呼んでいる。