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Life beyond style

Highsnobiety / Thomas Welch

“If a tree falls in the forest and no one is there, does it still make a sound? (誰もいない森で1本の木が倒れる音は聞こえるだろうか?” (※アイルランドの哲学者、聖職者のジョン・バークリーの主著『人知原理論』の中の一節で、知覚が知識であり、人が経験を通じて形成するものだと提唱)。同じように、もし新しい洋服を買っても、見せる人が誰もいなければ、果たしてその行いは意味があったのだろうか? 直近のECの動向を見るレポートに信ぴょう性があるとすれば、どうやら答えはNOのようだ。

ECデータ分析企業であるStacklineは、3月のアメリカ合衆国全体のEC市場で、売り上げが伸びた商品TOP100と、売り上げが下がった商品TOP100のリストをまとめた。想像通り、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響により昨年のデータとは全く異なる結果となった。人々は、マスクやパスタだけではなく、フィットネスグッズや、事務用品、「The Great British Bake Off(英テレビ番組)」の影響を間違いなく受けているであろう、ホームベーカリーも求めている。当然だが、もちろん使い捨て手袋や、消毒液、風邪薬の需要も急増した。ああ、それから卓球も。

「おうち時間」の向上に金を注ぎ込むようになり、ファッションに金は使わなくなった。結婚式は中止または延期され、ブライダルウェアや、メンズスーツといったメンズのフォーマルウェアの売り上げは落ち込んだ。ロックダウンや旅行の禁止により、男性のアウターウェアや水着の需要もなくなり、中でも旅行用品やスーツケースの売り上げは、最も大きな打撃を受けた。その反面、恐らくRIMOWA(リモワ)のキャビンケースはすぐに安価で手に入れることができるかもしれない。デザイナーズブランドのサングラスも同様だ。

単に家で過ごす時間が増えることで発生するニーズによって消費者の買い物傾向が変化しているという調査データに、特に驚きはない(あるとすれば、当時かなり貴重な資源だったトイレットペーパーがTOP10に入ってないことくらい)。Stacklineはデータが何を基に作られたのかを特定しなかったが、その後少し調べてみると、Stackline のCEOであるマイケル・ラゴーニ(Michael Lagoni)による、あるコメントを見つけた。データは毎日4億個の製品を流通している“AmazonやWalmartのような大手ECサイト”から集めているようだ。Nike(ナイキ)やadidas(アディダス)のような大手スポーツウェアブランドがデータに含まれているかは分からない。いずれにせよ、このようなデータはほんの一部でしかない。

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