style
Where the runway meets the street

ブランド:PRADA(プラダ)

2022年PRADA秋冬メンズウェアショーで最後にランウェイに現れ、アメリカの有名俳優ジェフ・ゴールドブラム(Jeff Goldbulm)が会場を席巻した。異次元のPRADAゲームを見せてくれた。これまでの俳優人生でも多数のアイコニックなスタイルを披露してきたゴールドブラムだが、今日ミラノでのショーの最後に見せたルックには会場を釘付けにするものがあった。仕立ての豪奢さ、袖のマフのボリューム感に、決然としながらも混沌としたものを感じさせるゴールドブラムの歩みが絶妙な存在感を放っていた。

ゴールドブラムはミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)の重要な使徒の一人ともいうべき存在で、彼のハーフ&ハーフのサマーシャツの着こなし、PRADAを纏ってのレッドカーペットでの姿は誰もが知るところだ。

映画界、PRADA界の両方で伝説的なステータスを持つジェフ・ゴールドブラムだが、会場に集まった若い世代の中には彼のことを知らない層もいたようだ。ショーの冒頭を飾ったカイル・マクラクラン(Kyle MacLachlan)も、一定数の若者には知られていなかった。

俳優陣としてはほかに、トーマス・ブロディ=サングスター(Thomas Brodie-Sangster)、エイサ・バターフィールド(Asa Butterfield)、ダムソン・イドリス(Damson Idris)を含む8人がショーに出演し、PRADAのエレガンスと洗練された仕事を讃えた。世界の多くの人口が在宅勤務をするようになって2年以上が経つ中、PRADAの最新コレクションは式典の感覚、仕事に向かうときに感じるある種の特別感といったものを思い起こさせた。「あらゆる世界、あらゆる意味における、働くということの概念を讃えるコレクション。働く行為は実用的、日常的な行為だが、(中略)全てのリアリティは、優雅で威厳あるものにし得る」。建築的な衣服が形、フォルムを定め、身体がメリハリを帯びる。肩やウエストのラインには伝統の仕立てが光る。「リアリティのあらゆる側面に意義、洗練された存在感、尊厳、持続する価値を持たせている」