music
Tune in and turn up

Jacket ¥00,000, Pants ¥00,000 DIOR, Earrings STYLIST'S OWN

※本記事は2020年3月に発売したHIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE 04に掲載された内容です。

才気煥発な表現者がプロジェクトを同時多発的に進めることで多作となることがある。音楽家、常田大希のことだ。国内ポップミュージックの革新を担った「King Gnu(キングヌー)」の大躍進。世界からみたTOKYOサウンドを具現化する音楽集団「millennium parade(ミレニアムパレード)」が解き放つ唯一無二の存在感。アートワークや動画、クライアントワークを手がける、クリエイティブ・レーベルPERIMETRONがアップデートする革命的表現の数々。

ともに、共通するのは常田大希の存在であり、突き動かすのは枠にとらわれない飽くなき表現欲求だ。

20年代に突入し、「Singularity(シンギュラリティ)」、すなわち(概念上)AIが人類の知能を超える地点へと少しずつ近づきつつある。AI時代、プログラム推進の根本となる「Cognitive(コグニティブ)」=「認知・認識」というキーワード。そもそも音楽創作とは、手に取ることはできない形のない概念であり、外部からの刺激を「認知・認識」しながら、ひらめきによってロジカルに構築していくものだ。2019年から2020年、カオティックなTOKYO音楽シーンを塗り替え、シンパを増殖し、次なるフェーズへと導く先導者、常田大希にクリエイティブ活動のこれまでとこれからを聞いてみた。

Jacket, Pants DIOR, Belt & Scarf STYLIST'S OWN

——廃墟のような環境での撮影中、イギリスのミュージシャン、キング・クルールの楽曲がずっと流れてました。

めっちゃ好きなんです。活動に壁がないのがいいですよね。

——表現の幅の自由度という意味で常田さんと近い感覚を受けます。最近驚いたのが、2月4日にニューヨーク・マンハッタンのMasonic Hall NYCにて開催された「N.HOOLYWOOD COMPILE FALL2020 COLLECTION」への常田さんの楽曲提供と、まさかのチェロの生演奏。現場はどんな感じでしたか?

緊張もしたけど、すごい面白かったよね。これも作品としてリリースしようと思ってます。

——N.HOOLYWOOD(N.ハリウッド)」のデザイナー、尾花大輔さんとは、どんなお話を?

今回、N.HOOLYWOODがニューヨークに発表の場を移して10周年ってことで、「N.HOOLYWOOD COMPILE」ってクラシカルなラインでやるから、チェロで何か一緒にやろうってオファーを受けて。

——Srv.Vinci時代の常田さんに取材したとき、リスペクトする表現者として「COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)」の川久保玲さんの名前をあげていて「なるほど!」と思ったんです。あらめて、ファッションのどんなところに魅力を感じていますか?

音楽への感度が高いというか、むしろ音楽業界よりも高いんじゃないかというアンテナの張り方をしてますよね。自由度がすごく高いんですよ。あと、より新しい表現を求めているという印象があって。

——それは、King Gnu、millennium paradeでの表現とも通じるところですね。

そうだね。このコラボレーションは、最近自分がやっていた活動とはまた違った作品ができそうで、うん、やりたいなって思ったんです。

T-Shirt, Jacket, Pants DIOR, Sunglasses & Earrings STYLIST'S OWN

——ちなみに本誌今号のテーマは「Cognitive」ということで、「認知・認識」というキーワードとなります。要はアイデンティティへのスイッチみたいなことかな。自分でプログラムして何かを動かすとき、「認知・認識」って導入時のキーワードとして大きいと思うんです。このキーワードから思い浮かぶことありますか?

