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Life beyond style

六本木アートナイト2019 メインビジュアル

国内外のアーティストやパフォーマーらが六本木各所で一夜限りのアート企画を繰り広げる複合アートイベント「六本木アートナイト2019」が、5月25日(土)~26日(日)にかけて開催される。

 

東京都やアーツカウンシル東京、港区をはじめ、国立新美術館サントリー美術館東京ミッドタウン森美術館などから成る実行委員会が主催する「六本木アートナイト」は、今年で10回目。

 

東京のまちづくりの先駆的なモデル創出を目的に開き、商業施設や文化施設が集積する六本木を舞台に、アート作品のほか、デザイン、音楽、映像、パフォーマンスなどを「点在」させ、非日常的な体験を提案してきた。

 

今年のテーマは「夜の旅、昼の夢」。アジアの現代アート界を代表する一人で韓国の現代アーティスト、チェ・ジョンファをはじめ、多彩なアーティストの作品や体験・参加型プログラムなどが、六本木の街の至る所で、夜を通して展開される。注目のプログラムをピックアップしながら、アートな一夜を徹底ガイド。

 

◆「バルーン」フルーツも出現 会場彩るメインプログラム

今年のメインプログラムを飾るチェ・ジョンファは、「ヴェネチア・ビエンナーレ2005」で韓国館の代表に選ばれ、各国の芸術祭に参加。2018年平昌五輪・パラリンピック冬季競技大会では、開会式・閉会式のアートディレクターも務める人気現代アーティスト。六本木アートナイトには2010年と2016年にも参加し、今回は彫刻からワークショップまで多彩な企画を展開する。

六本木ヒルズ「フルーツ・ツリー」

六本木ヒルズアリーナ 完成イメージ

六本木ヒルズアリーナには、「フルーツ・ツリー」と題したバルーン彫刻を出現させる。果物や野菜をカラフルなバルーンで表現し、鮮やかに空間を彩るほか、枝から落ちたような果物や野菜もアリーナに配置。合成ビニール製の彫刻が、自然界と人工物それぞれの美しさを表す。

日時:5月25日(土)17:30~5月26日(日)6:00、11:00~18:00
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

六本木ヒルズ チェ・ジョンファ×南條史生「アーティスト・トーク」

メインプログラムを手掛けるチェ・ジョンファと、実行委員長で森美術館館長の南條史生がトークを繰り広げる。

日時:5月25日(土)21:00~21:30
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

東京ミッドタウン 「ライフ・ライフ」

東京ミッドタウンには、約1万個の「くねくねバルーン」が巨大な色彩の塊となり空間に飛び出す「ライフ・ライフ」を展示。アメリカで1960年代に注目されたポップアートに着想を得て、日常に溢れたカラフルなオブジェクトを素材に用いてきたチェ・ジョンファらしい作品となっている同作。人生やその豊かさを謳歌し、子供の頃の楽しい思い出も想起させる一方で、過剰な消費で支えられモノに溢れた現代社会のライフスタイルにも意識を向けさせる。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:東京ミッドタウン プラザ1階キャノピー・スクエア
参加料:無料

 

国立新美術館、TRI-SEVEN ROPPONGI 「みんなで集めよう」

プラスチック製の大量生産品や一般の台所用品の中に美しさを見出し、質素な素材をアートに作り変えてきたチェ・ジョンファ。「みんなで集めよう」と題したこの企画は、コミュニティをベースにしたアートプロジェクトとなる。参加者の自宅から寄付してもらうプラスチック製のカゴや皿、鍋などを、土台に設置された棒に通して積み重ね、抽象的な彫刻や寺院の柱のように見える作品を制作する。鮮やかな色と個性のあるフォルムが、国立新美術館・正門チケットブースの横などを飾る。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:国立新美術館、TRI-SEVEN ROPPONGI 龍土町美術館通り沿いブルーボトルコーヒー前
参加料:無料

 

