ソウルファッション通信:サンバイザー編
先週末、突発的に思い立ち一人で韓国のソウルへ。
しかし毎度、旅の前日になると決めたのは自分なのに、急に行くのが嫌になるマリッジブルーのような現象はなんなのだろうか。
自分は独身だが、もしこれが婚前旅行になってしまったら、旅行へのブルー × マリッジへのブルー、ブルーの2乗が襲ってきてもはや藍染め。もはや染之助 × 染太郎。自身の気分に回りまわされていくことになるであろう。
果たしてなんの話をしているのだろうか。
ということで、今や様々なトレンドの発信源のひとつともなっている韓国。
カフェやらコスメやらファッションやらの映えの収穫祭な様をSNSでは見かけるが、自分はどちらかというと現地の味のあるご婦人や翁を眺めに行く目的が大きい。
日々嫌なこともあるであろうにどちらかというと「何が今楽しいか」を優先しては、その心に従って日々を送っている地に足のついた先人達。
まさに地に足のつきすぎた結果、ホテルの近くで日中に行われていた謎の歌謡路上ライブに合わせて舞う爺さんは、片足の靴を脱いで裸足となり扇代わりにしてステップを踏んでいた。
そしてご婦人達を見て気になるのは、サンバイザー着用率の高さ。

室内だろうと夜であろうとサンバイザーを着用しており、一体何から身を守ろうとしているだろう、と問いたいところだがそんなの野暮な質問である。
そこにサンバイザーがあるから、かぶる。それだけのことなのであろう。
守るべきであろうアイテムが攻めのアイテムへと昇華されているこの気概は見習いたいし、もはやサンバイザーが甲冑の面具にすら見えてくる勇ましさを感じる。
もし自分が卒論を書くとしたら韓国のご婦人のサンバイザー着用率の高さについて書くであろう。
こちとら高卒なのだが。
そんな中でトレンドの中心地となっている聖水にも足を運んだのだが、ブランドショップやカフェが建ち並ぶオシャレの過剰摂取で意識が朦朧としてきてしまい、うろたえていた中で、女神のように現れたがこれまたサンバイザー婦人。

幸運アイテムの四つ葉のクローバーとやらを売りつけているようなのだが、もうあなた自身が幸運アイテム。カムサハムニダである。
四つ葉のクローバーよりも花々しい柄のサンバイザー。クローバーよりもそちらを売りつけたほうが儲かるのではという気すらしてくる。
こうしてみるとサンバイザーはもはや日除けなどというよりも、邪気などから身を守る厄除け幸運ファッションアイテムなのかもしれない。
ハイブランドも一粒万倍日に財布を買わせるマーケティングをしているところが多くなっているが、いっそサンバイザーを作って打ち出した方がよいのではなかろうか?
そんな韓国発信のファッションビジネスをぼんやり思い浮かばせながら、我が韓国ファッション通信。
来週へ続く。
- Words: キクチ