何をやるにしても、まず認識する必要があるよね。音楽ってわりと形のない抽象的な世界ですけど、より自分自身をちゃんと認識してサウンドを創ることは、創作活動で大事なことかもしれないね。ある種、俺にとって音楽創作って、外部要因となる刺激を「認知・認識」しながらシナプスを通じてひらめきがさらに増幅していくというか。そこをロジカルにまとめていくことなんですよね。

——2019年は名実ともにKing Gnuの年だったと思います。millennium paradeも5月にはライブを軸にスタートして、それこそ旧来の芸能じみた古い習慣からなかなか逃れられなかった日本の音楽シーンを変えていく存在ですよね。表現者自身がやりたいことをビジネス的なフレームも含めて実現していこうという動きがとてもリアルで。でも、それって常田さんは、King Gnu結成前から意識的にやられてましたよね。

そういうことを考えてる人、けっこういるんです。でも、大きな規模で成功している例はあまりないというか。とはいえ本来そこは全く重要なことではなくて。音楽をやる上においてその音楽自体を信じるっていうのは、まずは大前提なんですよ。プラスαでビジネスフレームの構築も間違いなく大事。やるべきことが山ほどあって。それをひとつひとつ遂行していくようなマインドですね。King Gnu含めて走り続けるんですけど、走り続ける先のベクトルは様々なアートのフォーマットがあるので、もっと自由にやっていきたいですね。今27歳なんですけど、今年、来年と30歳へ向けてやっていこうと思っています。

Jacket, Pants, Shoes DIOR, Shirt & Earring STYLIST'S OWN

——以前の取材時に「20歳の頃から、オリンピックの音楽をやりたいと思っていた」とおっしゃってたことがあって。King Gnuのアルバム「CEREMONY」も深読みすればタイトルはまさにだし、1曲目は「開会式」だったりね。しかも、millennium paradeが誇る海外へ開かれたアートフォームはまさに日本のポップカルチャーを代表するのにぴったりなチームですよね。

う〜ん、ちょっとオリンピックが日本へ来るのが早かったですね(苦笑)。それこそ、そんな夢に共感してくれる人を増やして、期待に応えていかないとね。今millennium paradeとしてもグローバルな展開に向けて動いてるんですけど、実際に反応をみていると、考えていた方向性は間違ってないのかなとか。手応えは、どんどん確信に変わってきてるというか。楽しみですね。

——現状、国内と海外では、音楽シーンにも大きな隔たりがありますよね。

ありますね。日本のアーティストを海外の人たちが気にしてくれるということも異例。でも、アジアの動きが今欧米で注目されているわけで、時代は変わりつつある。

——映像作品といえば、春からスタートする「攻殻機動隊 SAC_2045」のmillennium paradeによるオープニングテーマ「Fly with me」は、世界へ通じる名刺となるアイテムになりました。

「攻殻機動隊」シリーズをリスペクトしつつも、俺らが作る「Fly with me」のミュージックビデオで圧倒してやろうかな……と。先輩方を。

——「攻殻機動隊」自体は、PERIMETRONチームだと3D・ビジュアルエディターの神戸雄平さんが特に詳しかったりするんですか?

みんな、リファレンスに良くあげる作品でしたね。「こういう世界観がいい!」って。東アジアのカオスさというか、ネオトーキョー的な感覚だよね。

——millennium paradeも、それこそディストピア的な感じがあったり、ライブでは3Dメガネを配布して没入感高い世界を構築するなど通じるところがあります。

光栄ですよね、本当に。

——昨年12月に東阪で行った、より洗練された3D映像演出と演者の肉体性が同居するライブ「millennium parade Live 2019」は、5月のリキッドルーム公演からの強力な進化を感じました。ステージとオーディエンスを挟む紗幕がなくなったことで、よりダイレクトにバンド感が伝わってきたというか。

King Gnu全国ツアーの後で、限りあるスケジュールでの準備だったので無事に終えられてよかったなって。メンバーやクルーが素晴らしい動きをしてくれました。2回目の東京公演が、圧倒的に良くなっていたかな。場数を踏むのは大切ですよね。マインド的には、そんなにKing Gnuと変わらないんですよ。メンバーみんな友達って意味で距離感も近いから。そんな雰囲気があらわれていたんじゃないかな。

——2020年のmillennium paradeは、どんな活動にしていきたいですか?