国内外アーティストらが手掛ける日本初上陸プロジェクト

米国人アーティストによりこれまで世界各国で展開されてきたプロジェクトと、昨年パリで注目を集めた日本発のプロジェクト。共に「日本初上陸」となる2企画も、アートナイトを楽しむ注目のプログラム。

 

RedBall Project(レッドボール・プロジェクト)

Photo: Kurt Perschke シカゴでの展示風景

アメリカ人アーティスト、カート・パーシキーによる周遊型パブリックアート「レッドボール・プロジェクト」は、これまで32都市で展開され、六本木アートナイトで日本初上陸を果たす。ゴムボールでできたこの巨大な「赤玉」が、場所から場所へと連日移動を繰り返し、六本木の街なかを1週間にわたって巡回。固定・静止・永久性など、通常のパブリックアートの枠組みからユーモラスにはみ出す赤玉は、絶え間ない動きで街の「地図」を描き直し、都市への視点を拡張させる。

日時:5月20日(月)~5月26日(日)
場所:六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館、その他(1日1カ所、計7カ所を予定、荒天の場合は中止の可能性あり)
参加料:無料

 

FUROSHIKI TOKYO

Photo: Takuji Shimmura

昨年、都とパリ市の文化交流事業「パリ東京文化タンデム2018」の一環として、アートディレクターに気鋭の建築家・田根剛を迎え、パリで開かれたイベント「FUROSHIKI PARIS」。日仏のアーティストらがデザインした風呂敷は今回が日本初公開となる。会場には、唐草模様の「風呂敷パビリオン」にオリジナル風呂敷が登場。インスタレーションを通じ、風呂敷の魅力を発信する「FUROSHIKI PARIS」報告展を行う。

 

参加アーティスト:北野武、草間彌生、コンスタンス・ギセ、ジャンポール・ゴルチエ、ニコラ・ビュフ、蜷川実花、細川護熙ほか(五十音順)

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ 毛利庭園 ヒルサイド側(六本木ヒルズアリーナ横)
参加料:無料

 

 

◆公募採択プログラムも多数 六本木ヒルズの注目作品

六本木アートナイトの中でも、2015年に始まった公募プロジェクトに採択されたプログラムを含む、多彩なアーティストによる幅広い作品が所々に点在するのが「六本木ヒルズ」だ。30を超えるアーティストが参加し、インスタレーションやオブジェ、ステージなどのプログラムを展開する。中でも注目の作品をピックアップ。

 

チーウェイ・チョアン「暗闇の中の虹」

観客参加型の屋外インスタレーション。鑑賞者はガラスキューブの表面を覆う黒い塗料を削ることで、作品に絵やメッセージを書き残すことができる。夜になると、作品内部のLEDが明るい虹色の光を放ち、描かれたグラフィティが輝くように浮かび上がる。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ ノースタワー前
参加料:無料

 

志茂 浩和「囚われる人」

街なかにある自販機の間に、紛れ込むように配置されている志茂浩和の作品「囚われる人」。「機械に閉じ込められ、足掻き苦しむ人々」などゾッとする姿が突然目の前に現れる? 六本木アートナイトの期間中、「自動販売機で飲み物を購入するときには気を付けてください」と主催者側も注意を喚起。無機質な経済活動ともいえる自販機に拘束された人々のイメージに、現代社会の人間の在り方が映し出される。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ ノースタワー前ほか
参加料:無料

©︎Hiroyasu shimo

 

大村 雪乃+松田 暁+堀 和紀「唄う蜘蛛の巣」

毛糸で作られた、手編みのクモの巣のオブジェは、観客が触れるとクラシック音楽を奏でるようにプログラムされている、インタラクティブなサウンド・アートの側面も持つ。触れる箇所によって聴こえる楽器の音が変わり、美しい合奏を聴くためには、より多くの鑑賞者が作品に接しなくてはいけないという。オーケストラの合奏を奏でようと奮闘する姿が、クモの巣に捕まり、必死にもがく人のようにも見える作品。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場 所:六本木ヒルズ ウェストウォーク2階
参加料:無料

