MIU MIU(ミュウミュウ)の真髄は「今」にも「かつて」にも縛られない。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)が現代の服飾史のあらゆる時代から取り入れた影響が、流動的に混在しているからだ。1970年代の「ギーク・シック」、1990年代の「スラッカー・コア」、2000年代の「テック・フューチャリズム」、そしてそう遠くない未来を思わせる、洗練されたテーラリング。無謀にも思えるが、実際は極めてクラシックであり、そこにこそMIU MIUの良さがある。こうした異なる要素が入り混じりながらも、最終的に生まれるのは、素晴らしい服なのだ。

2026年秋冬コレクションでMIU MIUは新作スニーカーを発表する。本記事ではそのヴィジュアルを、HIGHSNOBIETY独占で公開する。そしてこれはまさにMIU MIUらしい一足と言える。モダンでありながらレトロでもあり、そのどちらとも言い切れない存在だ。

クレープウールのフレアパンツやクロップド丈のジャケットと組み合わされたMIU MIUの新作スニーカーは、ローカットのレースアップタイプとニーハイブーツの2種類で展開される。だが、これはほんの始まりに過ぎない。スエードやジェムのアップリケ、テクニカルメッシュ、柔らかなグレインレザーが用いられ、つま先はスクエアのようでいて完全にそうではない独特のフォルム。さらにソールはフラットでありながら、意外性のあるゴム素材の「スパイク」によって、凹凸も備えている。

全く新しいデザインでありながら、どこか「プラダ・アメリカズカップ」の面影も感じさせる。それもまた、ミウッチャの天才ぶりを証明した先見的な例のひとつだ。(初めて本格的に成功したデザイナーズスニーカー? 間違いない。30年近く経った今でも通用する? もちろん)。

こうしたカテゴリーに収まらないスニーカーが、しわ感のあるベビードールドレスやファー付きのアビエーターハット、ボクシーなナッパレザー製ハンドバッグと共に登場しながらも、コレクションとして確かな一体感を保っている。それこそがこのメゾン創設者のヴィジョンを物語っている。

ここ数シーズンにわたって、MIU MIUの自社製フットウェアは着実にラインナップを広げてきた。かつて人気を牽引したフラットシューズは今も変わらず高い完成度で作り続けられているが、それにとどまらず、ハイブリッドローファーからボリューム感のあるランニングスニーカーに至るまで、幅広いアイテムを展開している。メインラインのコレクションと同様、そのスタイルの基準は多岐にわたるものの、MIU MIU特有の鮮やかな色彩や質感が、全てを自信に満ちたひとつの世界観としてまとめ上げている。

これらは、豪華でありながら親しみやすいプロダクトだが、何より重要なのは、既存のスタイルをなぞるのではなく新しさへと踏み出している点にある。そしてこの領域において、MIU MIUに並ぶものはない。