まずは名刺となる1stアルバムの製作かな。でも、CDでセールスを上げていく時代でもないしね。資金をなんとかして、海外も巻き込んで、でかいチームでアルバムを出してツアーを回りたいなと思っていて。それは今後、徐々にだね。革新的なアプローチをし続けていきたいです。自信はありますよ。

——ワクワクしますね。テレビで観る機会も増えましたし、雑誌のカバーもすごい数を飾っていて。それこそ日常で自由に使える時間がどんどん減ってきてると思うのですが、そんななかで自分がブレずに大事にしているものって何がありますか?

そうですね。一通りやったよね。去年から今までの流れは、本当にけっこう大変な環境だったというか。制作にあまり適していないスケジュール感なので(マネージャーをチラリと見る)。そんなこともあってリセットしたいっていうのは、そういうことなんですけど。例えば「ミュージックステーション」には昨年の12月から、1月、2月と、毎月出たのかな。

——2016年4月、最初に取材したとき「今って音楽の進化自体が止まっていて、音楽以外のことで差別化しているアーティストって多いじゃないですか? でも、まだ音楽だって発展する余地があると思っているんですよ。ポップミュージックをもっと、進化させたいんですよね」って言われていたのが印象的で。活動の指針が全くブレてない。それはこれまで蓄積してきた経験やスキル、地力があっての成果ですよね。

そんなこと言ってたんだ。でも、そうですね。変わらないかな。だけど最近は、ちょっと冷静さを失ってる感じがあるので。もう1回、そんな想いをより強く、初心に帰るじゃないけど意識しなきゃいけないなって思っていたところです。メンバーもすごいよね。本当にみんな頑張っていると思いますよ。

——そういう意味だと、信頼しているクリエイティブレーベルPERIMETRONというチームを持っているのは強いですよね。それこそ数年前は、まだまだビジネスにしていくのも大変だった時期もあると思うんですけど。当時から信頼関係を作って一緒に活動されてきたことは宝であり、本当に奇跡的ですよね。

近い距離感や、信頼できる関係性じゃないと、この波は乗り越ええられなかったでしょうね。本当に感謝してるし、俺ら世代で元気よく今の状況を変えていきたいなって思っているので。

——常田さんは最近のカルチャーやアートだとどんなものに興味を持たれてるのですか。「Teenager Forever」のミュージックビデオでは、ご褒美に100万円支給されてロシアへ行かれて撮影されてましたが。

ロシアはね、アートやカルチャーが独自に発展していて面白いよね。でも、今は第三者からの影響とかすごいシャットアウトしなきゃなって。だからあまり新しい情報を入れてないし掘ってないです。最近、向き合う先がもっとインナーなんですよ。自分のやりたいこともそうだし、自分がどんなものを好きかっていう根本から派生させていく必要を感じていて。外の情報はけっこう遮断しているね。

——これまでの地力、経験値があるからこそなせる業であり覚悟ということですね。それこそ、藝大時代の学びだったり、ネットワークが活きてそう。

でも、ちょっと違うかなと思って1年くらいでやめたんだけどね。

——そこでドラマー石若駿さん、WONKの江﨑文武との出会いもあったわけでしょ。常田さんは、クラシックかつアカデミックな環境を経験している音楽家であり、King Gnuでは「Teenager Forever」みたいなロックチューンが人気で、millennium paradeのような現代的なアート表現、そこにチェロ奏者としての顔も持つという。

振れ幅やばいっすよね(笑)。でも、自分の中では全部等しくやりたいことだったりするから。

——思っていても実行、実現することが大変だと思うんです。パワーの源ってどこからくるんですか?

単に今置かれている環境と違うところに行きたいという欲が人より強いのかもしれない。だって藝大と「Teenager Forever」みたいな青臭い曲の感じは本来結びつくものではないから。そんななかで違和感なく提示できてるっていうのは、あまりに好き勝手にやってきたからかな。

Shirt, Pants DIOR, Earrings STYLIST'S OWN

——幼少期は、どんな子供だったんですか?

