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Life beyond style

rag & bone(ラグ&ボーン)は2019年フォールシーズンのローンチを記念し、アメリカ・ニューヨークにある元ウィリアムズバーグ貯蓄銀行でディナーを開催した。

BROOKLYN, NY - FEBRUARY 08: View of the dining table before rag & bone's A Last Supper in celebration of its Fall 2019 collection on February 8, 2019 in New York City. (Photo by Ilya S. Savenok/Getty Images for rag & bone)

「A Last Supper(最後の晩餐)」と題されたこのディナーでは、知覚の刺激をコンセプトに、テクノロジー・ファッション・音楽・食を融合した実験的な試みが行われた。ホストを務めたのは、rag & boneのマーカス・ウェインライト(Marcus Wainwright)、舞台脚本家のクリスティーナ・ジョーンズ(Christina Jones)、ナイジェル・ゴッドリッチ(Nigel l Godrich)とAI(人工知能システム)。またニューヨークの人気レストランestelaのイグナシオ・マットス(Ignacio Mattos)と作家のテイマー・アドラー(Taylor Adler)を食事のキュレーターに迎え、振付師のダミアン・ジャレット(Damian Jarrett)によるスペシャルパフォーマンスが披露された。

ゲストには俳優のエマ・ロバーツ(Emma Roberts)をはじめ、ケリー・ラッセル(Kelly Russel)やキース・スタンフィールド(Keith Stanfield)、オスカー・アイザック(Oscar Isaac)ら多くのセレブリティが来場。会場の入り口ではフォトグラファーのランドン・ノードマン(Landon Nordeman)による撮影が行われ、この写真は2019年フォールシーズンのルックブックとして使用される。

今イベントの目玉となったのが、そのユニークかつ革新的なコンテンツである。AIテクノロジストで人工知能を使った映画脚本で知られるロス・グッドウィン(Ross Goodwin)が開発したAIが会場でゲストを迎え、ナイジェル・ゴッドリッチがキュレーションした音楽に合わせたクリスティン・ジョーンズとダミエン・ジャレットによる振り付けのダンスパフォーマンス、イグナシオ・マットスによるビスポークディナー、さらにはAIがディナーの間に収集したデータをもとに学んだ人間とのコミュニケーションの方法をスピーチで披露した。

今回の取り組みを通してrag & boneはAIが発達していった将来、ファッションの未来に訪れるかもしれない可能性を探った。ディナーのタイトルにもなった「A Last Supper」は人工知能が発達し、人間の知性を超えた時に、ファッションブランドがどのようにして人間性を保っていくかという課題を、rag & boneが美しく湾曲した視点から解釈する「未来予測の概念」である。

なお今プロジェクトは2018年春夏シーズンもブランドの映画でコラボレーションした、SpecialGuestの創設者であるアーロン・ダフィー(Aaron Duffy)と共同で、プロジェクトの構想と開発が行われたもの。