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Where the runway meets the street

G-SHOCKからビーチ気分を盛り上げる新作「ビーチタイムラプス」が登場した。2022年6月に発売されて大反響を呼んだイリディセントカラーシリーズ同様、ガラスにレインボー蒸着が施されていて、光の当たる角度によって表面色の見え方が変わる心憎い仕様。ベゼルとバンドにマットホワイトをあしらい明るい昼間のビーチを表現したホワイト&ブルーと、夕暮れのビーチのようなグレースケルトン素材を採用した2色で展開されている。製品ごとにガラスの蒸着加工に個体差があるのも魅力で、主な樹脂パーツにはバイオマスプラスチックが使われている(GA-110を除く)。

新作のビーチタイムラプスはガラス部分が夏の海のように表情を変える。降り注ぐ光に反射した海面、赤い夕焼けからゆっくりと霞んだ月の浮かぶ空。奔放なビーチからロマンティックな長い夜まで、身につける者それぞれが胸に抱く思い思いのシーンを詰め込んでいまを刻む。色彩に溢れた面持ちはさらに街や都市へと広がり、変化に富んだ現代のファッションシーンをも一斉に包括していく。

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Watch G-SHOCK / Shirt SILLAGE / Shorts SUPER LOVE MARKET

長らくストリートの勢いが強かったファッションシーンだが、昨今コレクションではハイコントラストなスタイルが目を引く。ベストとシャツのレイヤードにホットパンツ、ジャカードジャケットと同素材のショーツ、ジャージとレースのマッチアップ、などのコレクションルックが記憶に新しいが、ストリートで着こなすショーツスタイルは今年のホットルックだ。品が良く清楚なカレッジルックにスポーツのツイストを混在させ、さらにG-SHOCKから漂う横乗りのカルチャーが加わると、着こなしに今年らしい成熟度が増してくる。例えるなら青いパパイヤのようなむきだしの若々しさと、熟れたマンゴーから溢れ出す蜜のように危ういセクシーさ。ジェンダーと世代を越えた避暑地での美しいラブストーリー、もしくは由緒正しい家に低俗な野心が忍び寄り巻き起こる妖艶なホラームービーのように。

ビーチやサーフ、スケートなどのスポーツは、音楽や芸術との接点を持ちファッションのインスピレーションとなり続けてきた。サーフィンが大ブレイクした70年代は、ビーチボーイズが新しい音楽を引き連れ、映画『ビッグ・ウェンズデー』が若者のバイブルとなった。サーフィンからスケートへと移り行く背景も描かれている映画『ロード・オブ・ドッグタウン』は現在でも欠かせない1本だ。NYを舞台にしたストリートシーンがリアルに描かれた映画『Kids』が公開された1996年は、SUPREMEやSTÜSSYなどのサーフ/スケートブランド設立の黎明期であった。

ストリートカルチャーを進化させた1990年代は、グラフィティやフォトグラフィ、ZINE文化やグラフィックの台頭とともに、ストリートアートのムーブメントが形作られていったときでもあった。スケーターやサーファーが作る作品やファッションが持つインディペンデントで濃密な世界観は、時を経て現在のファッションシーンにも強く影響している。LOUIS VUITTONとSUPREMEのコラボレーションは記憶に新しいが、DOVER STREET MARKETの15周年ではBOTTEGA VENETTAなどと並んで、FUCKING AWESOMEのコラボレーションも発表するなど、ハイファッションを魅了する存在であり続けている。

これら時代に台頭するサーフやスケートといったストリートムーブメントに常に足並みを揃えているのがG-SHOCKだ。昨年NYのストリートアートの先駆的アーティスト、エリック・ヘイズ40周年のモデルが話題となったばかりだ(現在は生産完了)。1983年に登場して以来、シーンと密接なセレブリティやアーティストに愛されパパラッチやコラボによる熱狂を生み出してきたのは、確固たるファッション性と機能性への信頼にほかならない。

今回発売したビーチタイムラプスに共通する技術を持つイリディセントカラーシリーズは若い世代が中心となり、本当に欲しいウォッチを求めて通常よりも多くの時間をかけたと言われている。同世代の票を集めて上を説得し、結果的に売上予測を大きく超えることで、保守的な層に対するブレイクスルーとなった話題のシリーズだ。

そんな改革のスピリットを受け継ぐ新作はあえてファッションに傾倒したモデルだ。ベースになったのは、G-SHOCKブランドの根幹となるアイコニックスタイルのORIGINシリーズ、110シリーズ、2100シリーズだ。耐衝撃と20気圧防水のタフネスという比類なき機能性を持つブランドの矜持と伝統を革新によって刷新しながら、機能とスタイルを真摯に追求している。その姿勢は、セレブリティ起用で混沌としているファッション業界へと苦言を呈し、顔を隠してファッションショーに訪れる最新のムーブメントを彷彿とさせる。移り変わりの激しい時代に、標石となるようなものづくりへの徹底した姿勢こそがこの先の時代を築き上げていくことは間違いない。