 

福澤 貴之+諸星 智也+油井 俊哉「エスカレーターミュージアム」

話題の展覧会や人気作品を鑑賞する際に、鑑賞者が平等にゆっくりと楽しむことができない問題に焦点を当て、鑑賞者が展示空間を「公平」に巡回することを目的とした新しい様式の「美術館」。街なかにある自動移動装置であるエスカレーターと、その脇の空きスペースに着目し、既存の動力を利用して自動鑑賞できる新たな試みだ。初展示となる今回は、坂道を活かし、「重力と戯れる」リンゴの様々な姿を表現する。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ メトロハット エスカレーター
参加料:無料

 

オレカTX「巨人のオモチャの音楽会」

スペイン・バスク地方の伝統打楽器「チャラパルタ」を演奏するグループ「オレカTX」が、「巨人のオモチャ」をコンセプトにしたステージを披露。2体の巨人が、オレカTX扮する「操り人形」を使ってチャラパルタを叩き、「起き上がり小法師」が揺れ動きながら角笛を奏で、「スノードーム」の中からは弦楽器の調べが響き渡る。演奏に合わせてパフォーマーも登場し、スケール感のあるファンタジーの世界が繰り広げられる。

日時:①5月25日(土)18:30~19:00、②5月26日(日)17:30~18:00
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

鈴木 ユキオ「堆積 – Accumulations」

ノーベル文学賞受賞作家スベトラーナ・アレクシエービッチの「チェルノブイリの祈り――未来の物語」をもとに、淡々と踊り続けるダンサーが織りなす、静謐でゆがみ続ける空間。人間の無邪気さと愚かさ、命のたくましさと尊さが、積み重なる時間の中で静かに浮かび上がる。国内外で実験的な試みなどが注目を集める振付家・鈴木ユキオが、「生きること」に真摯に向き合うダンス作品。

日時:①5月25日(土)23:30~23:50、②5月26日(日)1:30~1:50
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

VIKI「Spin a Memories.」

全国から集めた大量のレシートのキャンバスが登場。「記憶のリサイクル」をテーマに、アイロンやコテの熱を与えて絵を描く独自の画法「レシートアート」でライブペイントを行う。レシートで時代と人々を紡ぎ、消費社会への問いかけを喚起させる。

日時:5月25(土)19:00~5月26日(日)5:00
※パフォーマンス時間内に途中休憩時間あり
※パフォーマンス終了後も5月26日(日)18:00まで展示

場所:六本木ヒルズ ウェストウォーク2階
参加料:無料

 

セドリック・ル・ボルニュ「欲望と脅威」

フランス在住のアーティスト、セドリック・ル・ボルニュは、編み込まれたワイヤーを用いて、人間・鳥・海洋生物の立体作品を制作している。屋根の上や空中高くに現れる作品は、強い光に照らされることで、ありふれた公共空間を詩的な情景に作り変える。アートナイトには3羽の鳥が出現。「儚い存在感」を通して、夢のような都市景観を生み出す。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ66プラザ、六本木ヒルズ毛利庭園
参加料:無料

 

林 剛人丸「GO FLIGHT AIRSHIP」

飛行をテーマにした作品を手掛けてきたアーティスト林剛人丸。アートナイトでは全長6メートルの飛行船を制作。気体の入るエンベロープに青空の画像を投影し、吹き抜け空間に浮かぶ飛行船が、感情を映し出す浮遊型のスクリーンになる。

日時:5月25日(土)11:00~5月26日(日)6:00、11:00~18:00
場所:六本木ヒルズ けやき坂コンプレックス地下1階
参加料:無料

 

