ピーター・フィリップスが語る
DIOR MENのコレクションメイク
2018年11月30日(金)、DIOR(ディオール)がメンズ初となるプレフォールコレクションを東京で発表したのは記憶に新しいだろう。国内は勿論、海外からも数多くの豪華なセレブ達が集結し、華やかな一夜となった。メンズ アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズが、大好きだと自負する日本からインスピレーションを受けて造られたその空間は、正に圧巻だった。そして、闊歩するモデル達に“近未来的要素”を加え、より一層全体のムードを盛り上げたのが、メイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクターのピーター・フィリップス(PETER PHILIPS)だ。今回我々が潜入したのは、ショーが始まる直前のバックステージ。独特の緊張感と少し慌ただしさが漂う雰囲気の中で直接、ピーターにメイクのポイントなどについて聞くことが出来た。
キム・ジョーンズとはどのようなプロセスを経て、このメイクを作り出したのでしょうか?
キム・ジョーンズ(KIM JONES)からDIORのロゴについて話があったのが約6週間前くらいです。我々の方でメイクアップのパッケージに使用していたシルバー系の素材が既にあるのですが、彼から新しいDIORのロゴを見せてもらった時に、フィーチャリスティックかつサイバーチックなイメージにしたかったので「これは使えるじゃないか!」と思いつきました。実はこれは、シリコン製が何層にもなっているので、カラーを付けることが出来るんです。元々シルバー、ウェアにもメタリックな素材が採用されているので少し色彩が入っていたり、そのロゴ自体を引き延ばしたり、アレンジを加えたりしてモデルの首の後ろや手に付けています。実際にメイクでフューチャリスティックな表現は出来たのですが、ちょっと劇場型になりすぎてフェイクな感じになってしまうと思いました。なので、あえて人間らしいナチュラルなメイクにメタリック調のアイテムを付け足すのが、良いと思ったんです。このロゴをキムに見せたら一発OKで、凄く気に入ってもらえたので、これを使うことになりました。モデル全員の首の後ろに付いているのですが、DIORのウェアを着飾った中で、まるでラベルやバーコードが付いているかのような、製品の一部みたいになっています。ジュエリーを手掛けるYOONがデザインしたアクセサリーとも連携し、メタリック調のバッグを持つ手から繋がっているかのようなイメージになっていますので、そこにも注目して頂けたら嬉しいです。
現在、メンズメイクが盛り上がっていますが、その背景には何があると思われますか?
今はSNSの時代です。ミュージックバンド、インフルエンサー、映画などで男性がメイクをしている姿が一般的になり、男性がメイクをするという状況が受け入れられやすい環境になっています。これは男性用、女性用と分けるのではなく、男性が女性のメイク道具を使うこともあるだろうし、女性はあえてマスキュリンに見せたり、男性はフェミニンに見せたりなど、様々な使い方があると思うんです。メイクだけではなくて、例えばジムに行って体を整えたり、ヘアを整えたりするような自然な流れで、メイクに移行したのだと思っています。メイクも自分を表現する一つの手段だと思います。
ショーのメイクのポイントを教えて下さい。
ナチュラルビューティーがテーマだったので、素肌感を大事にしました。ディオール バックステージ フェイス&ボディ ファンデーションを塗る前に、彼らはシェービングをしているので、ディオール オム ダーモ システムのシリーズからエマルジョンなどを使って、まず肌を整えました。リップは、ディオール アディクト スクラブ&バームで整えて、眉毛を少し強調させたり、長めに足しました。テクスチャーに関しては、パワフルに魅せるというよりもナチュラル感を大事にしているので、マットすぎたり艶感を出しすぎないようにしました。
男性の方が初めてDIORのアイテムを使用する際は何をお勧めしますか?
今まで簡単な洗顔しかしてこなかった人が、ワンステップ上げたいということであれば、顔を洗った後にクリームなどを使用するだけで、今まで気が付かなかった心地良さに気付けると思いますし、ラグジュアリーな気持ちにもなるので、是非挑戦して頂きたいです。ディオール バックステージ フェイス&ボディ ファンデーションは、非常に軽やかな付け心地ですし、付け方も簡単なのでまずはこれらをお勧めします。艶感を出したいのであれば、カプチュール ドリームスキン モイスト クッションは旅先にも持っていけますし、気軽に始められるのでこちらもお勧めします。
- Photography: Lorenzo Dalbosco for Christian Dior Parfums