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東京・千代田区のギャラリー「KOKI ARTS(コウキアーツ)」は、画家の井上光太郎中村亮一、土屋裕央による新作を展示する個展「Winter Show」を開催する。

井上の作品「狭間に」は、2枚のキャンバスで1つの作品となっている。「片側の1つの光景と、隣り合わせにくる別の光景が関連するのかどうかわからない。左側には水の中に2人の人物が立ち、こちらを見ている。右側を見ると、女性がどこかを覗いている。そこで起こりつつある何かを、私は傍観者としてただただ眺めていることしかできない。」という。

中村の作品「a Study of Identity IV」は、多民族社会における共存のあり方を理解するため、第二次大戦時の日本人移民と日系アメリカ人について1年間のアメリカ滞在で調査し、日米の狭間で揺れた彼らの心情を理解しようと努め、外国人労働者受け入れにより変化していく環境と共存について意識した作品でもあるという。新たな社会つくりに直面している私たちが、より良い関係や社会を作るために、この作品が鑑賞者にとってその問いの気づきとなれたという思い出製作された。

土屋は、死という瞬間に、何が観え何を感じるのか、生と死の境界を探る行為として絵画制作を行っている。「外枠について」という作品では、絵画の中にある1つの線を死の境界のメタファーとして捉え、不規則に動く線が重なり合うことにより、いくつかの境界と空間が生まれる。モチーフとして現れる魚は線と線の境界を観ており、すなわち死という境界を見つめているのだという。

Winter Show
会期:12月7日(土)〜1月11日(土)
開廊時間:水〜土 12:00〜19:00、日月火祝・1月2日(木)〜1月3日(金) 休廊