大西 康明「Circulation」

見えない空間の流れやスケールを可視化するような彫刻作品を制作してきた大西康明が、アートナイトのために制作した同作。大きな空間に、皺加工された透明なポリエチレンの膜が何枚も吊り下げられ、鑑賞者の動きや空間を吹き抜ける風に反応。揺れ動きながらさまざまな表情を見せる。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ ウェストウォーク2F
参加料:無料

 

トロマラマ「ザー・ザー・ズー」

インドネシアの3人組アーティスト・ユニット、トロマラマが、同国のインディーズバンド

RNRMのために、膨大な数のボタンとビーズをコマ撮りして制作したアニメーション・ミュージックビデオを公開。日用品を使った色鮮やかで軽快な映像が、小さな驚きをもたらす。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ ウェストウォーク2階
参加料:無料

 

西原 尚「おひまち」

66プラザに突如樹立された竹の楽器「おひまち」が、電動式の鞴(ふいご)により和音を鳴らす。さまざまな民族楽器をモチーフに作品を制作してきたアーティスト西原尚による作品で、タイトルは田植えや稲刈りが終わった後に、日の出を待ちながら宴を行う日本各地の祭り「御日待(おひまち)」に由来する。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木ヒルズ 66プラザほか(予定)
参加料:無料

 

高山 明「マクドナルド放送大学」

高山明は、劇場を使った演劇の枠組みから、現実の都市空間を劇場と捉えることで演劇の概念を拡張してきた演劇ディレクター・アーティスト。独フランクフルトで初演された同作は、ヨーロッパ各地にあるマクドナルドが移民の避難場所のような場所として機能していることに着想を得て制作。世界各地から移民や難民として逃れてきた人々がプロジェクトの「教授」となり、マクドナルドに訪れた観客にラジオを通じて彼らの専門分野について講義を行う。

日時:5月25日(土)20:00~5月26日(日)10:00
場所:マクドナルド六本木ヒルズ店

 

和田 永 + Nicos Orchest-Lab「エレクトロニコス・ファンタスティコス」

ブラウン管テレビ、バーコードリーダーなどの電化製品を「電磁民族楽器」へと「転生」させ、アンサンブルを繰り広げる。ブラウン管の静電気やレーザーのスキャンを通して「模様が音になる」電気的な仕組みを応用した新作パフォーマンスを披露する。

日時:5月25日(土)19:40~20:00
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

近藤 良平とその仲間たち「六本木夜舞場 Vol.7 (真夜中の盆踊り)」

今年も深夜に突如、踊り舞台が出現。コンドルズを主宰する振付家・ダンサーの近藤良平を音頭取りに、熱く静かに真夜中の盆踊り。踊らにゃ損損!

日時:5月26日(日)3:00~3:20
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

日本フィルハーモニー交響楽団×インビジブル「クラシックなラジオ体操」

毎年好評を博す「クラシックなラジオ体操」が今年も登場。クラシック音楽と、新たな気持ちで一日をスタートさせるためのラジオ体操の音楽を、日本フィルハーモニー交響楽団が生演奏。クラシック音楽と共に朝を迎え、ラジオ体操で身体を動かし、身も心も健やかな朝を迎えられる。

日時:5月26(日)5:30~6:00
場所:六本木ヒルズアリーナ
参加料:無料

 

六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー オールナイト開館

六本木ヒルズ森タワー52階「東京シティビュー」の屋内展望台(海抜250メートル)を、オールナイトで開館。普段は見ることができない夜更けから日の出までの幻想的な朝焼けや、東京の街の表情の変化が楽しめる。

開館時間:平日・休日10:00~23:00(最終入場は1時間前、金・土・休前日は25:00まで、最終入場24:00)
※「六本木アートナイト 2019」開催に伴い、5月25日(土)10:00~翌6:00まで開館延長
場所:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
入館料:一般1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳~中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円

 

「PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス」

「The Science Behind PIXAR」と題して2015年にボストンサイエンスミュージアムで初開催され、その後アメリカとカナダで累計150万人以上(計8カ所)を動員した展覧会。実際のアニメーション制作の鍵となる8つの工程を通して、PIXARアニメーションを支える科学について学べるハンズオン展示。PIXARアニメーションの人気キャラクターを通して専門的な知識や技術を体験できる。

