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From the ground up

素材や製作工程の実直さに、アーティストの感性がバランスよく配合されたプロダクト――ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト、トム・サックス(Tom Sachs)がNike(ナイキ)と組み発表する新作コレクションは今回も、ファッション性だけでなく、多様な機能性を盛り込んでいる。

4月27日(土)から順次発売するシューズ「ナイキ マーズ ヤード オーバーシュー」と、ウェストパックのような見た目から「変身」するポンチョ「ナイキ×トム・サックス ポンチョ」は、サックスの他のプロダクトと同様、「ニューヨークの悪天候下で濡れて冷えてしまう」などのシンプルな理由に端を発し、質問と回答、試行錯誤の繰り返しを経て生まれた商品だ。

サックスが初めて手がけたNikeのプロダクトは、2012年に発表された。以降、自身の興味のある分野について疑問を明らかにし、機能性の限界を押し破ることで、サックスのフットウェアは拡大していく。サックス自身が新たな切り口を見つけ、Nikeのソリューション開発にも新しい視点を盛り込んできたことから、両者は「フィフティ・フィフティの関係で成り立っている」と同社。

サックスも「Nike的な方法でものづくりをする時には、大量生産にも対応しなくてはいけません。アーティストとして、Nikeが私に与えてくれた最高のことは、私のクリエイティブプロセスを拡張する能力」などと、大きな価値を見いだしている。最初に作った「マーズ ヤード シューズ」が、過度な使用に耐えられないことが分かり、サックスのニューヨークのスタジオがNike史上初の「都会の摩耗試験センター」となったこともある。

この「摩耗試験」は、2017年発売の「ナイキクラフト マーズヤード 2.0」の開発につながる。初代で使ったヴェクトラン素材のアッパーに代わり、ポリエステルを縦に編んだトリコットメッシュを採用、都会向けにアウトソールのパターンも逆にして悪条件への適合を実現したのだ。最新プロジェクトとなる「ナイキ マーズ ヤード オーバーシュー」も、「このプロセスの延長線上にある」という。

悪天候で濡れて冷たくなる足へのフラストレーションに対応するため、ボートのロープや帆に使われている強力な繊維「ダイニーマ」素材を用いたほか、悪天候から足元を守る防備オーバーシューは、巻いて下にすることで内部の温度上昇にも耐える構造。アウトソールの接地面に小さな切り込みを入れた新しいソールのパターンも採用した。

新たにデザインした「ナイキ×トム・サックス ポンチョ」も、ファッションとしてシックな仕上がりながら、機能的だ。一見、ウェストパックにも見える同商品は、フロント部分の「安全ボタン」を解除して色が付いたコードを引くと、雨風を遮るポンチョがパラシュートのように開く仕組みになっている。開かれたポンチョを前から後ろに向けて被り、脇のスナップを止めれば、悪天候の中でもより安心だ。詳細はこちらのムービーをチェック。

「ナイキ マーズ ヤード オーバーシュー」と「ナイキ×トム・サックス ポンチョ」、「ナイキ×トム・サックス ビーニー」は4月27日(土)から、NIKE.COM/NIKELAB、SNKRS、NIKELAB MA5、DSM GINZAで順次発売予定(日本未展開商品を含む)。

ナイキ マーズ ヤード オーバーシュー
価格:59,400円(税込)

ナイキ×トム・サックス ポンチョ
価格:54,000円(税込)

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