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Where the runway meets the street

THE NORTH FACE PURPLE LABEL(ザ・ノース・フェイス パープルレーベル)」は、2021 スプリングサマー「THE WIND TRAIL」のルックを公開した。

1984年に発刊されたアウトドアライター芦澤一洋の「アーバン・アウトドア・ライフ」の一文「都会に暮らしてはじめて、アウトドア・ライフを心から求め、強く必要とする気持ちが湧いてきたのだ。 決心して少しずつ、自然の中、田舎(カントリー)へ、原野(ウィルダネス)へと足を運ぶようになり、 憧れ心がさらに増幅し、やがて完全な戸外活動を心の支えとするライフスタイルが育っていった。それが僕の踏み跡だった。」(原文ママ)をヒントに着手。

「本当の自然、それはなるべく手の届かないところにあるのがいい」「それに憧れ、時折り訪問者となることを夢見ながら、都心とその周辺に暮らす」といった考え方から、都市生活の中から原野を望むという方向感覚は、閉塞感が漂う今だからこそ大事にするべきだと考えたという。今季はブランドのコンセプトやルーツを見つめ直し、新しい時代性に合わせリニューアル。都会で機能するアウトドアウェアを提案する。

地球環境や社会がスピード感を持って、日々目まぐるしく変わる中で、その時代を感じながら、目まぐるしく移り変わる社会の中で一つの場所に留まらずに環境に適応し、新しい価値観が生まれると考え、これまでのアーバンアウトドアスタイルに落とし込んだ。

継続してリリースしている定番アイテムに加え、NOMAD(遊牧民)のように自由な感覚で着用でき、ジャンルやシーンにとらわれないセットアップアイテムをデザイン。オンとオフ、アウトドアとインドアの区分や、レイヤリングスタイルを提案。カジュアルウェアでは、ルーツを変えずに新しいものを作るということを念頭に置き、アウトドアギアの機能性にTHE NORTH FACEのデザインを落とし込んだ新しいウェアを提案。2020年秋冬に続き、自然環境へ配慮してできる限り環境に負荷を与えない素材を採用している。

薬剤を使用しないオーガニックコットンやリサイクル原料のナイロン、ポリエステル素材を積極的に使用し、耐久性に優れ、長く着用できる機能美にもこだわった。都会の中を駆ける風をイメージしたアスファルトグレーをキーカラーに設定し、ブランドを象徴する素材65 / 35ベイヘッドクロスのアイテムからマウンテンパーカやアーカイヴアイテムを展開。

前半に展開するアイテムには「春の夕暮れ」を思わせるラストや、「芽吹きを待つ山々」をカーキで表現。キャニオンクレイやグラスグリーンなどで雄大な自然も表した。後半は、「瑞瑞しい自然の表情」をスティールブルーやサーモンピンク、ライムグリーンのアクセントカラーで表し、ボトムスの定番アイテムでは、Raw(生)カラーを採用している。

前半の1月は、THE NORTH FACEのアーカイブアイテムの代表的な素材であるポリエステル65%、コットン35%の「65 / 35 Bayhead Cloth(ベイヘッドクロス)」を用いたアイテムを展開。同素材をブランドのコアマテリアルとして位置づけ、豊富なバリエーションで取り揃える。代表的なアイテムには、ジャケットとパンツのセットアップ「Hopper(ホッパー)」がラインナップ。「次から次へと移動する、飛び越える人」という意味を込めて名付けたという。シーンを選ばないセットアップに仕上げた。

そのほか、軽量化したミッドウェイトのベイヘッドクロスを用いたカーディガンも登場。ゆとりのあるシルエットで、アウターとしてもインナーとしても活躍する。マウンテンパーカとボトムスのセットアップはリサイクルナイロンタフタ生地を用いてデザイン。マウンテンパーカは80年代のアーカイブアイテムをベースに製作し、ナチュラルな色合いと立体感のあるステッチワークが特徴的。

2月からは水を極力使用しない「DryIndigo® Denim」インディゴカラーのアイテムを豊富に取り揃え、インディゴ染めの段階で液状ではなく泡状にして染色することで、一般的な工程に比べて水の使用を99%に抑えた。80年代のTHE NORTH FACEのジャケットデザインとオリジナルシルエットのワイドクロップドパンツにDryIndigo®を採用し、抜け感のあるセットアップスタイルを提案。

オーガニックコットンとリサイクルナイロンを平織りしたウェザー生地のマウンテンパーカーも登場。インディゴアイテムの色を抜いていく洗い加工には、ブリーチ剤を使用せず、水の使用が少ないオゾン加工を採用。定番のCORDURA®ナイロンのハイブリッドなバッグシリーズには、90年代にUSAスキーチームへ供給されていたTHE NORTH FACEのバッグをベースにした新しいショルダーバッグを発売。新色のラストカラーは色気のあるナチュラルな色合いとなっている。

3月に登場するアイテムには、オリジナル素材の「CCY Madras Cloth」を採用。トピックはマドラス生地を採用した新しいパッケージ。アイビースタイルの定番素材であるマドラスを、リサイクルポリエステルにオーガニックコットンをカバーリングしたオリジナル素材として開発した。

伝統的なベージュカラーと都会のイメージを落とし込んだアスファルトグレーの2色展開で、アウトドアウェアのディテールを組み合わせた。傾いた機能的なポケットデザインが特徴的なフィールドパーカは軽量に仕上げ、撥水性と防風性を併せ持つ高密度ナイロンタッサーを使用したコレクションは、スティールブルーでクールにデザイン。80年代のコーチャーズジャケットをベースにしたビルトインフードのフィールドジャケットと40年代のサルベージパーカをベースにしたH / Sパーカも登場する。

4月にはリラックス感のある「Lounge Series」から、ベーシックなH / Sのシャツやオーガニックコットンに素材をアップデートしたハイバルキーのTシャツ、新コンセプトのアクセサリー類も展開。1960年代から70年代にかけて影響力があった「Whole Earth Catalog(全地球カタログ)」のサブタイトル「Access to tools(道具へのアクセス)」をヒントに、道具としての使い方や汎用性をユーザーが自由に創造してアレンジできるアイテムをデザインしたという。

ユーティリティケースやショルダーポーチ、ショッピングバッグも用意。ショッピングバッグは折りたたむとTHE NORTH FACEのアイコニックなデザインが出現する仕様で、それぞれカスタマイズも楽しめる。そのほか新デザインのロングビルキャップとハットも展開予定。

シューズでは、リサイクルダウンを包んだCORDURA®ナイロンとスウェードレザーのコンビネーションデザインでヌプシサンダルをアップデート。版画アーティスト大河原健太のアートワークを落とし込んだグラフィックTシャツとバンダナも販売。ヨセミテ国立公園を舞台に自然の風景や動物を描いている。