開館時間:10:00~22:00(最終入場は21:30)
※「六本木アートナイト 2019」開催に伴い、5月25日(土)は翌6:00まで開館延長
場所:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
入館料:一般1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳~中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円

 

アートナイトのヒストリー振り返りも カフェでも企画多彩に

「ROPPONGI ART NIGHT CAFE(アートナイトカフェ)」(Supported by Seibu & Sogo)の今年は、過去開催時の代表的なプログラムや名シーンを振り返る「六本木アートナイトヒストリー展」や、昨年好評だった「アール・ブリュット展」2019年バージョンなどを展開予定。各プログラムとも、場所は六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペース。日時は5月25日(土)10:00~5月26日(日)5:00、11:00~18:00。

 

「表現する歓び」アール・ブリュットの先駆者達 Paleo〜Neo

日本でまだアール・ブリュット、アウトサイダーアートという言葉が使われ始める何十年も前に、「八幡学園」などの児童保護施設や、「東京足立病院」「平川病院」といった一部の精神病院では創作活動が行われていた。誰のためでもなく、純粋に自分が生きるために制作する作家たち。今は亡き作家達と、今を生きる作家達の「表現する歓び」に心を寄せ、時空を超えた語らいを呼び掛ける。

 

六本木アートナイトヒストリー展

2009年3月28日(土)、現代美術作家ヤノベケンジの巨大人形「ジャイアント・トらやん」が大観衆の前で火を噴き度肝を抜いたところから始まった六本木アートナイトの歴史。以来、草間彌生、日比野克彦、名和晃平、蜷川実花ら、名だたるアーティストで彩られたヒストリーを紹介する。

 

ナウィン・ラワンチャイクン「OKのまつり2019」

2017年に六本木西公園で開催され人気を博したナウィン・ラワンチャイクンによる「OKのまつり」が、六本木アートナイトに帰ってくる。映像作品「六本木物語」の上映をはじめ、トークイベントでは「六本木物語」に託された未来へのメッセージについて、アーティストが映像に出演した地元の方々と語らう。「OKサルサ」のダンスパーティーも(日時:①5月25日(土)19:30〜21:00、②5月26日(日)12:00〜13:30)

 

東京ミッドタウンにも国内外作品が集積 注目プログラム10選

会期中は、東京ミッドタウンでも、20人以上の国内外アーティストによる幅広い注目の作品が目白押しだ。ハイスノバイエティ読者にお薦めの10プログラムは以下をチェック。

 

武内 満「リップル」

アーティスト・プログラマー・エンジニアである武内満。光を媒体としたプロジェクトを多く手掛け、これまでイルミネーション・イベントや音楽のライブコンサートなどで作品を発表してきた。同作では、レーザー光線を透明なオブジェクトに当てることで柔らかい光に変容させ、ゆったりと揺らめく波紋のように演出する。東京ミッドタウン・プラザエリアに、光の模様が万華鏡のように広がる。

 

日時:5月25日(土)19:00~5月26日(日)5:00
場所:東京ミッドタウン プラザ1階
参加料:無料

 

監督:バンクシー「アートシネマ」

アーティスト、バンクシーによる初監督作品「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を、野外映画館に「変身」した芝生広場で上映。映像は、ビデオ撮影が趣味の男ティエリー・グエッタが、様々なグラフィティ・アーティストの素顔を撮影するうちに、念願だった伝説のアーティスト、バンクシーとの接触に成功したことをきっかけに進んでいく。アートの知識や技術もないティエリーが、バンクシーによってアーティスト「ミスター・ブレインウォッシュ」に仕立て上げられ、ついには個展を開くことに。全ては仕組まれたことなのか、リアルなドキュメンタリーなのか――。

 

