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ブランド:LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)

LOUIS VUITTONは12月15日(木)、パリに来年11月までの限定空間「LV DREAM」をオープンした。

百貨店「ラ・ベル・ジャルディニエール」が入っていた跡を会場に、アーティストやクリエイターらの作品を取り上げるなど複合的なエキシビションを展開。カフェやチョコレートショップも併設する。エキシビションは、インタラクティブな仕かけを備えた9つの展示室を用意した。
展示は、現代アーティストに依頼した作品を紹介する2つのポートレート展示室からスタート。最初の展示室「Mr. Louis by Cao Fei」(Mr. ルイ by ツァオ・フェイ)は、中国人アーティスト曹斐(ツァオ・フェイ)がルイ・ヴィトンをデジタルで描いた没入型マルチメディア作品を展示。歴史的な肖像画を現代のテクノロジーで再解釈した。
展示室「Louis Vuitton: As seen by…(ルイ・ヴィトン──それぞれの視点)」では、ルイ・ヴィトンのエスプリを、ミスター・カートゥーン、アレックス・カッツ、レフィーク・アナドールがポートレートとして描いた。ポートレートと共に展示するのは、「ストコフスキーのデスク・トランク」、写真家ポール・ナダールが所有していた1890年代のトランク、ダミアン・ハーストの「メディカル・キャビネット」など、19〜20世紀のユニークな作品たちだ。デジタル展示のピースの中には、フェルメールの名画「牛乳を注ぐ女」を収納するために特別に制作されたトランク(2018年)もある。

アーティストらがシルクスカーフ(カレ・ド・ソワ)を通してルイ・ヴィトンの世界を解釈した作品は、展示室「Art on Silk(アート・オン・シルク)」で公開。ソル・ルウィット、ジェームズ・ローゼンクイスト、ガエ・アウレンティ、アンドレ・プットマンら著名クリエイターが、それぞれの「ルイ・ヴィトン観」を自由に表現。1980年代終わりのテキスタイルシリーズからアーティストが手がけた近年のデザインまでも紹介する。
中盤では、「The World of Vuitton According to Rei(川久保玲が捉えたヴィトンの世界)」と題し、没入体験ができる視覚的な仕かけを用意。川久保は2008年に同ブランド向けに「パーティーバッグ」6点から成るカプセルコレクションをデザインし、2014年にはプロジェクト「アイコンとアイコノクラスト: Celebrating Monogram」に参加。「バッグ ウィズ ホールズ」を発表しており、同展示室では随所に穴が開いているモノグラムを背景に、2つのカプセルコレクションを展示する。
展示室「Reinterpreting Icons(アイコンの再解釈)」は、モノグラム誕生100 周年を記念し1996年にモノグラムを再解釈、2014年にも新たにモノグラムを再解釈したデザイナーやアーティストらに焦点を当て、カール・ラガーフェルドの「パンチング バッグ」やシンディ・シャーマンの「スタジオ インア トランク」、フランク・ゲーリーの「ツイステッド ボックス」、クリスチャン・ルブタンの「ショッピングバッグ」などを、鏡張りのスペースで、モノグラム・フラワーのディスプレイスタンドの上に並べている。

「Leather Goods in Fashion(レザーグッズ・イン・ファッション)」は、同ブランドの伝統とポップアートの遊び心が融合した、村上隆と草間彌生を取り上げた展示室だ。村上が2003年に発表した「マルチカラー」と、草間が手がけた「トロンプ・ルイユ・ドット」は、両コレクションともに発表と同時に大きな話題となった。展示室では、バッグをメインに、プレタポルテやアクセサリーも展示する。
展示室「Bags as Blank Canvas(まっさらな キャンバスとしてのバッグ)」)は、モノグラムのバリエーションと「アーティーカ プシーヌ コレクション」の2部構成。スティーブン・スプラウスのスプレーペイントのグラフィティ風レタリングや、ジェフ・クーンズによるモネの名画「睡蓮」とモノグラム・モチーフの組み合わせをはじめ、現代アーティスト18人による「カプシーヌ」などが並ぶ。
展示の最後を飾るのは、「Art Meets Fashion(アートとファッションの出逢い)」と名付けた区画。同ブランドが初めてファッションを発表した1998年から、メンズとウィメンズのアーティスティック・ディレクターらとコラボレーションしてきたアーティストたちに焦点を当てる。マーク・ジェイコブズとタッグを組んだダニエル・ビュレンとリチャード・プリンスや、キム・ジョーンズと組んだジェイク&ディノス・チャップマンとクリストファー・ネメス、ニコラ・ジェスキエールと協働したアトリエ・フォルナセッティとグレース・コディントン、故ヴァージル・アブローとコラボレーションしたNIGO®らの作品を展示。ランウェイで披露したルックや、デジタル技術によるインタラクティブウォールを公開。ウォールは、長さ10メートルの壁面に、ダニエル・ビュレン、NIGO®、グレース・コディントン、クリストファー・ネメスがデザインしたものを、人の動きに応じて映し出す。

今回は、展示会場の上階に「シュヴァル・ブラン パリ」のシェフパティシエ、マキシム・フレデリックとコラボしたカフェとチョコレートショップ「マキシム・フレデリック アット ル イ・ヴィトン」を併設するのも大きな特徴だ。ダミエ型の板チョコや、チョコレートマシュマロの「ヴィヴィエンヌ」、モノグラム・ボンボンなどの菓子を開発。 フレデリックが全ての原材料を吟味し、バニラやコーヒーを厳選。卵などの材料は、ノルマンディーのフレデリックの家族が経営する農場から直送するという。
内装は植物をテーマとし、トロピカルな植物で空間を演出。ディスプレーは波打つ形状のカウンターを使い、ショコラトリーには曲線の天然オーク材カウンターを配置。周囲にトランクを積み重ね、ボックス入りのチョコレートをディスプレイする。

ギフトショップでは、「LV DREAM」ロゴをあしらったラゲージタグやカードホルダーなど同イベント限定のアイテムのほか、同ショップのためにセレクトしたレザーグッズやアクセサリー、フレグランス、書籍なども販売する。

LV DREAM
会期:12月15日(木)〜2023年11月15日(水)
時間:11:00〜20:00
会場:パリ1区、ポンヌフ通り2番地(旧ベル・ジャルディニエール百貨店)
入場無料、要オンライン予約(ルイ・ヴィトン公式サイト、エキシビションのページより)
「マキシム・フレデリック アット ルイ・ヴィトン」とギフトショップは予約なしで入場可