あまり変わらないですよ。いろんなものに興味を持っていて。もちろん自分なりに線引きはありましたけど、それが別に世間の決めたジャンルとは、全く関係なく。自分の判断基準を持って物事と接していた感はあるかな。

——ある種のアンビバレンツさや懐の広さ、そして審美眼は子供の頃に育まれた経験が大きいんだ。

やっぱり藝大での経験は大きかったと思いますよ。いまだに一緒にやってるヤツもいるわけで。アートとの結びつき方というか、考え方?そういう意味でKing Gnuだって、すげえアートしてる実感があるので。それは一般に言われるバンドみたいなものより、King Gnu自体にコンセプトを持って「コンセプトアート」の認識で形作っているので。それが人々にもなんとなくは伝わってるんじゃないですかね。曲の配置やバラエティの打ち出し方も。なんかちょっと普通ではない違和感みたいな感じで伝わってくれてるような感触がありますね。

——その上でメインストリームでの躍進って狙いではありつつも奇跡的であり、面白いことだよね。そんな違和感って意味でいえば、millennium paradeのライブを観たときにYMOが1993年に東京ドームで再生(復活)したときのライブ「TECHNODON LIVE」を思い出しました。もちろんmillennium paradeとは全然別物だと思いますが、YMOって常田さん年代からすると、どんな認識?

リアルタイムでは全然ないですけど、でも最近YMOの活動やアートワークをざーっと調べてたんですよ。流石面白いし、すごいですよね、あの人たち。当時のちょっと生意気な若者がああいうものを打ち出して。アートワークも日本から海外に発信することに特化したセンスで。今見てもすごい良いし。改めてこんな先輩たちがいたんだなって。みんなかっこいいですよね、ほんとに。

——高橋幸宏さんはファッション分野にも力を注いでいたり。音楽だけじゃない総合芸術感がmillennium paradeにもパラレルに通じますよね。YMOを調べていたのは、海外から見た日本というセンスについて?

日本から何を海外へ持っていくのが面白いのか、ここ何年か考えていて。そのなかでYMOを調べたんですよ。millennium paradeは、オーケストラとの共演もやりたいと思っていて。そんなカルチャーのミックス感じゃないですけど。これとこれを混ぜて、聴いたことがない音像に仕上げていくというトライをもっと果敢にしていきたいですね。

——「攻殻機動隊 SAC_2045」のオープニングテーマとなる「Fly with me」も、まさにそういう曲ですね。

そうですね。そんなことを意識的にさっき言った「認知」じゃないけど、自分たちが今の時代に生きる音楽家として、意欲的に何をやるべきか、っていうのが大事になってくる。どう見られるのかを大事にしたくて。ただ単に「なんとなくこれかっこいいっしょ!」って、フワっとせずに。

——「認知・認識」を意識的に、そしてキーワードを明確にロジカルに作品を構築していくということですね。それこそ、10年前にはあまり日本では感じてなかったんですけど、この数年で世の中の動き、政治的な動きや社会的な動きが実はすごい大事なものという“認識”に変わりました。世の中や世界で起きていることは全部、自分自身と繋がっているんですよね、無関心でいられなくなったというか。サステナビリティを意識した生き方が無視できない世の中となりました。社会をどのように感じていますか?

新型コロナウイルスだったり、気候変動問題など不穏ですよね、最近。大丈夫なんですかね。

——冗談にもならないぐらい、SF映画のようなディストピアな世界へ向かってますよね。

それこそ神山健治さん(「攻殻機動隊 SAC_2045」監督)が話していた「SFが未来を予見する」っていうのも勉強になりました。俺はそういうものを本能で肌身で感じた時代性を反映させてきているタイプだと思うので、もうちょっとちゃんと考えて「認知」していきたいですね。

——King Gnuの歌詞も本能的なことを歌っていますよね。

King Gnuは歌詞を書くというより友達に話すみたいなスタイルなんですよ。詩人めいた言い回しは向いていないというか、ちょっと自分には寒いと思っていて。もっと話し言葉に近いリアルな感じでありたいなって。

——ここ数年、共演やコラボレーションなど、世界観を広げてくれるアーティストとの共演が増えてきたと思うんですが、どのような影響を感じられたりしますか?

