style
Where the runway meets the street

ALL ITEM AMIRI

ロサンゼルスで生まれ育った眞栄田郷敦。中学生のときに、日本に拠点を移し、夢中になったのは、吹奏楽だった。所属する中学と高校の吹奏楽部で部長を務め、全国大会まで率いたという実績を持つ彼は、そこで学んだ様々なマインドが、今の自分を作り上げていると語る。そんな彼が、今回身にまとったのは、新進気鋭なクリエティブ・ディレクターであるマイク・アミリによるロサンゼルス発のラグジュアリーブランド、AMIRI。同じロサンゼルスというルーツを持つ両者は、しごく自然と交ざり合い、美しく共鳴する。

——AMIRIとのファッションシューティングはいかがでしたか?

とにかく個性的で、服が持つ力がすごく大きかったので、僕は何もしていません(笑)。

——服からパワーをもらったんですね。

そうですね。ルックの数も多かったので、誌面はバラエティ豊かなものにしたいと思ったんです。そこでポーズもいろいろ試みたり、面白い何かやってみようかなって思ったんですが、ファッションのラインナップだけで、強い存在感もありましたし、なによりすでに成り立っていたので、僕はあまり個性的で目立つようなことはしませんでした。それくらい、力のあるファッションでした。

——気に入ったルックはありましたか?

ロングコートの上にニットを着たルックが好きでしたね。コート自体もレイヤードになっていて、ポケットかと思いきや、そこはただの切れ目で、そこから手を入れると、実際に履いているパンツの中に手が入るようになっているんです。そうすると、シルエットがより素敵になるんですよ。この仕掛けがすごく面白かったです。

 

 

——細やかなギミックが光るデザインも多いですね。

素敵ですよね。あとは、全体的に細身の印象を持ちました。ものすごい細身のコートではあるんですが、着たときに、左右のデザインが一致してすごくカッコいいんですよ。とても気に入りました。

——AMIRIをまとったことで、新たな発見はありましたか?

帽子にハンカチを巻いてフードっぽくなっていたり、“こういう合わせ方もあるんだ”と思うことが多かったですね。すごくいい体験になりました。

——普段のファッションではどんな工夫をされていますか?

実はプライベートで、洋服にこだわることはあまりなくて(苦笑)。でも、撮影に入るときは、自分が着る服をじっくりと見て観察することが多いです。そこで、“こうやって着た方がカッコよくみえるのかな”と研究しています。 形や色味、デザインもそうですが、どういう見え方が映えるのかというのは、鏡とにらめっこして服を理解してから撮影に行くようにしています。プライベートでは、黒い服が多いですね。撮影の現場には、何も考えず黒で行くのがラクなんですよ。でも、今年の夏は、白い服くらいは挑戦しようかなと思っています(笑)。

——デザイナーであるMike Amiriさんは、普段からアートのような作品を作ったり、一点物の作品を作ったりと、かなり個性的なファッションが多いで すが、その思考やデザインにはかなり興味を引かれたのではないでしょうか。

今回、パンツの裾に、プリントではない、本当のペイントがしてあるものを着させていただきました。これは服というよりもアートですよね。同じ服でも、まったく同じものはないので、すごく素敵だなと思いました。

——服を選ぶときにも、オンリーワンと言われると惹かれますよね。

すごく惹かれます(笑)。洋服も、本当に気に入っているものをひとつ持つようにしているんです。靴もそうですし、世界にひとつだったり、自分の中で最大のお気に入りをひとつというのが好きなんです。でも、そういうのって、いざ買ったとしてももったいなくて全然着られないです。

——実際にお気に入りだけど、着られていないものがあるんですか?

コート、スニーカー、サンダルなど、各種類あります(笑)。もったいなくて着られないから、いつも雑な服になっちゃうんですよ。

——そのもったいないシリーズはどんな時に切るんですか?

例えば、ドラマや映画の打ち上げの時に着たいなって思うんですが、いまはコロナ禍のせいで打ち上げもなくて。とはいえ、あったとしても全然着ないんですけどね(笑)。僕、実はすっごくかわいい黒のコートを持っているんですよ。でも1回も着ていません(笑)。

——本当にもったいない!(笑)

もったいないですよね(笑)。なので、早く打ち上げができるような世の中になればいいなと思っています。あとは、AMIRIのTシャツを持っているので、この夏にたくさん着ようと思っています。

——AMIRI は、ロサンゼルスのブランドでありながらパリコレで披露したりと、 常に新たな挑戦していく姿に共鳴したとお伺いしました。

YouTubeで、AMIRIのコレクションまでの過程を描いた動画を観させてもらったんです。そこでマイクさんが、隅々までこだわりを持ってやってることを感じたんです。自分が全てを把握している姿は、ものづくりをする上ですごく共感できるなと思いましたし、その映像を観ていたからこそ、自分がカッコよく映るのはもちろんですが、それよりどれだけ服を映えさせるかという意識が強くなりました。

——全てのことを把握して、自分で動く姿に共感したんですね。

そうですね。それはものすごく大変なんだろうなって思いますけどね。でも、いくら大変だとしても、人に任せることができないんだろうなというところは、すごく分かりました。

——眞栄田さんも自身で会社を立ち上げていますよね。

はい。今回もAMIRIさんと打ち合わせから参加させてもらいました。どの仕事もそうですが、できれば最初から参加していきたいんです。それが、 一番いい仕事をするためには大事だと思うんです。

——そういった考え方になったのは何がきっかけだったのでしょうか。

う〜ん。どこか任すことに怖さがあるんですよね。ひとりでやっていれば、責任は全て自分になるんです。例えば、人に任せてミスが生まれたとしても、 その人のことを責めることはできないですし。それなら、最初から自分で責任をもってやりたいなと思うんです。

——お芝居に対しても同じ想いですか?

カメラマンさんがいて、照明さんがいて音声さんがいてという人とのセッションはもちろん大事にしますが、自分がやる仕事は、自分の責任です。

——自分がやれること、目が届くことは自分で把握したうえで、責任を果たしたいと。

はい。

——そういったメンタルは小さい頃からありましたか?

中学、高校と吹奏楽部に所属していたんですが、そこで部長を務めるこ とで、すごく強くなった気がします。演奏会を作り上げるときに副部長とかに任せられなくて。その子ができないというわけではなくて、ミスしたら 全部自分が責任を取らなくちゃいけないと思っていたので、それなら自分 がやった方がいいと思っていたんです。なので、人に任せられる人って本当にすごいと思うんですよ。僕自身、そうであるべきだと分かっているんです。なので、ちゃんと人を育てられる人はすごいなって思いますね。

——それが今の眞栄田さんの課題なのかもしれないですね。

そう思います。

インタビュー全文はこちらから。

AMIRI SHOP INFORMATION
営業時間:11:00 ~ 20:00
住所:東京都港区南青山5-3-27
TEL:0120-106-067