日時:5月25日(土)19:00~20:30
場所:東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン 芝生広場
参加料:無料(定員700人、定員に達した場合は入場制限あり、雨天決行・荒天中止)
企画・協力:ねぶくろシネマ

 

スプツニ子!+西澤 知美「東京減点女子医大」

大学医学部の一般入試で女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが発覚した昨年。日本の女性差別の問題も背景にあるとされる中で、「東京減点女子医大(Tokyo Medical University for Rejected Women)」と名付けた架空の大学を設立。アートナイトでは、その学校の様子を、作品として展示する。

日時:5月25日(土)10:00〜5月26日(日)5:00、10:00〜18:00
パフォーマンス:5月25日(土)21:30~23:00
場所:東京ミッドタウン プラザ地下1階
参加料:無料

 

enra「Hora」

映像とライブパフォーマンスが融合するパフォーマンスカンパニー「enra」。スクリーンに

映し出される映像と、ダンスやアクションなどの身体表現がシンクロする自由な表現が魅力の同カンパニーが、観客の想像を、空間・重力や速度など物理的な制約から解き放つ。

日時:5月25日(土)22:30~23:00(予定)
場所:東京ミッドタウン ガレリア地下1階アトリウム
参加料:無料

 

青沼 優介Street Art Performances「意図をほぐす ワークショップ」

デザインされたものと、その意図の関係を問う作品「意図をほぐす」の制作過程を体感するワークショップ。ある形を、伝言ゲームのようにたくさんの人で写し描きし続け、形という「糸」をほどいていく。「意図」から離れ、自然的な物体へと変貌していく過程や手法が体感できる。

日時:5月25日(土)19:30~5月26日(日)4:30(材料が無くなり次第終了)
場所:東京ミッドタウン プラザ地下1階 メトロアベニュー
参加料:無料

 

高瑞Street Art Performances「”Stand Up!” パフォーマンス」

一般的に流通している座った犬の置物たちを組み立て直し、立ち上がらせる作品“Stand Up!”などで、自由や命のきらめきを表現する作者。自身も着ぐるみをまとい、気持ちの赴くま

まに行動するパフォーマンスを通して、夢の世界への渇望を表現する。

日時:5月25日(土)19:30〜5月26日(日)4:30
場所:東京ミッドタウン プラザ地下1階メトロアベニュー
参加料:無料

 

 

田中 優菜Street Art Performances「出る杭だって生きている ワークショップ」

展示中の作品「出る杭だって生きている」に、紙に書いた「自分の頑張っていること・目

標」を飾るワークショップ。ことわざ「出る杭は打たれる」のように、夢や目標を持ち、時に「出る杭」となり世間から叩かれてもなお、前を向く意志や、負けずに生きる人の姿を表現。モグラ叩きをモチーフに、叩かれても負けずに生きる全ての人の姿を表わす。

日時:5月25日(土)19:30〜5月26日(日)4:30
場 所:東京ミッドタウン プラザ地下1階メトロアベニュー
参加料:無料 ※材料が無くなり次第終了

 

YU SORA Street Art Performances「私たちの住んでいる家」

日常を見つめなおす作品「普通の日」を展示中の作者によるワークショップを行う。参加者が自らの日常生活の場所を振り返り、住んでいる部屋の間取り図を参加者それぞれに描き出す中、普段の生活の中で見ているからこそ、分からなくなってしまうこともある。じっくり考えて描いたり、家族で話し合いながら描いたりするなど、いつもの生活している場所の見方を変える。

場所:東京ミッドタウン プラザ地下1階 メトロアベニュー(材料がなくなり次第終了
参加料:無料

 

石山 和広「絵画からはなれて[磊](らい)」

東京ミッドタウンの20番目となるパブリックアート「絵画からはなれて[磊]」が登場。照明にもこだわった新しいパブリックアートを展開。

日時:5月25日(土)10:00~22:00、5月26日(日)10:00~18:00
場所:東京ミッドタウン ミッドタウン・タワー地下1階
参加料:無料

 