影響か……。共演する以上何かしらの形で影響は与え合ってると思います。基本的には俺がプロデューサー的な役割なので「あなたのここがかっこいいんじゃん!」っていう感じのコラボレーションの仕方が多いかな。でも、それは各々が各々の付き合い上でいろいろなやり方でやってると思うので。

——これまではニューカマーとしてフックアップされる側だったと思いますが、これからはいろいろな新しいアーティストの期待を受けて、可能性やチャンスを与える側になってきたと思います。

フックアップするみたいな傲慢な感じではないですけど、有名無名にかかわらず、純粋に作品を作れる環境が整ってきたというか。例えば、ファンアートをアップしている人がいるんですよ。俺の絵だったり、他のアーティストだったりの絵を描いてインスタにあげていたり。その中ですごい子がいて。ジャケット(アートワーク)とか一緒にやりたいと思ってコンタクトを取ったり、みたいな。まぁ、まだ分からないけどね。でも、自分の描いた絵をいろんな人に見てもらえるっていうのも、今どきっぽいですよね。単純にその作品自体が良かったら評価されるべきだと思うし。いろいろ一緒に作品作りとかしてみたいよね。

——King Gnuの全国ツアー「King Gnu Live Tour 2020 CEREMONY」は、これまでのライブとはどんなところに変化がありそうですか?

後ろに、聖火台みたいな生の炎を背負ってやりたいってワガママを俺が言ったんですけど、まぁ、単純に演出がでかくなりますね。

——最初にインタビューしたとき「作って認知されて満足したら解散っていうか(笑)。現状は金がないから、いろんなことを自分たちでやっている状態ですけど(ミュージックビデオの撮影など)、いろんなクリエイターとも絡んでいきたいんです。バキバキな存在になっていきたいです」って熱く語られていました。今、読むとまた印象的で。

言ってました? 最初っていつ頃?

——2016年の春くらい。まだ井口(理)さんが「191」という名前だった、Srv.Vinciの頃。それこそKing Gnuもmillennium paradeも今ではオファーがひっきりなしでしょ。

あぁ、あの頃か。付き合い方が難しいですよね。去年は有名になることにフォーカスしてたんですけど、今年はそういうことじゃないかなって。やっぱり自分が作るものとの相性だったり親和性だったりが一番重要というか。

——その親和性を考える上で、常田さんがクリエイティブで大事にしていることは?

何がかっこいいと思ってるかっていう共通点があって、それによってシンパシーを感じる必要があるというか。感じていることをやりたいし、感じている人とやりたいしっていう。そのシンパシーを感じる部分をより重要視して創作できることを意識しますね。

——たくさんのマスメディア、メインストリームでの経験や交流を経て、本当に自分が大事にしなきゃいけないものが逆に見えてきたんじゃないですか?

その通りですね。去年は、なんでも巻き込んで超巨大タイフーンみたいな動き方をして、なんでも喰ってきた。今年は、選んで喰う時期になったらいいな、と。

——それこそヌーの群れ(King Gnuのファンやスタッフの意)が大きくなってきたから、コンダクターである常田さんがどこへ向けて先導していくかが大事になってくる時期ということですよね。では最後に、King Gnuやmillennium paradeの活動に憧れて表現活動やアートの楽しさを知った人が増えてきたと思うんですけど、「クリエイティブをやってみたい!」と思う人にアドバイスを。

音楽にしてもアートにしても日本の教育が音楽や芸術の本質から人々を遠ざけてしまっている印象があって。それこそ各々が何を好きであり、何を上質なものとするかは、それぞれの価値観でいいし、各々の判断基準が大事だと思うんです。創る側も聴く側も、もっともっと自由に猛烈に楽しんでほしいよね。