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Where the runway meets the street

ロンドンのメンズファッションブランド「NICHOLAS DALEY(ニコラス・デイリー)」は、アフリカ系アメリカ人ジャズグループ「Sun Ra Arkestra」のLP「Astro Black」から着想を得た同名の2020年春夏コレクションを発表した。

Sun Ra Arkestraはフリージャズの流れをリードするだけでなく、当時の音楽業界を取り巻く状況に対して異議を唱える存在だった。黒人の市民権獲得に向け声を上げ、強い影響力を持っていた。コレクションでは同グループの音色から、配色やテクスチャー、シルエットをデザイン。

当時のジャズシーンが引き起こしたムーブメントの力強さを、イラストレーターのガウラブ・タカリ(Gaurab Thakali)によるオリジナルのタイポグラフィ、Studio Tilly Mintが手がけた美しいプリントなどの現代的な手法で表現した。

Filmed and edited by Amy Douglas-Morris and Mathias Karl Gontard

今シーズンもイギリスの伝統技術にフォーカスし、国内の織物職人と協業してオリジナルの生地を制作。シグネチャーのピンストライプと大判のチェック柄はアイルランドのデザインショップ「Emblem Weavers」が生産、ビスポークのジャガード生地はサドベリーで1740年から続くメーカー「Vanners」が手掛けた。

ノーザンプトンのシューズブランド「Tricker’s(トリッカーズ)」とのコラボレーションも継続され、クラシックなローファーにコマンドソールをあしらった、ユニークなスタイルを発表。イギリス最古の帽子ブランドの一つとして知られる「Christys’(クリスティーズ)」とは、デニム、アイリッシュリネンを使ったオーバーサイズのベーカーボーイハットをカスタムメイク。国外のクラフツマンシップにも注目し、京都を拠点とする手染め職人にタイダイ染めを依頼した。

「Fred Perry(フレッドペリー)」とのコラボレーションでは、クラシックなMonkey Bootをコントラストのあるスエードとレザーを組み合わせ、Barrel Bagは新たな配色とディティールに再構築した。