川村 真司「六本のアートの木#1「木の木」」

ウェブマガジン六本木未来会議(6mirai.tokyo-midtown.com)による、六本木に6本のアートの木を植える「六本のアートの木」プロジェクト。1本目の木はクリエイター川村真司さん考案の、「本日」を起用した「木の木」だ。木という文字を体で表現して一緒に写真できる。

日時: 5月25日(土)10:00~21:00、5月26日(日) 10:00~18:00
場所:東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン

 

 

街中にも飛び出すアート作品 全プログラム

神社や公園、ビルの一角など、アート作品は街なかにも。公募採択プログラム「オープンコール・プロジェクト」の作品も含め、全プログラムをラインナップ。

 

野村 律子「記憶のトレース」

夜間はビデオインスタレーション、昼間は観客参加型インスタレーションとなる同作。観客は、願いの書かれた紙を神社に設置された結び所におみくじのように結び、その様子を常にタイムラプス撮影。夜になると撮影した映像を同じ場所にプロジェクションし、昼間の観客は夜の作品の一部となる。昼間に結ばれた無数の紙には、それらを結んだ参加者の姿が重なって映り、日常に残された物の記憶の痕跡がたどれる。

日時:5月25日(土)10:00~17:00
参加型インスタレーション&タイムラプス撮影:5月25日(土)10:00~17:00
ビデオインスタレーション展示:5月25日(土)18:00~5月26日(日)5:00
場所:天祖神社
参加料:無料

 

津田 翔平「KYO-ZO」

かつてレストランとして使われていた「第一レーヌビル」1階の空間が舞台。真っ暗な部屋には設置された装置から無数の赤いレーザー光線と音像が垂直・水平に放射され、か日常の残像をスキャンするように、壁面や残された家具の表面をゆっくりと移動していく。過去の実体を探求することで、現在の建築空間を変容させる「実験的」行為。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:第一レーヌビル1階
参加料:無料

 

青崎 伸孝「スマイリー・バッグ・ポートレート」

ニューヨークを拠点に活動する青崎は、街で見つけたものや見知らぬ人々とのな何気ない交流を通じて、ユーモラスなパフォーマンスを発表。「スマイリー・バッグ・ポートレート」では、アメリカの食料品店で広く利用されているスマイリーフェイスのレジ袋に、通行人

の似顔絵を描く。参加者はその場でモデルとなり、完成した似顔絵を持ち帰ることができる。会場では、六本木商店街やアートナイトスタッフ、ニューヨークの知人の似顔絵を描いたレジ袋を使ったインスタレーションを常時展示。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:ラピロス六本木
参加料:無料

 

角文平「スリープ」

グローブ・ジャングル、三輪車、砂の城をモチーフとした屋外インスタレーション。各オ

ブジェから伸びる無数の白いバルーンが、無機質な遊具が静かに呼吸をするように膨張収縮し、同調し光もゆったりとしたリズムで明滅を繰り返す。どこからかわずかに聞こえるピアノの曲と、昼間の公園の音は、子供たちの存在と生命感を象徴。少子化問題や子供の遊びの変化によって変わりゆく公園の姿を暗示する。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:六本木西公園(予定)
参加料:無料

 

上坂 直「所在譚 hidden in “Cells of the City”」

六本木の街角に突如現れるのは、様々な物語が秘められたミニチュアの世界。公共空間の壁を覆う、無機質な壁のタイルをモチーフとした同作は、都市を主題に制作を続ける上坂直の作品。六本木の街なかにちりばめられたこれらの断片が、人間の痕跡やそこで起こった過去の出来事を彷彿とさせる。フィクション、記憶、現実を織り込み、人々の都市生活を物語る。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:街なか各所
参加料:無料

 

ONI「存在の音色」

シャボン玉と音が融和する、没入型立体音響作品。今年3月、世界初となる立体音響と電

子音楽生演奏、シャボン玉をプログラミングした作品に挑戦。「人工生命」をアートで表現し、日本科学未来館での常設展示、2019年SXSW発表の作品からさらに進化を遂げ、15分に上るライブパフォーマンスという新たな表現を試みる。

日時:5月25日(土)①19:00〜19:10、②21:00〜21:10、
5月26日(日)③11:00〜11:10、④13:00〜13:10、⑤15:00〜15:10
※上記以外の時間での自動演奏も(不定期)。
場所:六本木西公園(予定)
参加料:無料

 

太田 代輔「六本木アートナイトをもっと楽しむガイドツアー」

今年もボランティアによるガイドツアーを開催。一般的な作品知識を伝えるツアーとは異なり、参加者と対話を重ねながら作品や六本木の街の魅力へと接近。コースや参加者によって変化する個性的なツアーを提案する。

日時:5月25日(土)15:00~24:00
ツアー開始場所:六本木西公園(予定)
参加料:無料

 

din2「オトガタリ『道の記憶』」

六本木の道を舞台に、さまざまな物語が語り掛けてくる回遊型音声劇。スマートフォンを使った「音声AR」システムで、現実世界に加わった新たな聴覚情報や、拡張されていく世界、道を歩く人にだけ聴こえてくる過去の街の物語……。目の前に広がる現実と創造された物語とをオーバーラッピングさせながら、世界に没入していく「新しい物語体験」。

日時:5月25日(土)
①「#1703」 20:00〜20:20 / 23:00〜23:20 / 26:00〜26:20
②「#1936」 20:30〜20:50 / 23:30〜23:50 / 26:30〜26:50
③「#1945」 21:00〜21:20 / 24:00〜24:20 / 27:00〜27:20
④「#2009」 21:30〜21:50 / 24:30〜24:50 / 27:30〜27:50
※①~④で各別の内容。

整理券開始場所:六本木西公園(予定)
参加料:無料

 

エステル・ストッカー「Knitterobjekt(仮)」

イタリア在住のエステル・ストッカーは、彫刻とインスタレーションを通じて、モノの形態や空間の性質を問う作品を制作。規則正しく繰り返す白と黒のパターンを、不規則な形状や、うねりのある模様に変容する立体作品は、平面や直線を重視する合理的都市空間から解放された「自由な形態」を表現。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00 (予定)
場所:TRI-SEVEN ROPPONGI周辺ほか(予定)
参加料:無料

 

西尾 美也「着がえる公園」

服を一番身近な「遊びの道具」と捉え、「着がえることが遊びになる」公園を創り上げる。手洗いの洗濯は「水遊び」、干した「服の展示」で街を彩り、干された服の「万国旗」の中で、遊具やベンチの服をデザインしたり、「砂場の気持ち」になってみたりして、服が乾くまでの時間も一緒に過ごせる。夜は干されたシーツに上映された、パジャマ姿を取材した写真を鑑賞しながら、「着がえる公園」の経験を絵本に。

日時:5月25日(土)10:00~23:00、5月26日(日)10:00~18:00
場 所:三河台公園(予定)
参加料:無料

 

 

MOE+「イマーシブシアター『透明人間』」

六本木の夜に、透明人間たちが現れる――。一夜限り、街全体を舞台にした「役者不在」の演劇公演。影と音と道具を使った演出で、街回遊型インスタレーションを制作し、賑やかな六本木の街の中にささやかな「違和感」を仕込む。夜の街を巡りながら、その囁きに耳を澄ませてみてほしい。

日時:5月25日(土)19:00~5月26日(日)時間未定
場所:未定
参加料:無料

 

Roppongi Art Night Photo Spot

六本木の街の中心「六本木交差点」に、撮影できるフォトスポットが登場。

日時:5月25日(土)10:00~5月26日(日)18:00
場所:ラピロス六本木
参加料:無料

 

 

 

六本木アートナイト2019

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